食と医療の矛盾。大事な食育。
#食育
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(ゲスト)吉野敏明氏:医療問題アナリスト
【目次】
1. オープニング
2. 食べることは教育だった
3. 敗戦の食料転換政策で病気が増えた
4. 小麦を輸入するための減反政策
5. 食と健康は自分で変えられる
6. これを知れば医療費を半分にできる
7. 健康になり財政も健全化する
(深田)
今回のゲストは医療問題アナリストの吉野敏明先生にお越しいただきました。先生、よろしくお願いします。
(吉野)
よろしくお願いします。この医療問題について二回に分けてお話させていただきましたが、繰り返し言う通り、病気偶然発症説を採っている限り、この医療問題も、財政問題も、国力衰退の問題も何も解決しません。
根本的なところで言えば、「健康とは何なのか」の原点に帰らなければいけないのです。今日は詳しくはお話ししませんが、本来は食べることは教育だったのです。戦前の修身の教育では「感謝しなさい」「徳を積みなさい」「友を大事にしなさい」と同じように、「食事を大切にしなさい」ともあるのです。
これは「もったいない」ということではなくて、手に入れた食材をきちんと料理をして食べて、要らないものがあって処分し、お皿を洗い片付けるところまでの一連の行為です。作るまでの行為を一生懸命に教えているので、袋から出たものを食べていたら感謝の気持ちが起きようがありません。自分で魚屋さんに行ってきて、お魚を買ってきて、頭を落として三枚に開いて内臓を取り、それを塩焼きやフライなどにする過程で、頭の部分や内臓の部分、使わないヒレは、それぞれどうするか考えるようになるのです。置いたままでいたら腐ってしまうので、捨てなければいけない。捨てるのならば、「できるだけどうやれば使えるのか」「頭の部分は出汁に使えるのではないのか」と考えます。この食育の中に「命を頂いていることがありがたい」と分かる徳育が入っているのです。
そして、料理が得意なのか、買ってくるのが得意なのか、片付けるのが得意なのか、八百屋さんと交渉するのが得意なのか、自分の才能が分かり、才育が磨かれます。
自分で歩いて体を使って料理するので、体育にもなっているのです。
また、買う時に「これは3匹で幾らだったかな」と、買うモノが財布にあるお金で足りるのか計算するので知育にもなります。
自分で生鮮食料品を買ってくる食育に、知育、体育、徳育、才育の五育がありました。
(深田)
そうですよね。私も子どもの頃、自炊しておりました。小学生の頃は、千円札を母からもらってスーパーに行き、「今日の晩御飯は何にしようか」と千円札握りしめて、暗算するのです。「卵が幾ら」「牛乳は家にあるから」「魚は幾らのもの」「お肉は幾らまで」と計算しながら買っていたので998円ぐらいに収める買い物をしていたのです。そうするとやはり計算もできるようになったり、栄養のバランスを自分で考えて料理をできるようになりました。
(吉野)
買い物するときは、冷蔵庫の中に何が入っているのか在庫管理のように考えますし、料理するときも、冷蔵庫の中にあるもので、作ることができる料理を自分で考えて料理をするようになります。一方、「エビフライを買ってきました」「アジフライを買ってきました」と食べたいものを食べるためだけの買い物になると、嫌いなものを食べず、捨てるものは袋だけという概念になってしまいます。
ここから始まって、病気にならないようにする方法は、教育勅語の復活であると考えます。きちんと自分たちで生鮮食料品から料理して食べることで、悪いものを食べている人が病気になることに気がつくのです。しかし、今は、日本人の全員が悪食です。はっきり言いますが、これはマッカーサーがその教育勅語を取ってしまったことと、MSA協定とPL480の1と2のこれら3つの不平等条約が原因です。
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MSA協定(日米相互防衛援助協定)は 米国が1951年に制定。自由主義諸国に対する軍事・経済等の対外援助の条件として、被援助国は防衛力を強化する義務を負う。
PL480(1954年農産物貿易促進援助法)
アメリカの連邦法の一つであり、アメリカ産の余剰食糧の処理するための法律。
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MSA協定により、戦後アメリカがアジア太平洋地域を守るという法律を準用して、日本はアメリカの余剰の小麦を輸入するようになります。もともとアメリカは、第一世界大戦で焦土となったヨーロッパに、小麦やトウモロコシの粉や、脱脂粉乳を売ることで爆発的に経済成長して先進国になったので、石油があったからではないのです。アメリカは農業国なのですが、1933年頃にヨーロッパが復興して食料受給率が上がってくると、作りすぎた穀物に困るようになります。アメリカ政府が、その穀物や脱脂粉乳を買い取っていたのですが、もう置く場所も無くなって、最後はハドソン川に係留してあるフェリーやタンカーに積んで1、2年野ざらしにされたまま終戦を迎えました。
1945年の9月2日にポツダム宣言を受諾して、アメリカの戦略の下、日本の食料転換政策が始まり、主食を米から小麦に変えたり、食べていなかった食用油を使ったり牛乳を飲んだりするようになりました。実は全部、余っているものの在庫処分です。
当初2年間程は無償援助でしたので、日本人は給食でこれらのものを食べるようになりました。当時の日本の農林水産省とアメリカの農務省とアメリカ政府の三者で、どうやって日本人に小麦を食べさせ、揚げ物と炒め物を多くして、牛乳を飲ませるか会議をしていました。
例によってGHQが管理しているので嫌と言えませんし、敗戦国だから武装も解除しています。当時のお金を今に換算すると、アメリカは農家の保障のために、年間22兆円規模の余剰穀物の支払いをしていました。それを日本に最初はタダで渡し、いずれは買わせることを見込んだこの条約は、今でも有効ですので、日本は年間30万トンの小麦、18万トンの食用油を買い続けて、日本人の胃袋に詰め込まないといけないのです。
(深田)
今でもその条約が続いているのですか?
(吉野)
日米安保と同じです。
(深田)
何という条約の名前ですか。
(吉野)
これはPL480条と言います。
この条約に基づいて、日本は食料転換政策をさせられ、皆さんが小麦を食べて、油を摂るようになりました。これが原因で増えてきたのが高血圧、糖尿病、高脂血症、癌です。
(深田)
私も牛乳が体質に全く合わないことが分かったのです。去年、吉野先生のファンの方から「牛乳やめてください」と言われてやめたところ、去年の10月頃、手足だけでなく、腸が腫れてウエストが約20cm太くなっておりましたのが、ピタッと、もうウエストがシューと全部しぼんで体重も落ちました。
(吉野)
日本人は牛乳を飲んでいた歴史は無く、1番古くは、日本書紀だったでしょうか、古文書に、中国では、今のヨーグルトにあたる乳酸菌の乳製品を摂っていて、体に良いと言われていましたが、それを召し上がって天皇陛下はお腹を壊したのでやめたと記載されています。それ以来、酪農や乳牛を飼うことをずっとやっていません。最初は脱脂粉乳を飲ませて、トウモロコシの粉を輸入して、それを牛に食べさせ、酪農と畜産を非常に奨励したのです。PL480条の中には、小麦、植物油、トウモロコシの粉、脱脂粉乳の他に、レーズンとバターも入っており、日本人の食料、主食にして輸出先にしました。
(深田)
レーズンバターは、結構飲み屋さんも出しますけど、そこに由来があるのですね。
(吉野)
いえ、結局レーズンとバターについては別の事情があります。レーズンは、当時かなり高額な商品で、戦後すぐに国民に食べるよう推奨することは難しく、バターは、畜産・酪農を奨励し、トウモロコシの粉を買って、これからバターを作るのに、さらにアメリカから輸入するのは、農家に説明がつかない状況でした。結局、レーズンとバターを輸入しない代わりに、これから余る米を海外に輸出しない方針になりました。
(深田)
レーズンとバターの引き換えに、日本の米が輸出できなくなったのですか。
(吉野)
戦前の日本人は130万トンの米を食べていましたが、その30万トン分を小麦に変えました。しかし、その30万トンは、本当は減らすのではなく輸出すべきでした。なぜ輸出しなかったのかというと、やらないからではなく、出来なかったからなのです。
(深田)
そんなアメリカとの約束が今も続いているのですか。
(吉野)
もちろん、だから日本は米を輸出しないでしょう。
(深田)
前から、どうしてもっと輸出しないのか疑問に思っていました。
(吉野)
例によって、日本では機密文書にあたる事実が明るみに出てこないのです。日本は減反政策を採っており、農家に米を作らせないように、田んぼを耕作放棄したら補助金を出すと言う一方で、アメリカから小麦を輸入してきました。結果、こういう病気が増えます。しかし、病気は偶然発症説を採り、アメリカの薬を使っています。
つまり、もう1回日本人の食育をすべきなのです。これは実は簡単で、深田さんが牛乳をやめたら健康になったように、皆さんも自分で体感して実行するようになるので、私のチャンネルも爆発的に伸びています。
(深田)
そう思います。健康のためではなく、美容のために牛乳を飲みません。ウエストが20cmも膨らんでしまうと、服が入りません。
(吉野)
皆さんが投稿欄で、「アトピーが治った」「花粉症が治った」「下痢が治った」と自分の治った経験を共有して、高め合って勉強しているのです。驚くべき勢いで数が伸びており、いわゆる荒らしの投稿などはほとんどありません。
皆さんがこのように良くなっていくように、日本もまた憲法を変えて、国防や安全保障に取り組んで、外資や売国奴から守らなければなりません。個人の力だけでは変えられないものです。しかし、食と健康はやれば絶対できて結果が出ます。皆さんもやってみると「なんだこのようなことだったのか」と分かり、急速に覚醒し始めます。僕はこのやり方を自分のクリニックでずっとやって来ましたので証明することができるのです。
もう一つは、社会的にこのやり方でうまくいっている診療科が一つだけあり、それは歯科なのです。1980年代の後半に8020運動というのがありました。80歳で20本歯が残っているという意味です。1987年、88年頃は8003でして、80歳の人は歯が3本しかなかったので、8020にして、介護をする必要をなくし、寝たきりと認知症を少なくする運動です。日本の医療費を抑制するために、歯医者が貢献できる8020運動を当時の日本歯科医師会が始めて努力しました。この40年間で、虫歯が3分の1になり、歯周病も4分の1になり、歯の数は8017まで来ました。
(深田)
素晴らしい。
(吉野)
3分の1まで虫歯が減ったことで、治療が必要な歯も3分の1になって、歯科医の収入も本当に3分の1になったのです。
(深田)
病気がなくなったから、歯科医師さんの収入まで減ったのですね。
(吉野)
だから、1983年の頃が歯科医師の収入のピークで、当時の歯科医師の開業医の年間の所得がおよそ2200万円でした。
(深田)
私も、子供の頃のテレビで、歯医者さんはお金持ちだというイメージを持っていますね。
(吉野)
医者より断然お金持ちでした。
(深田)
ドラマでも歯医者さんと結婚したい女性の会話があるほど、歯医者さんはお金持ちという印象があります。
(吉野)
所得が2200万円ですから、粗利は6000万円から8000万円ほどで、場合によって 1億円プレイヤーもいっぱいいましたが、今は粗利が2200万円で、歯科医師の院長の自分の給料が600万円です。
(深田)
全然違いますね。
(吉野)
貧乏になったのですが、努力して病気を減らしたら当然医療費は減るという社会実験が成功しているのです。医者は人数を2倍にして今約34万人です。2倍にしたら、それだけ治療する人が増えるのだから患者が減るはずです。しかし、癌はトータルで言うと、この40年間で3.8倍、肺癌は7倍、子宮頸癌も7倍、乳癌は5倍、それぞれ増えました。高血圧は30年間で2.5倍、高脂血症2.5倍で、減っている病気はありません。
(深田)
それはどういうことなのですか。
(吉野)
それで高額療養費を入れるなどしているのです。
例えば、警察官を2倍にしたら犯罪は半分になりますね。消防士を2倍にしたら火事が半分になるという話なのに、どうして医者を2倍に増やしたら癌が6倍、7倍と増えるのでしょうか。
(深田)
そうですよね。うつ病の薬が始まってから、うつ病患者が爆発的に増えました。
(吉野)
1990年に「鬱は心の風邪」というキャンペーンをして、爆発的に抗うつ薬が売れました。患者数が約65倍に増え、市場を作ることができました。もう1回原点に立ち返り「食べ物と病気が関連している」と知り、「頭痛、腹痛、腹部膨満感や下痢も病気だから、食を変えたら治る」という経験をすると、その人は一生涯の食習慣を変えます。
(深田)
おっしゃる通りです。私も長い間、腹部膨満で悩んでいて、腸が腫れてガスが溜まり、胃が圧迫されて、胃けいれんで病院に運び込まれる経験が3回程ありましたが、もう何の問題もなくなりました。
(吉野)
そうなのです。1人の人が理解すると、1人から2人、2人から4人と、気付きの輪が広がり出します。10年ぐらい前に僕がこれを説明しても、「あなた、頭おかしいのではないか」と言われていたのですが、大分広まってきました。食育により、簡単に医療費が減るのです。
(深田)
本当に、その話をされると「頭おかしいのではないか」と絶対に言われると思います。私も最初は、吉野先生のファンの方からの書き込みをかなり多く頂きましたが、「そんな食品だけで変わるなんてある訳ない」と思っていました。ただ、仲の良いファンの方から、「深田さん、牛乳3日だけでもいいからやめてくれ」と言われて、私、毎朝カフェラテを飲んでいたのですが、泣く泣くカフェラテをやめて、エスプレッソのお湯割りに変えてみました。すると、だんだんウエストがキューっとしぼんできて、牛乳をやめた後、体調がすごく良くなって便秘も治り、もっと細くなり、痩せない体質だと思っていたのに、あっという間に痩せてきたのです。
(吉野)
そうですね。だから本当に美容にもなるし、太った人が痩せることもあるし、このように健康になる経験すると戻らないのです。
(深田)
経験して望んでいた理想体重になると、「牛乳飲まないだけでダイエットしなくていいのだったら、私もう牛乳一生飲まなくていいや」となりました。
(吉野)
多くの方が気付くことで、今の37兆円ある社会保障費が、6兆円に戻せとは言わなくとも、半分にはなるでしょう。この37兆円で、生活保護、年金、介護保険も入っていますが、昔は純粋にほぼ医療保険が占めており、介護保険もありませんでした。
(深田)
終末医療はどうなのですか。
(吉野)
終末医療はそれほどお金がかかりません。やはり慢性の病気と癌です。癌にならないためには、先ほど言ったこのPL480条が原因であることを知るべきです。近現代史に詳しい人はたくさんいますが、食料や医療の近現代史に詳しい人は本当にいないです。
(深田)
確かにそうですよね。PL480条のこと、私は初めて伺いました。
(吉野)
食料転換政策は明白にやっていたので、論文もたくさん出ています。調べてみれば分かります。日本語の論文で、小麦を入れて食料転換政策すること自体の是非や、及ぼす経済効果といった経済の視点、食料安全保障の観点の論文もあります。だから、この政策は「トンデモ論」でも「陰謀論」でもなく、食料の専門家であれば知っています。ただ、食料の専門家も財政とは結びつけていないのです。
(深田)
確かに、なかなかそこに結びつかないですね。私もITビジネスアナリストですが、IT業界は政治の思惑が顕著に現れるところなのですが、ほとんどの人はそのIT業界の動向と政治が結びついていることを知りません。
(吉野)
医療や食糧と政治の結びつきもまた非常に強いです。だから、医者に遮眼帯をつけて、前しか見えなくなるような教育システムがきちんと既に出来上がっています。例えば、細菌学、解剖学、生理学、基礎医学、応用医学、脳外科などに詳しい人が、教養があるというストーリーになっています。「なんで医者なのに、財政の問題を扱っているのか。政治がやることでしょう」と言う人が多く、「医者がやっていることが、この財政を破綻させているのだ」という自覚がない。
(深田)
わかります。「合成の誤謬」というか、各々が局所的に正しいことをして最大化すると、全部合わせたときに、国がおかしくなる事態が色んな領域であります。その中の1つが社会保障と健康問題でしょう。
(吉野)
きちんと食育をして、患者さんだけでなく、皆さんが「病気にならないようにすることが本当の予防であり、人間ドックではなく、食と健康こそが本当の予防なのだ」と気が付けば、僕の計算だと、おそらく社会保障費は約15兆円まで減らせるはずです。
それから特別会計の部分です。皆さんがかけている保険の金額がとてつもない金額なのですが、これが半分の水準になるはずです。
(深田)
ものすごく助かりますよね。
(吉野)
大体20兆円は浮かせますので、消費税がちょうど消えるぐらいの金額です。
(深田)
「消費税減税してみんなで健康になろうよキャンペーン」ですね。
(吉野)
食料転換政策を、もう1度戻し、ちゃんと米を食べる制度にしていくべきです。
このようなことをやっているモデルがあるのかと言えば、実は国鉄清算事業団が同じことをやったのです。国鉄をJRにする時に、大量の職員が余ったので、清算事業団に入れて、つい数年前、全員退職して退職金まで払ってほとんど終わりました。もし医者が余ると言うのであれば、過去の叡知を使えるように、余る人たちを食と健康のプロに転換させて、給料も保証すればいいのです。医者はおよそ2000万円の年収がありますけれども、2000万円を出すから今度は病気を治す側ではなくて、本当の予防する側になるよう、生活の保証するのです。そうすると、およそ20年すれば、多分予防する側になります。積極経済や近代貨幣理論を使うにせよ、穴が開いている風呂でやってはダメなのです。
(深田)
おっしゃる通りです。本当に今回も吉野敏明先生の方から、社会保障費を小さくするにはどうしたらいいのかという社会保障費問題について、「みんなで健康になって、しかも社会保障費を下げて消費税も減税できるかもしれない」というありがたいお話を頂戴しました。先生ありがとうございました。
(吉野)
ありがとうございました。