米子木工株式会社(米子市和田町)
【事業所めぐり42】米子木工株式会社(米子市和田町)
昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年9月5日号より、米子木工株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。
昭和18年の創立。戦前は事務用家具の製作を主体としていたが、27年ごろからは、量産洋家具・婚礼用家具の製造に転換。一方では手作りの技術を生かした工芸家具の製造を地道に続けるなど、この業界で着実な地歩を築いてきた。
昭和48年、それまで米子市米原にあった工場を、5000平方㍍以上の広大な用地を布する和田浜工業センターに一部移転。そのころから「住まいから家具まで」というテーマのもとに、家具工業の分野にとどまらない関連産業との協業化を積極的に推進してきた。
まず、同工業センターに既に進出していた山陰家具工業㈱、日本海住宅産業㈱を併せた3社が「みつばグループ」を結成。その後、家具の化粧板および住宅の壁材・床材を製造する協業組合・米子家具住宅資材工業を設立。
現在では、協同組合・米子家具流通センターを含む5つの企業体が、米子木工㈱を中核として、家具・住宅内装資材の総合製造グループを形成している。
この「みつばグループ」は、全国にも例のない一種の「運命共同体」だけに、当時から新しい家具工業の在り方として注目されてきたが、同グループの会長も務める松篠社長は「家具工業から住まいに関連した部門まで、協業することでメリットの可能性がある部分はすべて協業化して、一貫した製造過程を完備した体制づくりを目指してきた」と、”近代化の手本“ともいわれている協業化の成果に自信満々の様子。
家具は不況業種の一つ―といわれているが、「ウチの場合も、昨年は生産調整をした。だが、ことしに入ってから生産はむしろ上向き加減。現在秋の販売シーズンにそなえて、フル操業中だ」と、同社長。婚礼用家具・ユニット家具を専門とする同グループ内の活況が、主に製材部門を担当している同社の好調をも促しているようだ。
また同社にとって、「みつばグループ」の協業化は、技術交流の面、社員の環境福祉の面などで、多くのメリットをもたらしている。毎月一回発行されているグループ報「もくめ」は、経営者と従業員とのコミュニケーションの充実ぷりを感じさせるユニークな雑
誌として、内外から好評を博している。
協業化5年目を迎えた「みつばグループ」―本年度の年商目標は35億円というが、多様化する生活のニーズに対応して、住宅内装システムの開発に取り組む同グループの中核的存在として、米子木工㈱の今後の活動が注目される。(昭和52年9月5日号)
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