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ムーミンは人生訓じゃない
以前にいくつかムーミンを読んでスタディ作品を書いて、最近もちょっと読み返してみていますが、ムーミンはけっこう難解だと感じます。というのは、ヤンソン氏が自身の中の自由に舞う想像や思いを表現するのにどうしても架空の動物(妖精?)を必要としたわけですし、その行動様式もそこから出ていると考えられるからです。それがあのカワイイ絵の裏にあるものですから、どうしても人間的に解釈したいと人は思うのでしょう。
そうして出てくるのがこのような解釈ではないでしょうか?
それぞれのセリフから人生訓を読み取ると、なるほどと思ってしまいます。理解し難い物語ですからそうかもしれないと納得してしまいます。
ですが、長い物語をその中の一言でサマライズしてしまうのは正しい読み方とは言えません。完全に間違いとは言えないものもあると考えられはしますが、物語はどうしても全体を通して読むべきものですし、全体が一つの意図によって書かれたものだからです。ですから、セリフ一つからある教訓を読み取って、ムーミンとはそういうお話だと言ってしまったとしたら、それはちょっと違います。
実際のところ、ムーミンから人生訓を読んでそれがムーミンの魅力という方が多いようですが、そのポイントで停止してしまわないで全体をよく読んでみるのをお勧めしたいです。