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海外絶賛「軽自動車はスーパーカー!」軽推進で日本は成長できる! 2025年1月4日放送分

# 軽自動車
(ゲスト)池田直渡氏:モータージャーナリスト

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【目次】

  • 00:00 1. オープニング

  • 00:55 2. 英米で便利な軽自動車が大人気

  • 04:40 3. CO2排出でEVは軽に歯が立たない

  • 08:45 4. 軽自動車の競争力は世界で突出している

  • 13:08 5. 軽とハイブリッドでCO2を減らした

  • 14:57 6. 軽自動車で世界の自動車産業の天下を盗る

(深田)
みなさん、こんにちは。整形プラットフォーム、ITビジネスアナリストの深田です。今回はモータージャーナリストの池田先生をお招きしました。先生、よろしくお願いいたします。

今回は日本の自動車産業、特に軽自動車について伺います。今、軽自動車が世界的に注目を集めているそうですね。その背景について教えていただけますか?

(池田)
はい。現象として、今アメリカでは日本で登録されて25年が経過した車は輸入が自由に行えるようになっています。いわゆる「25年ルール」です。

(深田)
25年落ちの車なんて、まだ走れるのですか?

(池田)
例えば、昔のスカイラインGTRなんかが何千万円にもなっていますよ。

(深田)
えっ、そんなに高値で取引されているのですか?

(池田)
ええ、特に「ワイルド・スピード」という映画をご存じですよね?

(深田)
はい、大好きです!最後にニトロで爆走するシーンなんて最高ですよね。

(池田)
あの映画で活躍した車がちょうど今「25年ルール」に該当して、アメリカで高値で取引されているのです。そして、軽トラも同じようにアメリカで大人気になっています。

(深田)
軽トラックがですか?どうしてそんなに人気なのですか?

(池田)
アメリカの農場内の道は狭いですし、軽トラックは安価で小回りが利いて扱いやすい。それでいて4WDのモデルも選べます。「こんな小さなトラックが本当に使えるの?」と最初は驚かれますが、実際に機能性が高いので人気が出ているのです。

(深田)
アメリカ人から見ると、軽トラックって本当に小さく見えますよね?

(池田)
まるでおもちゃのようです。スケールが違うことで「ナイスジョーク」と笑われながらも、使ってみると本当に便利なので驚かれるのです。

(深田)
日本の軽自動車はイギリスでも人気があると聞きましたが、それも同じ理由ですか?

(池田)
イギリスの場合、道幅が狭いので軽自動車のコンパクトさが非常に重宝されています。それに、ヨーロッパの人たちは基本的に倹約家で、燃費の良さにも敏感です。

(深田)
軽自動車は燃費も良くて、エンジン性能も高いですものね。

(池田)
はい。軽自動車は100km/hを余裕で出せますし、乗り心地も良い。「こんなに小さいのにここまでやれるのか。スーパーカーだ」と評価されています。

(深田)
確かにスーパーカーのようですね。でも、ヨーロッパではEV(電気自動車)が進んでいますよね。軽自動車はその点でどうなのでしょう?

(池田)
最近では「ライフサイクルアセスメント(LCA)」が注目されています。車を製造する際に、資源を採掘する段階から廃棄までの全工程で発生するCO2を測定する方法です。この観点から見ると、実はEVは軽自動車に勝てません。

(深田)
えっ、EVが軽自動車に勝てないのですか?

(池田)
たとえば、EVがガソリン車に優位性を持つとされるのは、2.5LのハイブリットではないSUV(スポーツユーティリティビークル)などと比較した場合です。軽自動車と比較すると、重量が圧倒的に違うため、CO2排出量も軽自動車の方が少なくなります。

軽自動車はだいたい600kgから700kg程度です。一方、ハイブリッド車は1400kg近いものが多い。単純に車両重量が半分になるということは、製造に必要な資源もCO2排出量も半分になるということです。

(深田)
つまり、軽自動車は製造から廃棄までを考えると、より環境に優しいということですね?

(池田)
その通りです。EVは「ゼロエミッション」といわれますが、それは走行中だけの話です。製造段階や廃棄段階でのCO2排出を考えると、軽自動車の方がはるかに環境負荷が少ない。

(深田)
では、日本の軽自動車が世界をリードする可能性もありますね。

(池田)
そう思います。軽自動車の燃費性能やコストパフォーマンスの高さは、日本が世界に誇るべき技術です。

(深田)
今、軽自動車はどのメーカーのものが一番売れているのでしょうか?

(池田)
日本国内では全体的に見ると、スズキとダイハツが常にシェア争いをしています。ただ、特定の車種で何が売れているかというと、ホンダの「Nシリーズ」が人気ですね。

(深田)
ホンダの「Nシリーズ」ですか。それはなぜですか?

(池田)
「Nシリーズ」は軽自動車でありながら作りが良く、少し贅沢な仕上がりです。普通車から軽自動車に乗り換えた人でも満足できるような高い完成度があります。

(深田)
確かに最近の軽自動車は「意外と広い」と感じます。

(池田)
そうですね。特に「トールボディ」や「ハイルーフ」と呼ばれるタイプの軽自動車は、室内空間が非常に広い。普通車でもなかなか敵わないレベルです。

(深田)
乗り心地も悪くないですよね。

(池田)
はい。ただ、これだけではありません。私は軽自動車が日本の「勝ち筋」だと思っています。

(深田)
勝ち筋ですか?

(池田)
はい、完全に日本の勝ち筋です。経済産業省などの政府関係者にはぜひお伝えしたい。「軽自動車を世界に売り出すべきだ」と。大阪の万博はコケかけているから日本中の軽自動車をあそこに集めて外国人に見せるだけで十分です。

(深田)
確かに、軽自動車を海外の人たちは見たことがないですよね。

(池田)
その通りです。例えば、ドイツから来た友人をドン・キホーテに連れて行った時、駐車場で軽自動車の写真を撮りまくっていました。彼はベンツのSクラスに乗っている人ですが、「こんな小さな車がすごい」と感動していましたよ。

(深田)
なるほど、それだけ軽自動車は海外の人々にとって新鮮な存在なのですね。

(池田)
ええ。軽自動車は、価格競争が非常に厳しい中でスズキとダイハツが数十年にわたって競争を繰り広げてきた結果です。「1mm、1g、1円、1秒を削る闘い」をずっと続けてきたのです。

(深田)
「1mm、1g、1円、1秒」を削る闘いですか?

(池田)
はい。たとえばネジが1mm長いだけでも無駄だと考える。それを車1台分、徹底的に削減するのです。このような細かい改良を日本のサプライチェーン全体で本気でやっているのが軽自動車です。

(深田)
それは他国では真似できませんね。

(池田)
ええ。他国が同じレベルで戦えるようになるには20年はかかるでしょう。軽自動車はその効率性とエコ性能で、中国にも負けません。

(深田)
LCAベースではEVよりもエコですね。大々的に宣伝すれば無敵ではないですか。

(池田)
はい。ライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から見ても、軽自動車の方がEVよりエコです。たとえば、2001年から2018年の間に、CO2排出量の変化を示したデータがあります。アメリカは+9%、ドイツは+6%と増加していますが、日本は唯一-23%を達成しています。

(深田)
それは軽自動車の普及が大きいのですか?

(池田)
そうです。新車販売の40%が軽自動車で、さらにトヨタや日産の新車の販売の40%以上がハイブリッドも加わって、この結果を達成しました。日本の技術がCO2削減に大きく貢献しているのです。

小泉さんが環境相の時代に、海外に行って散々に日本はダメだと言われてきたが、「バカ言え、マイナス23%を見てみろ、お前らの国はプラスではないか」と言えたはずなのです。ちゃんと勉強していれば。

今からでも遅くないので、マイナス23%のグラフと軽自動車の現物を見せ、日本がどれだけスゴイのかを世界に普及していくのも十分あり得ます。

(深田)
それなら日本は軽自動車をもっと世界にアピールすべきですね。

(池田)
その通りです。軽自動車を全面に押し出し、LCAの観点から比較すれば、世界の自動車産業で天下を取る可能性は十分にあります。

(深田)
安いし、よく走るし、25年経ってもまだ売れる。EVなど1年2年経ったらもう半値いかではないですか。日本は軽で勝ち目がありますね。

(池田)
EVであっても日産のサクラはひとつの手なのです。軽自動車は近所の買い物とか子供の送迎とかの近距離のコミューターとして使われる。それだったら自宅充電だけで走れるから小さいバッテリーでも大丈夫だからサクラが売れている理由なのです。外で充電などしないのなら、インフラが整わないという言い訳もいらないです。これもEVのひとつの生き方です。

そんなことを言っても、最終的にLCAで見ればCO2は普通のガソリン車の方が少ないという話もあります。それで軽自動車には勝てないのですよ。

(深田)
しかも参入障壁が1mm、1g、1円、1秒も細かい闘いだと、他の国の人たちは絶対に敵わないですね。日本は今ダメだ、ダメだと言われているけれども、軽に全力を注ぎ、LCAで比較しようと、しっかり宣伝して行けば十分に天下が盗れますね。

本当に興味深いお話をありがとうございました。軽自動車の可能性がこれほど大きいとは驚きました。

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