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日総工業株式会社(鳥取市安長、東伯郡北条町、本社・広島市羽衣町)
昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年6月25日号より、日総工業株式会社をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。
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【事業所めぐり27】日総工業株式会社(鳥取市安長、東伯郡北条町、本社・広島市羽衣町)
LPガスを集団供給するための”基地“作りの専門会社として全国でも五指に数えられている。LPガスは昭和27、28年ごろから出始めたが、当初は消費も少なく、明治末期からの歴史を持つ都市ガスと比べ、その普及率は微々たるものだった。しかし、昭和34年ごろから生活必需品の家庭用燃料として、一般家庭に利用され始め、現在では全国で1400万世帯が利用し、都市ガスの700万世帯の二倍のシェアを持っている。
しかし、LPガスは安全対策のうえから、火気はもちろん直射日光も避けねばならないが、実際にはボンベは各家庭の軒下に置かれている。また、消費者への一般的な供給方法は、同一地域にいくつかの業者が入っていても、それぞれの得意先まで例え一個のボンベでも配逹しているため、車のガソリン代、人件費などの経費が必要となり、利益を圧迫しているのが実情である。
この問題を解消するため、同社はある一定の地域ごとに一つのL Pガスのボンベ基地を作り、その地域にLP ガスを集団供給する「配送センター・システム」を導入、配送の合理化、諸経費の削減を図ると同時に、昭和42年に広島市に神和産業㈱を設立、翌43年には同市に広島矢崎ガスサービス㈱を設けて、LPガスの安全対策強化にのり出した。
昭和46年には、鳥取県にLPガス専門の配管工事業者がいないことに目をつけ、鳥取市富安に営業所を開設、47年には倉吉市にも営業所を設け、県内の各農協を通じて、その所在地域のLPガスボンベ基地設置の依頼を受け、配管工事から法定点検、LPガスの配送業務まで”LPガス一筋“に高度成長期は年間1700戸、オイルショック後でも1200戸に配送できる基地作りをやってきた。
年商も毎年2億円から3億円の間で推移し、昭和50年に広島市にある2社を合併、日総工業㈱にすると同時に、県内の2営業所を支店にした。”安全第一“が社長のモットーで、従業員にも技術指導を徹底して行っているうえ、配管パイプも3年前から住友金属の協力を得て、従来のパイプに5ミリの厚さのプラスチックをかぶせた新しいプラスチック被服鋼管を用いるとともに、パイプの接続工法もSE工法という新技術を取り入れるなど「安全を売る商売」に徹している。
現在までに県内で作った基地数は200基地にものぼり、8500戸にLPガスを配送しているが、同業種は、安全性が高まれば高まるほど需要は強まることが予想されており「まだまだ順調に伸びていくだろう」と社長はみている。(昭和52年6月25日号)
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