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世間が玉木氏に振り回されたようで、実は玉木氏だけが振り回されていた件

ガソリン税のトリガー条項の前例もあるので、話半分に見ていたが、やはり103万円の壁の改正は実現しなさそうである。

2024年11月11日の第二次石破政権発足の記者会見で、石破総理は国民民主党党首の玉木氏が主張する103万円の壁(所得税非課税の区切り)の改正について、慎重に検討しなければならない、という趣旨の発言をした。私には事実上のゼロ回答に聞こえた。

当たり前の話で、自民党は首相指名において立憲民主党の野田氏に野党票が集中するのを防ぐために玉木氏の話に乗るようなそぶりを見せていたわけで、玉木氏は指名選挙が終わる前に政策合意をとりつけておかねばならなかった。

結局のところ合意がないままに首相指名で野党はバラバラに行動したので、自民党は命拾いしたし、ここまで来たら少数野党の話を聞く道理もない。

玉木氏は結果として何もしなかったのと一緒であるし、それどころか不倫騒動まで巻き起こってしまい、信用を失ってしまった。

政治家は「俺が俺が」というタイプが多いのは当たり前だが、それにしても玉木氏は我が強すぎる。
判断ミスで多くの議席を失った自民党だが、この件に関しては冷静だったと思う。トリガー条項のときもそうだった。それだけ玉木氏が単純なのだろう。

なお、103万の壁の改正について、たしかに手取りの所得が増える点では間違いではないが、国民にとって良いかは微妙である。
というのは非課税世帯が増大することになるからで、近年は非課税世帯へあれこれと手当を支給しまくっているため、その対象が増えることは国家財政にとって減収+プラスαのダメージとなる。
また、地方自治体の収入が大幅に減少する点も見逃せない。地方自治体は独自に子育て世代への給付や医療費補助を行っており、その財源を失ってしまえば、その事業を続けることができない。すると結局は国民にとって不利益になってしまう。

国民民主党はこのあたりの矛盾点をあらかじめ理論武装してから論点にするべきだったと思う。ま、その辺がいつも足りないのが国民民主党らしいところである。

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