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鳥取砂丘大山観光株式会社/砂丘センター(岩美郡福部村湯山)


 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年2月25日号より、鳥取砂丘大山観光株式会社(砂丘センター)を紹介します。
※地名、店名、役員、広告内容など記載内容は掲載当時のものです。


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【事業所めぐり3】鳥取砂丘大山観光株式会社/砂丘センター(岩美郡福部村湯山)


 鳥取駅前から砂丘センター行定期バスで約18分、終点で降りるとすぐ目の前に、周囲を松林に岡まれ、眼下に砂丘の中心部と日本海をのぞむ鉄筋の建物が待ち構えている。

 一階は、山陰の特産物や民芸品などの売り場と喫荼・レストランからなっており、二階は砂丘に関する資料コーナー、バルコニー、展望台などを備え、訪れた観光客の目を楽しませている。

 この時期は”シーズンオフ“ということもあり人影はまばらだが、例年3月半ばから11月末にかけて活況を呈すとのことで、今からその準備に追われている。どちらかといえば景気に左右されがちな業界だが、44、45年ごろまで着実に売り上げを伸ばしてきた。

 オイルショックを契機として同業界が不況にあえいでいるなかで、同社は昨年、対前年比19%増と画期的な伸びを見せていて、この不況下に同社の安定した業績は注目される。

 春の連休、夏の海水浴、秋はナシ狩り、また近くに温泉地が控えているなど、シーズンを通して条件的にはめぐまれている。しかし、客層が地元や京阪神にかたよる傾向が強いため、交通網の整備、発達が今後の重要な鍵を握っているといえそうだ。

 また、七、八年前まで、全体の六~七割ちかくを一般のフリー客が占め、そのほかを団体、予約客が占めるという状況だったが、以後徐々に逆の傾向をたどり、昨年あたりはこの割合が逆転している。

 同社ではこの現象を、石油ショックに伴うマイカー族のドライブ自粛が原因とみており、今後、これらマイカー族への積極的なPR作戦を検討している。

 この4月には二号館を改築し“国民宿舎ホテル砂丘センター”(鉄筋三階建て、収容人員・一般150名、団体200名)をオープンする予定で、現在着々と工事が進められている。完成の暁には同センターの食事、休憩部門に加え宿泊施設も完備することになっており、より幅広い充実した受入れ体制が期待できる。

 一方、週休2日制の普及などにより、ますますレジャーも拡大するものと予想され、収容機能を完備した同社にとっては明るい材料といえる。

 国立公園内に位置している関係上、環境衛生など行政上の規制が厳しく、汚物処理などへの投資も余儀なくされているが、「①サーピスの向上②安全無事故③経済的能率の増進(先代社長)」という営業目標の逹成を目指している。(昭和52年2月25日号)

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