モノのもつパワー・フルート編その2
主のいなくなった実家を2022年12月に売却、2023年5月に引渡し、同年7月の私たちの本帰国まで、ご近所の方が、母の油彩画や家具を預かってくれました。(その方がいらっしゃらなかったら、ZEN展に母の絵を出展することもできなかったと思います。)
ZEN展についてnote記事
https://note.com/seikatsu_no_chie/n/n9ca3b220cbd7
2023年7月フルートの先生にご同行頂いて、娘のフルートを買いに銀座の楽器屋さんに行きました。フルートは頭部管と胴部管の組み合わせで購入します。
フルートの名称についてhttps://www.nonaka.com/flute/name.jsp
先生がお店の人に出しておいて頂いた、頭部管を娘が吹いて、先生と娘と私の3人で、どの吹き口の音が一番しっくりくるか、1,2,3で言い合いました。頭部管については、全員一致で2番目でした。
次の胴部管、こちらも、1,2,3で言い合ったところ、何と全員バラバラでした。そこで、再挑戦。もう一度、娘が吹いてみて、決めることにしました。すると、娘が最初と違う印象を得たようで、私と同じ2が良いと、変更し、2-2の組み合わせで購入することに決まりました。
買う組み合わせを決めた後に、値段公開。頭部管はどれも同じ金額でしたが、胴部管は、先生が選んだものが一番安く、私と娘が選んだものは、一番高いもので、約2倍もしました。確かに、2番目が一番美しく響いていましたが、そこまでの違いがあるとは正直思わなかったのですが、何となく、このフルートは祖母から孫への最後のギフトとして買いたいと思っていたので、思い切ってみ2-2の組み合わせで購入しました。
同時進行で、夫に立て替えてもらっていた、ママの葬儀費用や、お香典返し等の支払いを、実家を売却したお金を管理してくれていた妹から振り込んでもらった際に、妹が誤送金してきた金額と、フルートの代金が一桁単位までピッタリ一緒でした。これは、ママが今でもしっかり見守ってくれている明らかなサインだと感じました。
そして2024年4月銀座大黒屋ギャラリーのZEN展、初日の一番最初に、娘のフルートの先生が駆けつけてくれました。娘は日々、学校の宿題に追われ、フルートは慢性的に練習不足、近くのお教室のレッスン時間も会わないために、月に一度しか対面レッスンは受けられていませんでした。
そんな状況に、先生が多少のフラストレーションを感じていらっしゃるのも感じていました。でも、娘なりにやりくりしているので、私はあまり口出しをしないようにしていました。
先生もそんな私たちを生あたたかく見守ってくれていましたが、母の絵を観に来て下さった3日後に週末にFacetimeでお話したいとご連絡を頂きました。
週末は娘の幼稚園時代のお友達とお母さま方をお招きしていたり、子供たちはお泊りすることになっていましたが、そのタイミングでお話を聞かなければいけないと感じ、来客の前の時間帯にお約束しました。
先生からは、夏期学校でソロを吹かないか?というお話でした。もしも、ソロを吹くのであれば、毎日練習しないといけないし、毎週お教室にも来ないといけないし、先生も今までより厳しくなるかもしれない。それは、Aちゃんの中にある、表現力とか、伝えたい音をフルートを通して出すため。練習量を増やすのは、お父様やお母様、素晴らしい絵を描かれた、おばあちゃまとか、沢山のご先祖様から引き継いだ力を発揮するために必要だし、先生もできる限りAちゃんの力を引き出すために指導したいと思っているのだけど、Aちゃんはどうかな?というお話でした。お父様も含めてよく家族で話し合って決めるように言われました。
娘はソロが苦手です。フルートの練習も最低限しかしなくなっていました。そんな娘にとって、ゴール設定をして、目標に向けて練習して、本番に臨むことで、一回り成長できる大変ありがたいお話だと感じました。
でも、私がそれを娘に言ったら、娘は簡単に『やらない』と言うように感じ、そのあとは、忙しいことを理由に、その話は一切しませんでした。ただ、先生から、日曜日の夜までに、返事を下さいと言われていました。
翌、日曜日の朝になり、先生から課題曲のYoutubeが送られてきました。『歌の翼の幻想曲』。
https://youtu.be/4YSK6WlbODA?si=Cj1l9-eGJHEbH_Sd
娘が小学1年生の時、初めての大きな舞台でのソロの発表会、ママも聴きに来てくれた発表会で『歌の翼に』を吹きました。
当時はまだ小さくて、ソロは苦手といった意識もなく、それはそれはホール一杯に美しくよく響く音色で、ママはAちゃんが一番上手だったわ〜と上機嫌でした。
先生が送って下さった課題曲を聞いて、先生はママの桜の絵をみて、力不足の私に代わって、娘を鍛えるようにというメッセージを受け取ったことに気づきました。
このチャンスは、大事にしなくてはいけないと思いました。ZEN展の最終日、沢山のお友達や妹家族と一緒に、ママの絵を撤収して、銀座4丁目の交差点で打ち上げ。ママのお友達が買ってきてくれたドーナッツを皆で頂きました。
ストラスブーレHP
https://stras.jp
その日は、北京時代のお友達の家で生まれた子猫を見に来ないかとのお誘いを頂いていて、私はクタクタでしたが、娘がどうしても見たいということで、久しぶりに、2人でゆっくり電車に乗って、友人宅に向かいました。
その道中、『考えないといけないことあるけど、何かわかる?』と尋ねると、『え⁈分からない』『宿題は終わっているよ』『お友達のこと?』『子猫見に行くのが駄目ってこと?』等、的外れなことを、色々いった挙句、『あ、フルート?』とやっと答えを見つけてくれました。それから、どうしたい?っと言っても、答えがありません。
そこで、電車の中で、娘に、先生から頂いた課題曲を聞かせ、もう一度聴いてみる?っと、確認しながら、繰り返し聴かせました。おそらく10回ぐらい聴いたところで、『ソロ、やる』と自ら決断してくれました。
その日の午後、私たちをお招き下さった北京時代の友人は、スーパー可愛いバリキャリで、いつも普通の人の500%ぐらいの熱量で生活している私の最も尊敬する友人の一人。ママの家に香港からの留学生がホームステイに来ていた夏、皆んなで河原にキャンプに行ったこともありました。まばゆい夏の想い出。
そんな彼女の、日の出も日の入りも見えるという、超豪華タワーマンションに行き、子猫と戯れ、パワーをチャージしました。(そして、そこで聴いた、鬼滅の刃的、ホラーな話については、モノのもつパワー・アンティーク家具編に改めてまとめたいと思います。)彼女と接することで、娘は全力で生きるパワーを感じたように思います。
お友達とお泊り会をし、ママの絵をお友達と皆で鑑賞し、豪華タワマンで子猫と存分に遊び、スーパーバリキャリママ友の話を聞いたことで、パワー満タンで帰宅した娘は、Youtubeの音源を基に、耳で聴いてフルートを吹くを繰り返し、楽譜なしで、約1時間ほどで、課題曲の2/3ぐらいを吹けるようになってしまいました。
子供の力って凄いと思った瞬間でした。そういう力を引き出してくれる、ママから娘への最後のギフト、フルートに感謝の念を新たにしました。
#新生活をたのしく