【絶望】アメリカで親知らずの抜歯は50万越え!諦めました。
こんにちは~!アメリカ・シリコンバレー在住のSeikaです。
今回は、アメリカで親知らずを抜こうとして諦めた話をまとめていきます。
アメリカでの親知らず抜歯のプロセスを知りたい方、
親知らずを抜くメリット・デメリットが気になる方、
アメリカの複雑な医療に混乱している方、
親知らずの費用が知りたい方、
ぜひ読んでみてください!
時系列でまとめているのですが長くなってしまったので、
目次を見て気になるところから見てみてくださいね。
(2023年11月22日公開)
※$1=150円で計算
1. きっかけ
私は年に2回歯のクリーニングをしてもらっています。
その際ちょっと親知らずが出てきたので、歯医者さんに抜いたら?と言われ検討を始めました。
抜歯はこのクリニックではできないので、その場で口腔外科医(Oral surgeon)をリファラル(referral)してもらいました。
2. 口腔外科医を予約
教えてもらった口腔外科医に電話して予約。
問診票のURLが送られてきたので、記入を進めました。
問診票を埋めて提出。
電話で保険証の情報も伝えます。
その数日後電話がかかってきました。
「あなたの保険は適用外なので、初診は$200(約3万円)です。」
・・・。
初診だけで3万円!?
初診を終えないと全体の見積もりが出ないようです。
初診だけで数万円かかる場合、
治療代全体ではいったいいくらになるのでしょうか。
ここでの処置に心の準備が追い付かず、
いったん予約キャンセルし、
他の保険が適用されそうな口腔外科医を探すことにしました。
今度は友人が行ったクリニックで予約。
ここの歯医者さんでは初診の費用はすぐに教えてくれず、
最新の保険の情報を確認したいのでと言われ、1か月待ちました。
初診の前日に連絡がきて、その額は・・・
$170(約2.5万円)!
えー。
初診だけでこの金額。高すぎます。
全体の見積もりは前回同様ブラックボックス。
また、諦めました。
3. 保険会社に電話
なんでこんなに高いのか、一旦ここで保険会社に電話しました。
ここで朗報が✨
なんとメディカルのCopayでカバーできるとのことでした。
4. 複雑なアメリカの保険システム
ここで、アメリカの保険システムを整理したいと思います。
分かる方は飛ばしてくださいね。
アメリカでは公的医療保険制度は、
65 歳以上の高齢者および障害者を対象とするmedicare(メディケア)と、
低所得者を対象とするmedicaid(メディケイド)の 2 種類のみが存在します。
これらの制度の対象外となる大部分の人は民間医療保険へ
雇用主を通しての加入(グループ保険)するか、
個人での加入(個人保険)します。
そしてアメリカの保険システムは、医療サービスの種類によって異なる複数の保険カテゴリーに分かれています。
主に、メディカル、デンタル、ビジョンという三つの主要な保険カテゴリーが存在します。
それぞれの特徴をまとめると・・・
メディカル保険
目的
一般的な医療サービスをカバーします。
病院の滞在、手術、専門医の診療、予防ケア、処方薬などが含まれます。種類
HMO(Health Maintenance Organization)、PPO(Preferred Provider Organization)、EPO(Exclusive Provider Organization)などのプランがあり、サービス範囲やコスト構造が異なります。
デンタル保険
目的
歯科治療に特化しています。
定期検診、クリーニング、虫歯治療、歯科矯正、抜歯などをカバー。種類
こちらもHMOやPPOなどのプランがあり、歯科サービスの範囲が異なります。
ビジョン保険
目的
目の健康と関連するケアをカバー。
眼科での定期検診、眼鏡やコンタクトレンズの購入費用、時には眼科手術の一部をカバーします。特徴
通常、メディカル保険やデンタル保険に比べて、ビジョン保険は別途加入することが多い。
特に眼鏡やコンタクトレンズを頻繁に使用する人にとって、経済的なメリットがあることが多いです。
私は3種類のグループ保険に加入しています。
保険会社の説明によると
外科医はデンタルに入っている場合とメディカルに入っている場合とがあり、
私の保険の場合メディカルの外科医に行けば、
固定金額のCopay(共同支払い)の少額で完了するとのことでした。
ただし、親知らずがメディカルに分類されるのか
デンタルに分類されるのか
それは親知らずの状況によります😓
5. 抜歯と保険の関係
ここで親知らずの抜歯についても整理します。
ここも分かる方は飛ばしてください。
アメリカにおける親知らず(Wisdom Teeth)の抜歯に関する保険の適用については、いくつかの要因によって異なります。
例えば、
・歯が見えているかどうか
・歯が完全に生えているか
・歯茎に埋まっているか
・抜歯が必要とされる理由(予防的なものか、それとも何らかの問題が発生しているためか)
などがあります。
一般的に、アメリカでは以下のような傾向があります。
歯が完全に見えている場合(Erupted Wisdom Teeth)
デンタル保険によってカバーされることが多い。
費用は比較的低め
歯が見えていない、部分的にしか見えていない場合(Impacted Wisdom Teeth)
メディカル保険によってカバーされることが多い。
埋没している親知らずの抜歯は、より複雑で専門的な手術が必要となることが多い。
局所麻酔、笑気麻酔、全身麻酔が使用されることがある。
見えている親知らずの抜歯よりも高額になる。
同じ親知らずといえど、見えるか見えないかで保険の分類が違うというのは驚きです。
6. メディカルとデンタルで抜歯を分ける作戦
私の場合は1本が見えていて、3本は埋まっている状態。
この1本はデンタルでのカバー、3本はメディカルでのカバーをするという計画を立てました。
そこで、デンタルとメディカル、それぞれのネットワークで歯医者さんを探します。
7. Open Careで楽々予約
通常お医者さんを探す際は、ネットワーク内のウェブサイトで探します。
私が歯医者さんを探していた時、突然、何もかも知っていたかのように
Open Careという歯医者さんを探すプラットフォームからのメルマガが届きました。
キャッシュバックキャンペーンをやっているようです。
試しに使ってみました。
予約はとっても簡単。サクサクとできました。
親知らずも抜いてくれそうな雰囲気を醸し出していましたが、
念のため、電話でお話したところ
抜歯はできず、口腔外科医を紹介する。
というものでした。
残念。
8. メディカルネットワークの歯医者さんで予約できました
また一からやり直し。
まずは、メディカルでカバーされる口腔外科医を探します。
これも大変でした・・・。
ネットワークで検索
1人目に電話
「あなたはがん患者などではないから対象外」と言われる。
2人目の歯医者さんも同じ大学の医療機関の先生のようで、同様のことを言われる。
3人目の歯医者さんは予約できた!よし!
オンラインで問診票が届いたので、記入して提出。
予約3日前にその歯医者から電話がかかってくる。
「あなたの保険は、locate(見つけること)できない」焦って保険会社に電話する。返答は、
「歯医者さんに私達の保険会社に連絡するよう伝えてください」歯医者さんに電話。歯医者さんから保険会社に電話してもらう。
予約当日。
予約していた歯医者がサンノゼのクリニックかと思ったら、Vallejoという1時間以上かかる所だと判明する。急いで歯医者さんに電話。
ネットワークの情報が古かったことが判明。
同じグループで別のクリニックにて予約を取り直す。再予約当日、「あなたのソーシャルセキュリテ検索でも、名前検索してもあなたの保険が見つからい」という電話が来る
急いで保険会社に連絡。
「歯医者さんがネットで見つけた別の番号にかけているのではないか。この番号〇〇〇-〇〇〇-〇〇〇〇に電話してください、と伝えて」歯医者さんに電話、上記の旨を伝える。
歯医者さんからその後連絡が来ず、歯医者さんに電話。
「あなたの保険情報見つかったわよ。初診は100%カバーされるわ」以前もらったレントゲンと紹介状を持って、急いで歯医者さんまで行く。
私は日系企業が提供しているAetna(エトナ)という保険に入っています。
Aetnaは大手保険会社の一つで、医療機関はAetnaを知らないわけがないのですが、どうも自分のプランは頭文字が通常のものではないようで
「普通、番号はUかWから始まるのだけど・・・」と言われます。
歯医者さんと保険会社との往復には心身ともに疲れましたが、ようやく歯医者さんへ行きます。
9. いよいよクリニック!
サンノゼの歯医者さんまで30分運転し到着!
建物の敷地は広く、ちょっと迷いました。
受付
待合室には2組の患者さん。
テレビの音量が高く、受付の方の声が聞き取りにくかったです。
問診票の提出を求められたものの、書いていないことが判明!
インターネット接続に問題があり、調べたいことが調べられず、その場での記入が難しかったです。
持参したレントゲン写真を見せたところ、フルマウスのものでないため、新たに撮影が必要だと言われました。
そこで、レントゲン撮影のために$166を支払いました。
レントゲンと診察
撮影はカジュアルな黒のパーカーを着た医療助手さんが担当しました。
ハイテクな機械に囲まれた椅子に座り、すぐに撮影が完了。
その後、別室で親知らずの治療についてのビデオを見せられました。
昭和の時代に撮影されたような映像のようでしたが、
治療前に患者はみんな一通り学ばないといけないようです。
診察では、想像していたの男性医師ではなく、中華系の女性医師が登場。
あれ、この先生は私のネットワーク内の先生なの?
という考えが頭をよぎりました。
問診票とレントゲンの情報を基に、状態や処置の種類、流れについて丁寧に説明してくれました。
レントゲンに関して、白いものが映っていて今日か治療当日にCTスキャンの必要があると言われました。
麻酔に関しては2択あるが、全身麻酔に決定。
診察が終わると、別のスタッフが見積もりについて説明してくれました。
いやあ・・・
身体が固まりました。
10. これが実際の見積もりです
現実離れした金額でした。
自己負担額はなんと$3,135(約47万円)。
患者負担の内訳はこんな感じ
💰患者負担 → $3,185
埋没した親知らずの抜歯1本$730×2本 → $1,460
埋没した親知らずの抜歯1本$740×2本 → $1,480
麻酔合計45分 → $903
保険で麻酔代カバー → -$903
自己負担額 (Deductible)→ $50
CTスキャン → $520
CTスキャンディスカウント → -$295
麻酔代は保険が全額カバーするので0円。これは嬉しい。
ただし抜歯代は1本$730~740(約10万円)。
埋没した歯は、Copayで$30以下を想定していたため
想像とかけ離れた金額で、目の前がクラっとしました。
「この埋没した歯は、メディカルでカバーされるんじゃないの?」と聞いても、
「私達はメディカルを受け付けません」の一点張り。
「うわ~・・・どうしよう・・・払えないですね~・・・・」
「気持ちは分かるわ。今年は2本抜いて、来年2本抜いたら。そうしたら半額よ」
いや、朝三暮四じゃないんだから。
「あと、あなたの言うことが正しいなら保険会社にクレームすることはできるわよ。レントゲンやカルテ、全てあなたに渡せますよ」
う~ん。
今日だけでレントゲン2.5万円支払っていて、
治療後にも痛み止めの薬も必要になってくるので、余裕で50万円超えますよね・・・・。
一旦これをお支払いして、その後戻ってくるか分からないクレーム。
どうでしょう・・・。
絶望した気持ちで、この場を去りました。
11. 諦めました
そもそも、本当に親知らずを抜歯をする必要はあるのでしょうか?
原点に立ち返り、メリット・デメリットをリスト化しました。
😀親知らずを抜くメリット
虫歯や歯周病のリスクの減少
歯並びの問題の予防
バクテリアによる感染の予防
親知らずによる痛みの軽減
😢親知らずを抜くデメリット
手術に伴う感染や出血、痛み、腫れなどのリスクが伴う
手術までの時間と回復期間
高額な費用と時間
親知らずを利用した治療可能性の損失
親知らずによる痛みが私の一番の懸念点ではあるのですが、
今は全く痛くないこと、
周囲にも親知らずを抜かない人がいること
緊急でこの抜歯は必要ではないので、
一旦抜歯を諦めることにしました。
ただし、今後いいデンタル保険に入った場合に再検討したいと思います。
また、日本か、場合によってはメキシコで抜くことも頭の片隅にあります。
日本の抜歯専門サイトを見て、驚愕しました。
保険なしでも1本5,000円以下で抜けるようです。
アメリカの1/20。
飛行機代を含めても、アメリカで治療を受けるよりずっとコストを低く抑えられそうです。
また、メキシコでの治療は、アメリカの1/3で済ませられる場合もあるようです。
実際にメキシコで治療した人の話も聞きました。
北カリフォルニアからメキシコはまあまあ遠いのですが、あり得なくはないかと思っています。
あと望み薄ですが、
同グループの別のクリニックでメディカルのネットワークにいる先生がいるので、
ダメ元でその先生の下での治療の見積もりを現在クリニックにお願いしています。
というか、元々この先生での診察をお願いしていたつもりだったんですけど、
再予約したせいか別の先生(中華系の女性の先生)になっていました。
今回の先生はデンタルのネットワークにいてメディカルにいない先生だったので、今回のような見積もりになったのではと思っています。
12. まとめ
5月から口腔外科を探していて、見積もりが出たのが11月。
半年かかりました。
高額な医療費。
また医療システムの複雑さ。
私の毎月の保険代が低いため、デンタルのカバー力がなく今回高額な見積もりとなりました。
毎月の保険代を上げていれば、またカバーされる金額も変わったことでしょう。
今回は一旦諦めますが、また何かのタイミングで抜歯を検討することにしたいと思います。
日本やメキシコで親知らずを抜歯した方、
お勧めクリニックがあったらぜひ教えてください!!
ということで、今回は以上です。
また次の記事でお会いしましょう~!
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