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日本事務用品工業株式会社(鳥取市湖山町南)

昭和52年2月の創刊時から連載されていた、山陰の事業所を紹介する『事業所めぐり』をnoteで順次紹介。今回は昭和52年11月5日号より、日本事務用品工業株式会社の記事をご紹介します。
※地名、会社名など各種名称、役員、事業内容・方針、広告内容等記載内容は掲載当時のものです。



【事業所めぐり54】日本事務用品工業株式会社(鳥取市湖山町南)


昭和37年12月に国内最大手の事務用品メーカー「コクヨ」㈱のほとんど全額出資の形で発足、翌年1月から千代水公民館を仮工場としてスクラップ、用箋ばさみの生産を開始した。当初は本社出向も含めてわずか20人でスタートしたが、その年の11月には現在の湖山に工場と事務所を建設、従業員も80人に増員して本格的なバインダーの製造に着手した。

その後も順次工場や倉庫などの施設を充実させ、45年にはフラットファイルの生産にも乗り出すとともに浜村工場を新設、従業員も300人近くに膨張した。しかし、オイル・ショック後の50年には需要不振のために希望退職者を募るなど、試練も経験した。

現在ではフラットファイル、バインダーの二種を専門に生産。コクヨ製品全体ではわずか5%程度に過ぎないが、浜村を含めて5工場、倉庫4棟を増設、52年度実績で6億8700万円の年商をあげ、着実な伸びをみせている。需要不振で他社との競争が厳しくなっている現在、国内シェアの40%以上を占めるコクヨ製品の伸びは順調で、今年度実績760億円の9%前後の伸びを見越して生産に拍車をかけている。工場の操業率低下が叫ばれる今日、同社はほぼ100%の嫁動率を維持しており、来春も新規採用7人を内定、地元の誘致工場としてその役割を十分に果たしている。

現在の月産能力はフラットファイル800万冊、バインダー35万冊。生馬美津雄工場長代行は、減速経済下での心構えについて「在庫管理を厳しくチェックすること。それに、やはり人件費が年々上昇していますから機械化による省力化を図ることを心掛けたい」と抱負を語る。誘致企業とはいっても設立15年を迎えて「当初は出向社員もいましたが、現在はすべて地元」という通り、完全な地元企業として定着。男82人、女115人、合わせて197人の従業員は2万5000平方㍍の職場に愛着を持って働いている。(昭和52年11月5日号)



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