症例04:橈骨遠位端骨折
こんにちは、TROT(トロット)です。
だいぶ過ごしやすい天気になってきて、僕の働くクリニックはいつにも増して外傷が増えてきております。(というか人手不足…?笑)
という愚痴はさておき、
昨日来院された橈骨遠位端骨折の患者さまの症例についてご紹介していきたいと思います。
橈骨遠位端骨折
患者紹介
・16歳/男子/水泳部
・学校の階段(5段くらい)から転落した際に手をつき受傷し、同日来院
・外観:背側変形著明
・症状:骨折部の痺れ(手指には感じない?)、痛み(により顔面蒼白)
画像所見
ついでに骨折線も書いてみました。
骨折線追うのって難しいですよねえ。
僕はレントゲンを読影するのも苦手なのであくまで練習用ということにしておいて欲しいのですが、皆さんの見解はいかがでしたでしょうか?
もしこの線違っているんじゃない?てのがあればコメント頂けますと励みになります。笑
僕はこれをみて、背屈は強いけど、橈屈転位はそこまでだなあと感じました。
いざ整復!
①手指牽引
5指〜2指にかけて手根骨の整復も兼ねて行ないます。軽度の背屈転位であればこれで短縮が除去できることが多い印象です。
②遠位骨片を長軸牽引というよりは背屈位のまま牽引
③背側の骨片が揃ったところで掌屈
④骨片を圧縮しながら尺屈方向へ圧迫(整復音はせず)
整復後のXP画像
再び骨折線を書いてみました。
やや背屈転位が残るのが気になるところですが、まずまずといったところでしょうか。(ほんとはPERFECTを狙いたいところ…悔)
固定
・固定は後輩にバトンタッチ
・整復位よりも掌屈と尺屈を強めるように、キャストライトにて固定
・範囲:上腕中央 〜 MP関節よりもやや長め(※)
(※)術者によって賛否分かれるところだと思いますが、僕の働くクリニックでは初期固定はMP関節よりも長めで固定をすることが多いです。理由は手指の屈曲運動によって骨折部の短縮を少しでも起こさないようにするためです。拘縮は2W程度で起きてしまうことが多いので7〜10日はこの状態で過ごしてもらうようにしています。
というわけで…
今回は橈骨遠位端骨折について症例をまとめてみました。
整復や固定の完成度について反省すべき点はたくさんありますが、一つずつこういった症例をまとめて患者さんのQOLが向上できる治療家になりたいと思います。
まずは休み明けの患者さんの訴えがどうなるのか楽しみなところです。
また皆さんであればどういった治療が良かったんじゃないかなどアドバイス頂けますと幸いです。
今回もトロットノートをお読みいただきありがとうございました。