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【尾松亮】廃炉の流儀

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おまつ・りょう 1978年生まれ。東大大学院人文社会系研究科修士課程修了。文科省長期留学生派遣制度でモスクワ大大学院留学。その後は通信社、シンクタンクでロシア・CIS地域、北東ア…
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#福島県

【尾松亮】地方自治を破壊するデブリ受け入れ計画|廃炉の流儀 連載56

 11月7日、福島第一原発(1F)2号機で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試験的取り出しが…

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【尾松亮】デブリ取り出し「奇妙な〝着手〟の定義」|廃炉の流儀 連載55

 東電は9月10日、デブリの試験的取り出しを始めたと発表した。取り出し装置で燃料デブリに触…

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【尾松亮】燃料デブリは放射性廃棄物ではない?(下)|廃炉の流儀 連載53

 福島第一原発事故で原子炉内外に広がった溶融燃料(いわゆる「燃料デブリ」)。これは「放射…

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【尾松亮】燃料デブリは放射性廃棄物ではない?(上)|廃炉の流儀 連載52

 福島第一原発では原子炉内外に広がった溶融燃料(いわゆる「燃料デブリ」)の取り出しが最難…

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まず耐震性調査と安定化が必要―【尾松亮】廃炉の流儀 連載35

 東電は昨年5月17〜23日、福島第一原発1号機の原子炉格納容器内に水中ロボットを入れ、原子…

〝地元発〟1Fモニュメント案の危険性―【尾松亮】廃炉の流儀 連載34

 もう一度、原子力規制委員会の更田豊志前委員長が提案した東京電力福島第一原発「デブリ取り…

法的合理性問われるデブリ取り出し断念案―【尾松亮】廃炉の流儀 連載32

 8月25日、東京電力は、2022年後半に取りかかる計画だった福島第一原子力発電所2号機の溶融燃料(デブリ)取り出しの時期について、23年度後半に延長することを発表した。デブリを取り出すロボットアームの改良、放射性物質が飛散するのを防ぐ装置の損傷、などが延期理由だ(8月25日付日経新聞)。「40年後廃炉終了」を目指す1Fロードマップの当初スケジュールでは、21年には取り出しを開始する目標であった。それが昨年、コロナ感染拡大を理由に22年後半に延期された経緯があり、今回で延期は

ハンフォードモデルを問う④―【尾松亮】廃炉の流儀 連載29

 5月に成立した改正福島復興特措法では、旧避難指示区域内に国際研究拠点を創り、その周辺に…

ハンフォードモデルを問う③―【尾松亮】廃炉の流儀 連載28

 かつてプルトニウム製造がおこなわれていた米国ハンフォード核施設サイト(Hanford Site)で…

ハンフォードモデルを問う②―【尾松亮】廃炉の流儀 連載27

『政経東北』2022年6月号より  5月12日衆院本会議で、浜通りに整備する国際研究拠点の根拠と…

ハンフォードモデルを問う①―【尾松亮】廃炉の流儀 連載26

 今年2月、浜通りに整備する国際研究教育拠点の根拠となる福島復興再生特措法改正案が閣議決…

1Fモニュメント案の危険性―【尾松亮】廃炉の流儀 連載25

 福島第一原発の施設解体や敷地更地化を目指し続けるより、負の遺産のモニュメントとして残す…

デブリの法的定義を②―【尾松亮】廃炉の流儀 連載24

 東京電力は今年(2022年)中に福島第一原発事故で溶け落ちた燃料デブリの取り出しを開始…

デブリの法的定義を① ―【尾松亮】廃炉の流儀 連載23

 東京電力は今年(2022年)中に福島第一原発事故で溶け落ちた燃料デブリの取り出しを開始する計画である。しかし、そもそもこの「燃料デブリ」とは何なのか、日本では「法的な位置づけ」が定まっていない。  原発事故から11年が経過しようとしている現在、福島第一原発1~3号機の原子炉内(或いはさらにその外)に溶け落ちた燃料デブリに関して、「政府の引き受け義務」や「放射性廃棄物としての位置づけ」を定めた法律・規則はまだない。  資源エネルギー庁の説明によれば、国による地層処分が必要