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『殺人鬼』の演技~岡本信彦~

 「岡本信彦といえば悪役!」の皆さん、ようこそ!!

  岡本信彦氏はこれまで数多くのキャラクターに声を当て、その演技力の高さから、一流声優の実力として評価されている。
 他の人には出せない特徴的で魅力的なその声は、今や声優界に必要不可欠と言っても過言ではない!ないのである。
 
 筆者自身、幼い頃に観たアニメに出演していた岡本氏演じるキャラクターの迫力に圧倒され、すっかり虜になってしまった。揺れるような不気味な声音、「ぎゃはは」という狂気的な笑い方、「くかきけこかかきくけききこくけきこきかかかーーー!!」。

 そう、『とある』の一方通行は、岡本氏の存在を植え付けた印象深い存在である。2008年のアニメ『とある魔術の禁書目録』で岡本氏の声を引っ提げて登場したこのキャラクターは今でも絶大な人気を誇り、『とある』の看板の1人として多くの人々に認知されていることだろう。最近(といっても数年前のことだが)、アニメ『とある魔術の禁書目録』のシーズン3が放映され、学園都市に限らずロシアの地でも大暴れした彼は、相変わらずの「悪党」っぷりを披露していた。
 
まだ観たことない人がいれば一度視聴してみてほしい。
岡本信彦、歌います。

公式ホームぺージはこちらに↓↓

 
 さて、ちょいと一方通行について語ってしまったが、サムネイルの通り、この記事で取り上げたいのは別のキャラクターである。
 本題はここからだ。


 狂気的な演技が似合うキャラクター。
 
 今回紹介したいのは、『殺戮の天使』に登場する殺人鬼の青年、ザックである。

 『殺戮の天使』とは2015年に配信が開始された探索型のホラーゲームである。ゲーム性やそのストーリーの完成度の高さもあり、多くのファンを獲得した本作。見事アニメ化を果たし、2018年の夏ごろから地上波にて放映されていた。
 
 殺人鬼が闊歩する地下施設に閉じ込められた少女レイチェルが、殺人鬼の1人と出会い、「殺されたい」という願望を叶えるため、共に行動するという物語である。施設を巡る中で他の殺人鬼と出会い、様々な出来事を経て変化する2人の関係に胸を“撃たれる”作品だ。アニメーションのクオリティの高さや原作の完成度の高さも相まって、大変良作に仕上がっている。『とある』共々、是非観てほしいと思う。
 
 そしてこの作品に登場するザックことアイザック・フォスターこそ、レイチェルが出会った殺人鬼だ。
 顔を覆うまでに全身に包帯を巻き、血に汚れた茶色のフード被った風貌。肩に大きな鎌を担いでいる青年である。性格は非常に狂暴、おびえる人間に対し強烈な殺人衝動を抱くという。彼がこのような人物になってしまったのには、壮絶な過去が関連しており、作品を通して語られることになる。人間に対して強い不信感を抱いている彼だが、レイチェルとの出会いを通して少しずつ変化していく。物語のラストで取った彼の行動を見て、「ザック、お前ってやつは……」となったのは筆者だけではないはずだ。

 このザックを演じた岡本氏だが、その迫力はなかなかに凄まじいもであった。彼特有のあの「ぎゃはは」という笑い方の演技がザックの雰囲気に完全にマッチしており、「悪役岡本」としての良さがにじみ出ている。
 それが実感できる場面として、作中でザックが墓場を鎌で壊して荒らすシーンがあるのだが、その時のテンションの上げ方が芸術的である。楽しそうに墓をぶち壊すザックの様子もなんだか可愛く見えてくるので注目ポイントだ。ついでに、岡本氏の喉が潰れてしまうのではないかという心配と、いつも通りの声だなという実家に帰ったような安心感に挟まれる。
 

【アニメ第2話より】大鎌を振り、愉快そうに墓場を荒らすザック


 ザックは普段の口調のテンションが比較的低く、けだるげな様子なのだが、狂暴モードになった瞬間にテンションがぶち上がる。筆者はどちらかと言えば普段の調子が好きだ。岡本氏のハスキーボイスが身体の芯に染みわたり、耳から幸せが流れ込んでくる。ザック役として出演してくれたこと、本当に感謝したい。

 岡本信彦演じる殺人鬼の演技、気になった方は是非『殺戮の天使』を視聴してほしい。豪華声優陣が揃い踏みだ。原作ゲームも面白いのでよければ!

『殺戮の天使』作者・真田まこと公式サイト↓↓

(記事:和田)

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