【レビュー】 懐かしの『アメリカ横断ウルトラクイズ』 〜「バック・トゥ・ザ・フューチャークイズ」の衝撃〜
子どもの頃、胸を躍らせながら観ていたクイズ番組がありました。
『アメリカ横断ウルトラクイズ』です。
視聴者参加型のクイズ番組で、秋頃、4、5週に渡って放送されていたと記憶しています。
後楽園球場(後に東京ドーム)での○×クイズを皮切りに、国内予選を勝ち抜いた挑戦者たちが、アメリカ大陸を横断しながら様々なタイプのクイズに挑み、決勝の地ニューヨークを目指すという、それはスケールの大きな番組でした。
「知力・体力・時の運」という番組の合言葉が示す通り、知力だけでは勝ち抜けない、ユニークでバラエティに富んだクイズが各チェックポイントで挑戦者たちを待ち受けているのが、この番組の大きな特長でした。
例えば、空からばら撒かれるクイズを拾いながら答える「バラマキクイズ」や、地元の人たちが投げつける大量のトマトをかいくぐりながらクイズに答える「トマト戦争」などがありました。
その中でも印象に残っているのが、「バック・トゥ・ザ・フューチャークイズ」です。
午前10時に早押しクイズがスタート。
2ポイント獲得した挑戦者から勝ち抜けていき、敗者1人が決まります。
至ってシンプルなクイズ形式・・・と思いきや、続きがありました。
別の場所に移動し、またクイズが始まるのです。
しかも、時計台の針が午前10時を指しているではありませんか!
実はこれ、広大なアメリカ大陸内の「時差」を利用したもので、第一会場でクイズを終えた後、時差を跨いで異なる時間帯の第二会場へ移動し、また同じ時刻にクイズを行うという、斬新なものでした。
しかも、第一会場と第二会場で、問題は違えど答えは同じという徹底ぶり。
例:
第一会場第1問
「ニューヨークとロサンゼルで時差は何時間?」
第二会場第1問
「ワシントンとニューヨークを結ぶメトロライナー、何時間で走る?」
答えはどちらも「3時間」
勘の鋭い挑戦者は、問題を聞かなくても解答していました。
「なんてすごいクイズなんだ!」
子どもながらに膝を打ったものです。
海外に行くことが珍しくなくなり、わからないことはすぐにネットで調べられ、テレビ番組制作に莫大なお金をかけられなくなった今、このようなスケールのクイズ番組は、おそらくお目にかかることはないでしょう。
ちなみにこの番組、一旦終了した後、何年後かに一度特別番組として復活したことがあったのですが、その時私も出場し、東京ドームの○×クイズの1問目で敗退したことは、ここだけの秘密です。