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北陽冷蔵株式会社(境港市昭和町)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年5月5日号より、北陽冷蔵株式会をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。

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【事業所めぐり18】北陽冷蔵株式会社(境港市昭和町)


昭和48年、昭和町の埋め立て用地造成に伴い現在地に進出して以来、加工業を中心に順調な業績を示している。設立は42年8月、1600トンの冷凍・冷蔵倉庫を建設して保管業務を主として営業を始めた。さらに続けて第二期工事で2300トンの倉庫を補強し、巾着ものといわれるアジ・サバ・イワシなどを主に冷凍・冷蔵している。昨年来の巾着ものの豊漁は同社の倉庫業としての実績を一段と高め、昨年売り上げ1億7000万円の記録を残している。

谷口社長は「現在も100%フル操業といって差し支えないでしょうね。お陰さまで冷蔵部門に関してはコンスタントな成績を挙げています」と、倉庫業については不安なしと自信のほどをのぞかせる。

問題は、ソ連および韓国による200カイリ線引きの影響をモロに受ける力ニの加工部門。同社の場合、境港であがるベニズワイガニを主として冷凍加工食品を同社のブランドで製造しているわけだが、「漁業水域規制による漁獲高の減少は当然、原料高となってはね返ってくる。しかし、それをそのままスライド的にアップするということが現在の情勢では困難になっていることは確かです。専管水域の調整も予断を許さない状況ですし、その意味では試行錯誤を重ねながらやって行くしかない」と、不安をみせながらも、谷口社長の口調は好調な業績に支えられてか自信に満ちている。現在も「〇は」マークの大洋漁業との業務提携による製造も開始しており、その成績は好調なようだ。48年の造成地進出に伴い2300万円をかけて設立した加工工場で忙しく動き回る従業員の顔は明るい。

「和を大切にしたいですね。だれの意見であろうとお互いに尊重する、という姿勢で従業員との協調を図ることを心がけています」と、いうことで現在、県内で闘争中の賃上げ交渉についても「ウチは春闘というようなこともなく、労使一体です」と、総務部阿部幸雄係長は胸を張る。ともあれ、カ二加工を中心にした昨年の冷凍食品の売り上げ実績17億円を記録した同社の活躍が期待される。(昭和52年5月5日号)


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