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短歌人2018年11月号

こんにちは、短歌人の太田青磁です。
今月の月詠です。

モニターの石原さとみで涼をとる乗車率200%の朝
鈍行を乗りついでゆく乗るごとに車両みじかく町はのどかに
雨雲レーダー真紅に染まるセルにいて折りたたみ傘はただの棒なり
マヨネーズ多めで頼む平和園の冷やし中華で夏がはじまる
中華鍋を軽々と振る背筋をビール片手にながめていたり
小学生ですら暗記してくるスピーチを読むしかできない人でいいのか

マッチ擦るつかのまの海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや
/寺山修司『空には本』

「特集*前衛短歌は勝ったか負けたか」に、寺山修司の歌と短いエッセイを寄せています。若き日の短歌との出会いについて書きました。この歌を当時はうまく読み解けなかったのですが、格好いい短歌がいい短歌なのかという命題は持ち続けていたいものです。

感想などお聞かせいただけるとうれしいです。


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