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株式会社シバタフードセンター(鳥取市湖山町)

 昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は創刊号・昭和52年2月15日号より、株式会社シバタフードセンターを紹介します。
※地名、店名、役員、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。


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【事業所めぐり2】株式会社シバタフードセンター(鳥取市湖山町)


 17年前(昭和35年頃)、当時小売業の形態としては画期的な“スーパーマーケット”としてスタートした同社は現在、鳥取市内に6店舗を有している。創業以来着実に売り上げを伸ばし、51年は、約30億円(前年比25%増)と、不況もどこ吹く風といったところだ。

 このように順調な経営を続けてきた最大の要因として“消費者の要求に対し率直に呼応する新鮮な企業感覚”があげられ、「時流に即していく」という社長の経営哲学がこれを裏付けている。一面、これまで県内に競争相手といえるほどの強力なライバルがいなかったことも売り上げ増進の一因となっている。

 同社では、「従来のような小売業の形態では現在の個性化、多様化した新しい消費者に対して、存在価値が薄くなり、やがて自然淘汰されるのではないか。これまでのスーパーのように安さだけを売りものにする時代は過ぎ去ろうとしている。安さの上に便利さ、楽しさ、品質の良さなどすべてが要求される時代になるだろう」という認識のもと、市街地への出店をやめ、住宅地を中心にした郊外への店舗づくりに乗り出した。

 昨年8月、湖山町に出店した“Sマート”をはじめ“湯所ショッピングセンター”“緑町店”と郊外に進出。これらの店すべてが好成績にあるという。このことはまた「これからの食料品をはじめ、生活必需品を中心とした小売業は郊外の客にわざわざ市街地まで来てもらうのではなく、小売業の方からそれらの人たちの生活圏に出かけて行く事が必要だ」という社長の判断によるものでもある。 

 このようにますます上昇機運にある同社だが、これからの見通しに関しては必ずしも楽観視してはいない。200カイリ、資源不足の時代をむかえ、コストの面での問題、それに伴う人件費の問題。さらに、近い将来この業界も本格的な競争時代に入るものと予想され、これにどう対処していくか、またシビアな消費者の購買態度にどのように対応していくかなど課題も多い。(昭和52年2月15日号)


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