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信玄誠司の心理描写と「天気」

当記事は下記の企画に参加させていただいています!
別の記事もございますので、よろしければご覧ください。


 

この記事は、モバゲー版SideMで描かれてきた信玄さんの「過去」の出来事や、それを踏まえた「現在」の様子、そしてそこから想起される「未来」について
サイスタのエピソードゼロで新たに判明した情報などを加えて生まれた

「信玄誠司の心理描写において、『天気』がかなり象徴的に使われているのではないか」

という考察をまとめたものです。
ご興味のある方がいらっしゃいましたら、どうぞお付き合いください。

 

※記事内には以下のゲーム内ストーリー等のネタバレを含みます。

モバゲー/「あなたの味方! AP SUPER」、信玄誠司6月シーズンボイス、「Perchers 〜山に魅せられた者たち〜」
サイスタ/FRAMEエピソードゼロ第1話


1. 信玄誠司と「雨」

信玄さんと「天気」というと、信玄Pがまず思い当たるのがモバゲーの6月シーズンボイスではないでしょうか。

モバゲー/信玄誠司6月ボイス

 
このボイスが公開された時の衝撃は今でも忘れられません。

そもそもとして、「信玄さんが過去に足を怪我していた」という事実が初めて判明したのは、このおよそ一年前に開催されたイベント「あなたの味方! AP SUPER」でした。

ストーリー15より

もともと恒常Rの台詞から「自衛官を退役したのは怪我が原因」ということは話していましたが、怪我をしていた箇所について具体的に語られたのはこれが初めてでした。

【ミリタリーアイドル】信玄誠司 アルバム台詞

また、信玄さんが自衛官を退役するきっかけとなった「自衛官時代の後輩の殉職」については、彼のバックボーンを語るうえであまりにも有名ですが、
雑誌通常号の描写のみでは、「この時に、信玄さん自身も自衛官を辞めざる得ないほどの怪我を負っていた」ことはわからない状態でした。

雑誌通常号「2度も失いたくない 後編」より

そのため「自衛官を辞めたのは怪我が原因」というのは、後輩の件を伝えないためのブラフとして言っている……という線も否定しきれなかったのですが、
このイベストによって「信玄さん自身の怪我」も事実であるということがわかりました。
 

AP SUPERイベスト内では、足の怪我について「現在はロッククライミングができるくらい回復しているので問題ない」というふうに話していましたが
そこから一年以上が経過して、「未だに雨の日には古傷が傷む」という情報が本人の口からPに語られたことへの驚きは凄まじかったです。
(なお、後の「Perchers」イベストでの様子から推察するに、ユニットメンバーである英雄と龍には古傷の件は未だに伝えていないと思われます)

この一件により、「信玄さんは傷が痛むことで、雨が降るたびに間接的に過去が思い出されてしまうのか……」というなんとも言えない気持ちをPは抱えることになります。
それだけでも十分しんどかったのですが……。

 

2.「あの日」の天気

2021年10月6日。SideMの新たなスマホアプリとして「サイスタ」がリリースされました。
サイスタには「エピソードゼロ」というストーリーがあり、各アイドルの前職時代の様子やアイドルを志すきっかけについて描写されています。

FRAMEのエピソードゼロ。第1話のエピソード1〜5は、信玄さんのストーリーでした。
 

冒頭、曇天の空。
 

エピソード1より

信玄さんの第一声で、それがどの場面であるのか、Pにはすぐにわかります。
先ほども出た、雑誌通常号の後編にあたるシーンが展開されていきます。

信玄さんの慟哭のあと、降り出す雨。

 
そう、この日にも「雨」が降っていたのです。

間接的とかじゃなかった……。雨は信玄さんにとって、「あの日の景色」そのものなんだ……。

古傷の痛みによって思い出されるのは、あの時に動けなかった自分の不甲斐なさ、助けられなかった後輩の姿、自衛官を退役するに至った、彼の過去の出来事すべてなんだ……。

つらい………………。

エピソード1を読んだ時点で本当につらかったのですが、その後に続くエピソード2〜4を読んで、私は「アイドルマスターSideM」が描くシナリオの巧みさに心から唸りました。

 

3. 信玄誠司と「晴れ」

怪我の療養をしながら、自宅で妹さんとあまねちゃんと過ごす穏やかな時間。
あまねちゃんが夢中で見ているテレビに映る人物に、信玄さんは興味をひかれます。

それは「アイドル」。

彼女の笑顔を見て、信玄さんは過去に後輩と交わしたとある会話を思い出しました。

エピソード4より

 
かつて後輩が語っていた、「世界中の笑顔を守りたい」という夢。
 

その背景には、澄み渡った青空が広がっています。

アイドルは、誰かを笑顔にすることができる職業。
アイドルになろう。信玄誠司はそう決意します。

ここで1つ前の画像に戻ってみてください。
今日、信玄誠司が新たな道を見つけたその日。
 

その日の天気もまた、彼の志と同じように「晴れていた」のです——。
 
 

アイドルマスターストーリーを描くのが天才的に上手いSideMくんさぁ…………。

 
 
この一連の描写を見て、私はサイスタもまた、間違いなくアイドルマスターSideMのストーリーを受け継いでいる存在(設定が異なる箇所もありますが)なんだな……と感じました。
 

(ちなみに余談として、これより以前のイベントのため偶然ではあると思いますが、エムステで初めて信玄さんが上位報酬になったイベントは「太陽のウェルカムパレード」でしたね)

【笑顔のミッション】信玄誠司

 
“信玄さんの「過去」と「現在」の心理描写に、天気が象徴的に使われている……”
このことについてほぼ確定的なシナリオを提供してもらえたことで、個人的にはこの時点で十分満足していたのですが……。
その後、まさかの進展を迎えることとなります。

 

4. いつかくるかもしれない「未来」の空

2022年4月15日。モバゲーで「Perchers 〜山に魅せられた者たち〜」というイベントが開催されました。
このストーリーがいかに「信玄誠司 第一章完」であるかはまた別の機会にたっぷりお話ししたいので、ここでは要点だけを説明させていただきますが……。

信玄さんは山岳救助隊を描いた映画に出演し、自分と同じように「過去に同僚を亡くしたことがある」役を演じることになります。
英雄と龍が演じる役も同じく山岳救助隊のメンバーですが、信玄さんの役の過去は知りません。
そう、役の状況が「現在」のFRAMEとまったく同じ構図なわけですね。
 

結局、この劇中劇内のストーリーにおいても「過去」が2人に明かされることはありませんでした。
ですがストーリー最終盤、信玄さんの演じる役の独白。

ストーリー24より

この台詞と背景で、劇中劇は幕を閉じます。

これはあくまで役の台詞であって、信玄さん本人の言葉ではありません。
けれどここまで役と現実のアイドルの状況をリンクさせたストーリーを見せられて、イベストを読み終えたほぼすべてのPが思ったのではないでしょうか。
 

ああ、これは「いつかくるかもしれない未来」なんだな……と。

 
劇中劇と同じく、結局、現実でも信玄さんは2人に過去のことを直接話すには至りませんでした。
けれど、いつか話せる日が来るのかもしれない。いや、きっと来るんだろう。

それを思わせる台詞の背景には、明るい未来を想起する「青空」が広がっている——
 
 

天才か???????????????

 
 
まさかモバにも繋げてくるとは1ミリも思っていなかったので、これを見た瞬間もう……もう……。

信玄誠司が何かを決意して新しい一歩を踏み出したとき、そこにはいつも晴れた空が広がっているんですね……。泣いてしまう…………。

 

あとがき

「信玄誠司の心理描写と天気について」つらつらと書いてみましたが、いかがでしたでしょうか。
あくまで一個人の考察に過ぎませんが、楽しんだり共感していただけた方がいらっしゃいましたら嬉しいです!

これからもどうか、晴れた空の下で世界中に笑顔を届ける彼の姿を見ていたいな、と思います。
(と言いつつ、いつか雨ライブに出演する彼の姿を見られるとしたら、その時の様子も気になりますね)
ここまで読んでくださりありがとうございました!

 

参考(公開順)
モバゲー/雑誌通常号「2度も失いたくない 後編」
エムステ/「太陽のウェルカムパレード」(2017/10/12〜2017/10/20)
モバゲー/「あなたの味方! AP SUPER」(2018/04/23〜2018/04/30)
モバゲー/信玄誠司6月シーズンボイス(2019/06/01)
サイスタ/FRAMEエピソードゼロ第1話 エピソード1〜5 (2021/10/6)
モバゲー/「Perchers 〜山に魅せられた者たち〜」(2022/04/15〜2022/04/22)

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