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株式会社ホテル一畑(松江市千鳥町)

昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和53年3月15日号より北陽株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、各種表現や広告内容等記載内容は掲載当時のものです。一部数字を漢数字から英数字に変更。


【事業所めぐり76】株式会社ホテル一畑(松江市千鳥町)


一畑電気鉄道㈱を中心とする一畑グループ(26社)中の一角をなしており、客室数138室のほか宴会場6室、会議室、結婚式社長場、展望温泉大浴場などを備えた最大収容人員数316人という地上8階、地下1階建ての近代的大型ホテル。風光明媚な国際観光都市・松江市を訪れる観光、ビジネスなど利用客の後が断たない。

松江市が昭和38年ごろから松江温泉に進めていた旅館団地の造成が、42年ごろほとんど整備されたため「県都にふさわしい立派なホテル」の建設を意図。43年、総工費5億5000万円をかけて客室数50室を備えた大型ホテルを完成させた。一畑電鉄の全額出資によるもので資本金1億5000万円をもって創業。

宍道湖の景観をはじめ多くの観光的景勝地に恵まれた同ホテルは、”観光ホテル“と”ビジネスホテル“としての両面的機能がいかんなく発揮できうる立地条件も好調な歩みを続けさせる一因になっている。

オープン後、6~7年経った50年ごろには客室の不足状態が見られるようになったうえ、大会あるいは学会など多人数の団体宴会客で宴会場も手狭になってきたことから、51年10月、総工費16億5000万円を投じて増築、現規模に拡張した。併せて2億5000万円に増資した。

今では、同ホテルの売りである宴会場、ロビー、7階の展望温泉大浴場などを中心に年間約27万人(総計)を動員。

しかし、昨年12月まで順調だった同ホテルもことしに入ってからは、動員客数は横バイかやや上向き程度というのが実情で、「あまり大きな期待をしないで、軽量経営で困難な時期を乗り切っていきたい」と50年から代表に就任している渡部社長。

増築の際も新たに従業員を採用することもなく自然減などによる合理化に努めてきた同ホテルだが「だからといってサービスなどの内容は、以前と少しも変わっていない。全員がサービス精神でお客に接するよう内容的には”質“の向上を図っている」。ことしに入って、経済環境はいよいよ厳しさを増しつつあるが、「今のところ、当初のもくろみ通りにいっている。しかし、現在の回転率60%をこれから徐々にでも増加させていきたい」と、意欲的な姿勢を見せている。(昭和53年3月15日号)



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