短歌人2018年8月号

御殿山の坂をのぼりて現代美術コレクションに浸るひととき
洋館の階段ゆるく曲線を描く手すりの手ざわり滑らか
前後左右を白きタイルに囲まれてわれの思考は四角くなりぬ
鳴りやまぬ電話のベルを聞いていつ 誰も映らぬモニターの中に
砂で描かれた共和国旗と太極旗わずか崩れて混ざりつつあり
赤き服の案内嬢ら折り伏せるうごく歩道は闇へと続く

原美術館を訪れたときに作った吟行詠です。感想などお聞かせいただけるとうれしいです。


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