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遊佐田んぼクラブ 脱穀

 生活クラブのお米は、品種や農法、生産量や価格まで組合員と生産者が話し合って作られています。

 生活クラブ神奈川では、組合員が産地の一つである山形県遊佐町に足を運び、お米作り(田植え、草取り、稲刈り、脱穀)を行う「遊佐田んぼクラブ」に毎年取り組んでいます。

10月19日(土)~20日に脱穀を行いました!

(執筆:遊佐田んぼクラブ事務局)

 遊佐田んぼクラブの最終作業工程です。事務局を含めて7名が参加しました。当日はあいにくの天候で、1日目も2日目も北風が吹き、季節の変わり目を感じさせる肌寒い日となりました。晴天であれば屋外での脱穀作業を予定していましたが、前年と同じく屋内での実施となり、10月19日(土)に行われました。また、作業日前日までの雨予報の影響で、遊佐町共同開発米部会が約8割の脱穀を先行して行ってくださいました。

1日目 脱穀

 脱穀は機械を使用し、稲刈り時に束ねた稲を機械の投入口に入れて稲穂と籾を分けました。分離された籾は風の力で重い籾が手前に、軽い籾が奥に分別される仕組みです。機械に巻き込まれる危険もあるため、作業時には稲をしっかりと握りながらの脱穀となりました。

生産者より脱穀作業を聞いている様子

 作業後、遊佐町共同開発米部会の眞嶋さん宅で籾摺り作業の見学と、今年度の遊佐田んぼクラブの収量を確認しました。籾摺り機を用い、もみ殻を除去し玄米にしていきます。その際に、機械が1等米、2等米、3等米、くず米の選別を自動で行います。遊佐町共同開発米部会で脱穀していただいた分と脱穀作業分を合わせ、今年度の収量は合計285kgとなり、俵数にすると約4.75俵で、5俵には少し届きませんでした。7月の豪雨の影響で収量が減少したものと考えられます。

 籾摺り後、高瀬倉庫と呼ばれる米の保管施設に移動し、JA庄内みどり営農課の佐藤さんから、保管方法や食味検査について説明を受けました。

2日目 箕輪鮭孵化場と豪雨被害の視察、庄内弁当の意見交換

 2日目は、箕輪鮭孵化場と7月の豪雨被害の視察を行いました。また次年度に向けて、田んぼクラブの際に用意していだいている庄内弁当の意見交換も平田牧場の生産者と行いました。視察は丸池様近くの箕輪鮭孵化場から行いました。前年度は、鮭の採卵や人工孵化の様子を見学するような流れを取っていましたが、今年度は前日の雨の影響で牛渡川が増水したため作業の様子を見学できませんでした。そのため、7月の豪雨の影響や当時の様子についてお伺いしました。

箕輪鮭孵化場

その後、遊佐町と酒田市の水害状況、復旧状況の視察を行いました。豪雨から3か月経った今でも、道路崩壊や押し流されたビニールハウス、削られた山肌など、爪痕が残る地域がありました。避難所として利用されていた旧遊佐町杉沢小学校も視察し、酒田市ではボランティア活動に従事する団体の方々が多数活動している姿が見られました。


杉沢小学校 ゴミが残っている様子
旧遊佐町杉沢小学校 体育館内

 その後、中山間部、遊佐町、酒田市の水害状況と復旧の状況の視察を行いました。復興の状況は3か月経った今でも爪痕を残していました。道路が崩壊してしまっているところや豪雨の影響でハウスが押し流されてしまっていたり、山肌が削れてしまった様子、豪雨当日に避難所としていた(旧遊佐町杉沢小学校)を視察しました。当日、酒田市の視察を行った際にもボランティア活動に参加されている団体が大勢いらっしゃいました。

中山間部 倒壊している道路

 視察後、酒田市にある日和亭にて昼食をとり、隣接している小幡楼にて次年度に向けて庄内弁当を担当されている富樫さんを交え意見交換を行いました。

小幡楼にて平田牧場 富樫さんと意見交換会


 1時間の意見交換では、主婦目線の貴重な意見が多く交わされ、毎回田んぼクラブで提供される「遊YOU米」を使ったおにぎり、遊佐町共同開発米部会の野菜、平田牧場の豚肉を使ったお弁当が、遊佐田んぼクラブだけでしか味わえない特別なお弁当だと再認識しました。

今年度の遊佐田んぼクラブの作業は終了となりました!

今年は山形県では異例の豪雨被害があり、生活クラブもボランティアへの参加やカンパ金を募ることとなりました。
 
 また、令和の米騒動なる市場からお米が消える事態もあり、遊佐にも通常の取引価格以上の金額で取引を持ち掛ける業者もあったとの事です。しかし、遊佐町共同開発米部会は生活クラブへの供給とし、今年度も美味しい新米を届けてくれました。
生産者に作り続けてもらい、食べる約束をした量を食べていくためにも利用するだけでなくお米をよやくし、継続的に食べていきましょう。

 また、遊佐田んぼクラブは、生産者に直接会えて生産者のお米を作る行程も体験できる非常に貴重な機会です。遊佐田んぼクラブにご参加いただき、遊佐の豊な自然と生産者の生産現場を体験し、お米の生産過程を学び、利用していきましょう。