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中国住宅産業株式会社(略称みどり住宅)【東伯郡羽合町田後】

【事業所めぐり40】中国住宅産業株式会社(略称みどり住宅)【東伯郡羽合町田後】


昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年8月25日号より、中国住宅産業株式会社(略称みどり住宅)の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。

昭利47年、智頭町に本社のある中西木材株式会社の関連会社として発足。

当時は、30年代中期から続いた高度経済成長がピークに達した時期で、社会一般の豊かさに、個人生活がなかなか追いついていけない点が問題視されて来ていた。特に住宅問題は深刻だった。

そのような現実のなかで、人が健康で文化的な生活を営んで行くための基本条件の一つとして、住環境の改善と安定という目的のもとに、心の触れ合う環境作りを目指して、同社は「街に緑を庭には花を」をテーマに、住まい作りの総合プランナーとしての活動を開始した。

48年5月北条町江北に「みどり団地」を造成。だが、営業がようやく軌道に乗ろうとしていた頃、オイル・ショックによる影響をモロに受け、資材の入手にも困難をきたすほどの厳しい状況に直面。

その後は、顧客へのサービスを第一に、信頼関係を地道に築くことに主力を注いできた。その結果49年以後は、業績的にも毎年大幅な伸びを示し、昨年実績で年商8億円と順調。この業界にありがちな「不動産屋的商法」を排した堅実な商法が、着実に実を結んできた感じだ。

「特に顧客へのサービスにはカを入れています。家がほしいと思われる方への住宅相談として、資金面・プラン面でのアドバイス。また、補修・改修に至るまでのアフターサービスにも万全を期しています」と、同社の重道常務。

住まいづくりのコンサルタントとして同社は、資金づくりから、設計―木材―加工―建築―完成―アフターサービスまで、木造住宅メーカーとしての一貫したシステムを確立している。

近年は住宅に対する大衆のし好も変化。以前のようなプレハブ的なものは相対的に減少し、かわって木造―瓦ぶきのどっしりした住居に人気が集まるという。同社では、日本建築の伝統を守り、木造の良さを生かしながらも、近代的工法を取り入れて、快適な居住性を考慮したユニークな住まいの提供を心がけている。

ところで、快適なマイホームを持つことが、ますます難しくなっている現状について「それぞれに快適なマイホーム・プランが達成できるよう、資金計画の段階から、個々の相談に応じて、顧客との信頼関係に立ったプランの作成を一緒に手がけるようにしています。最近になって、建て売りの値引き販売をする所などもあるようですが、もともともうけ過ぎているからそうなるわけ。コスト・ダウン、サービスの改善といったことに、これからはもっと努力していかなければならなくなると思いますよ」と、業界の将来予測を含めて、客サービスに徹した商法を力説。”自然と住まいの調和“を理念とした「みどり住宅」の躍進が今後とも期待される。(昭和52年8月25日号)



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