2018年4月の記事一覧
短歌人2018年5月号
こんにちは、短歌人の太田青磁です。
今月の月詠です。
髪を切りわすれた雨の日の前髪が湿度をまして視界をふさぐ
阪神の話題でやたら盛りあがっているうどん屋の隅に相席を得る
タンパクを取るべきだという友がいて釜肉うどんに玉子をつける
肉をよけつつうどんに黄身をからませるその質感を愛でたのち食む
二月中に出すといった雛人形を三月一日のロスタイムに出す
レイトショー見終えた夜の街並みはどこにもつなが
短歌人2018年2月号
こんにちは、短歌人の太田青磁です。
2018年2月の月詠です。
音本番入(はい)りますの声にヒロインはヒールを脱いで告白を受く
医者・歯医者・医者・医者・ミーシャ 聞きおればいしゃばかりなるMISIAの家族
「主役1」と呼ばれる権利を勝ち取って吾子はひとりでステージに立つ
こんにちはって言ったらこんにちはって言ってね 言ったのに声が大きくて叱られる
舞台ではまったく緊張しなくとも相手がいると
短歌人2018年1月号
こんにちは、短歌人の太田青磁です。
2018年1月の月例作品です。
ひと駅をあるく ひと駅たびをする ひと駅ぶんのわたしがわかる
点滅が近づいてきて点滅はロードバイクとともに去りゆく
チョークにて〈ここで夜景をお楽しみください〉狭きわが家のベランダなれど
子のつくるソラマメひとつ置かれあり噛めばたちまちハイチュウ満ちる
計算が苦手な吾子が計算を解きおえるまで黙る苦しみ
連日連夜尾崎豊を妻は聴く何