短歌人2018年7月号
表紙のみ印刷に出す 文章は前々日まで書く前提で
紙を折りホチキスで綴じ紙を折る 繰り返すほどに精度はあがる
文フリに行きたいという子を連れて遠足の日のようにバスに乗る
カレーしか食べ物はなくふたり分のカレーを買って席につきたり
そろそろ飽きたという子を送る帰り道 間違えて大井競馬場に立つ
採算は取れたかと問う子がいれば安心して趣味に打ちこめるなり
5月号の作品に月評をいただきました。菊池孝彦さん、ありがとうございました。
二月中に出すといった雛人形を三月一日のロスタイムに出す
「ロスタイム」という喩えが作者の発見。雛人形を二月中に出すという約束が日常の雑事に紛れて果たせず、三月一日に出した。まだロスタイムだからセーフにしてよ、ということか。作者も家族も微苦笑の顛末。
今月号では、髙瀬賞と評論・エッセイ賞の選考結果が発表されました。髙瀬賞は鈴掛真さんの「冷たい手」と鑓水青子さんの「真冬ロシア」が受賞となりました。おめでとうございます。評論・エッセイ賞は今回は受賞作なしでした。いただいた講評を読みながら足りない部分を感じております。
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