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【食品業界の闇】 食品表示で国民を騙すのは消費者庁!? 2025年2月18日放送分
# 食品国産偽装、消費者庁
(ゲスト)山田正彦氏:元農林水産大臣・弁護士
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【目次】
1. オープニング
2. 国産と誤解させる「国内製造」表示
3. 生産者を脅す消費者庁
4. 大企業の為に法律を捻じ曲げる
5. 訴訟を起こして国を正す
(深田)
ITビジネスアナリストの深田萌絵です。今回は、元農林水産大臣・弁護士でいらっしゃる山田正彦先生にお越しいただきました。
先生、よろしくお願いします。
最近、食品の表示、原料原産地表示がどんどん分からなくなってきている感じがします。産地ロンダリングというか、誤認識させて私たちを騙そうとしていると思うことがあるのですが、先生どうでしょう?
(山田)
本当にそう思います。例えばこちらの日清キャノーラ油ですが、カナダ産の遺伝子組み換えの菜種でできたものです。
(深田)
これ100%じゃないけど、本当に国産のなたね油なのかは分からない。
(山田)
「国内製造」と書いていると意味が分かりますか?
(深田)
国産っぽい響きですよね。
(山田)
これをパルシステムさんとか生協さん、生活クラブさんもそうでしたが、日本消費者連盟が一回アンケート調査したのですが、約3割の人がこれを誤解するのです。
(深田)
3割の人はこれを国産だと思っていると?
(山田)
国産だと誤解します。しかし、以前はこんな表示はできませんでした。というより、こんな表示はしませんでした。僕が大臣になる前に一番気になったのは、輸入農産物が入ってくることです。日本はどうしても安い輸入品に押されて、国内の生産量が減ってしまう。もし「国産」と表示したら、輸入のものじゃなくて国産のものを買うだろうと。それで、TPP反対運動をやっている時に、全中(全国農業協同組合中央会)さんも、私も、本当にこれからウルグアイラウンドが始まって、輸入農産物がどんどん入ってくる時にどうしたらいいかと考えていました。それで「国産表示」をやろうじゃないかと考えました。
(深田)
「国産」と書いてあれば、みんな安心して買います。
(山田)
その時の調査があります。内閣府が調査してくれたのですが、確か消費者の約80%〜89%の人が「国産」とあれば国産のものを選ぶという結果が出ました。
(深田)
私もラベルを見て確認し、国産品があれば国産品を選びます。
(山田)
その時に全中と一緒に、TPP反対運動をやっていました。全国農業協同組合中央会がこの「国産表示」を提案して、全国の国会議員を回りました。そして、法案が通りました。そしてこちらの法律です。
(深田)
平成二十五年法律第七十号「食品表示法」第四条には、「消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない」と。
(山田)
良い法律でしょう。これを通しました。
(深田)
食物アレルギーの原因となるアレルゲンや保存方法、消費期限、原産地、カロリー、添加物まで全部書いてくださいということですよね。
(山田)
ところが実際にはどうなっているかと、小豆島手延素麺に「北海道産小麦一等粉100%使用」と書いてあるので、安全なものだと思います。ところが、法律上の表示基準では、「国内製造」としか書けなくなりました。
(深田)
どうしてこうなったのですか?
(山田)
消費者庁・内閣府です。
(深田)
食品表示は、消費者庁の管轄です。農林水産省、消費者庁に負けちゃっているじゃないですか。
(山田)
まさに、小豆島の国産100%の小麦だけど、法律上の食品表示の義務では「国内製造」と書いています。
(深田)
これは混乱します。分からなくなっちゃいます。
(山田)
これは食品表示法の法律違反じゃないかと考えています。これから裁判をしようかと今思っているところです。
(深田)
最近、消費者庁がおかしいと思っています。国産の大豆100%で作っている納豆に、もし1粒でも外国産の大豆が混ざっていたらコンタミ(コンタミネーション)と言って、「国産100%」と表記していても、1粒外国産の大豆が入っていたら罰金を取ると言い出しました。
(山田)
食品表示が本当におかしくなってしまいました。例えば、四国の山奥に馬路村(うまじむら)というところがあります。
(深田)
馬路村のポン酢、買っています。美味しいです。
(山田)
馬路村まで行ってきました。馬路村は日本一有機農産物80%出しています。そこの農協の専務に、「今は国産と表示しているが、国内製造と表示しろと言われていないか?」と聞きました。すると、「消費者庁からそう責められています」と。2〜3年前までは「国産小麦でできたパン」とか普通に売られていましたが、今無くなりました。
(深田)
製造ラインでちょっとでも外国産が混ざっていたら、国産といったら虚偽表示だ!と言って、ものすごく生産者をいじめています。
(山田)
法律では、さっき読んだようにきちんと表示しなさいと。韓国では、きちんと原料原産地の輸入国を3か国まで表示されています。
(深田)
アメリカも結構厳しいです。
(山田)
EUも厳しいです。
(深田)
日本が一番、わけわかんないんですよ!
(山田)
これが一番問題です。食品表示問題を考える会というのを立ち上げたところです。みんなでこの食品表示を法律通りに、きちんと国産の表示ができるようにしようじゃないかと。
(深田)
そうしてほしいです!私は、保存料とか化学調味料などの化学物質アレルギーです。どれにアレルギーがあるのか、今の表示だと全然分かりません。
(山田)
これは問題だと思い、僕も色々調べてみました。諸外国ではではきちんとしているのに、日本だけがなんでこうなってしまったか。
(深田)
どうしてですか?
(山田)
日本の大企業の影響だと思っています。食品産業、大手のメーカーは、「国産」と表示があれば負けてしまいます。
(深田)
中小企業は「国産」表示を謳い市場で戦ってきます。しかし大手は、それだけの国産原料を集めるのが難しいから、輸入品で賄っています。結局は、中小企業いじめです。
(山田)
中小の真面目な企業は「国産」の表示ができなくなってきました。
(深田)
本当にそうだと思います!去年も、消費者庁はその方向で動いていました。
(山田)
どうやって戦ったらいいでしょう?
(深田)
消費者庁を訴えるしかないのでは。アメリカでは、先日コストコでバターがリコールになりました。なぜかというと、バターが牛乳でできているということを明記していなかったからです。つまり、牛乳アレルギーの人や乳糖不耐症の人に対して、ちゃんとお知らせしていなかったっていう理由です。それで訴える人がいます。我々日本人からしたら、バターが牛乳からできてなかったら、何からできているのと思ってしまいますが。それでもアメリカでは、知らなかったからアレルギーになった!と戦う人がいます。日本人も戦わなきゃいけません!
(山田)
国を相手に裁判しなければいけません。
(深田)
アレルゲンが入っている食品を知らずに購入してしまったら、命を落とす人もいるわけです。アレルギーがある人にとっては、生命の危機です。命の危険がある場合は、国家賠償請求に基づいて損害賠償ができるはずです。
(山田)
食品表示法ではきちんと表示しなさいとなっているのに、内閣府が作った食品表示基準でどのようにでも変えられるようにしてしまいました。だから、ここは絶対に戦わなきゃいけないところです。
(深田)
国民の命に関わる問題ですから。
(山田)
違憲確認訴訟の弁護団で、違憲訴訟が2月20日に判決が下ります。その弁護団には若手の弁護士さんも入っていて、今、食品表示問題の勉強会を開いています。一応消費者の皆さんにも集まってもらい、この食品表示問題を食品表示法通りに戻そうと。憲法第21条の知る権利に基づいて、憲法に違反して食品表示法に違反して、国が間違ったことをしているという裁判を起こそうと思っています。
(深田)
皆さんの中には憲法を誤解している人もいるかもしれないので、一応説明します。憲法は、私たち国民が国家の暴走から守ってもらうための法律です。だから、憲法は国が守らなきゃいけない最高法規です。つまり、国家は国民の知る権利を侵害してはいけないということです。
(山田)
裁判するというのは、すごく大事なことです。つい昨日の話ですが、みつひかりの種子について三井化学を私たちが刑事告発していましたが、東京地検から通知がきました。その通知を開けてみたら、三井化学を刑事起訴しましたと。
(深田)
三井化学が虚偽表示をしていた問題ですね。発芽しない米とかを、農家に売られても迷惑なだけです。
(山田)
やっと日本の検察も種苗法違反で、刑事起訴しました。どんどん摘発をしたりどんどん訴えたりして、裁判に持ち込むことが大事です。食品表示法違反の問題についても、国を相手におかしいじゃないか!と裁判を起こす予定です。
(深田)
女性の皆さんは、こういう原産地表示をものすごく気にしています。私たちは安全なものを食べたいですし、お子さんにも安全なものを食べてもらいたいと思っています。しかしこれは最悪なパターンである、国家による詐欺です!私たちが被害にあわないためには、訴訟をして潰さなければいけません。
(山田)
憲法上我々の権利として保証されています。
(深田)
国民に権利を行使されたくないから、政治家は憲法を改正しようとしています。
(山田)
戦わなければいけません。
(深田)
食べるな!危険!その食品表示、本当かどうか分からないよということについて、元農林水産大臣・弁護士の山田正彦先生にお話を伺いました。
先生、ありがとうございました!