ミサワホーム鳥取株式会社【鳥取市富安】
【事業所めぐり39】ミサワホーム鳥取株式会社【鳥取市富安】
昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年8月25日号より、ミサワホーム鳥取株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。
セキスイ、大和ハウスと並ぶ“プレハブ住宅”の大手メーカー・ミサワホーム㈱のディーラーの一つ。メーカーが量産した部材を接着工法により組み立てて建築する。従来の手工業的な住宅建築と違い、合理化を図った近代的な建築方法のため、その建物には、風や地震に強く外気の温度を断ち切るなどのメリットがあり、しかも一般住宅建築に比べて経費も少なくて済むため、ユーザーは年々増えている。
同社は現取締役の馬野勇氏(馬野建設社長)が昭利46年12月に設立、オイルショックが起きるまで順調に推移した。しかし、この時期が同社の拡張期であったため、
47年に米子店、倉吉店を開設するほか鳥取市や米子市にプレハブ住宅の展示場をつくるなど、大幅な投資が続き苦しい経営内容だった。
オイルショック後は、業界全体が低迷、同社を取り巻く環境はさらに厳しくなったが、県職員を定年退戦後に馬野建設㈱を経て、48年6月から同社の常務として勤務していた益田則雄氏が、49年6月に社長に就任。以来、これといった投資の必要もなく、以前しばしばあったユーザーからのクレームも新建材の開発や技術、エ法の改良によって激減、プレハブ住宅の良さが認識されてきた。また、アフターサービスを徹底し「真心をもってお客に接する」という誠実さも評価されるなど、50年から黒字に転じ、昨年の年商実績は約10億円に達している。
長引く不況の影響で、依然として業界は厳しい状況下にあるが、同社は、一般プレハブ住宅のほかにアパートや店舗兼用住宅なども手掛け、現在、月平均12~13棟の安定した建築注文を確保、いずれも専属のエ務店を使って建築している。ことしの営業目標は、大家族向けの5LDKから7LDKまでの部屋数を持つO型住宅、ニューファミリーを対象にした3DKから5LDKまでのA型住宅、フリーサイズの中からデザ
イン的に趣向がこらされている7プランを選び、ユーザーの意向を50%盛り込んで建築する77型住宅などを中心にして販売に力を入れ、10億円以上の年商を目指している。
現在、政府は住宅建築の推進による景気のテコ入れ策を打ち出しているため、建築業界の見通しは明るい、と社長は見ており「製品に対しては絶対的な自信を持っていますから、理想をいえば、お客に満足してもらい、その方のロコミで注文が来るような
時代が早くきてほしい」と話している。(昭和52年8月25日号)
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