小説屋から見た政治、選挙と陰謀(小説ネタに)
参議院選挙が終わりました。選挙運動期間中に元総理大臣Aが暗殺されました。これに関して陰謀論が出始めています。陰謀論に関してはそれが事実であるかそうでないかはわかりません。本当に誰かが画策して陰謀が存在する可能性は、全て明らかにならない限りゼロではないからです。ただ、確認が取れない以上憶測で何かを言ったり拡散したりする事は許されません。ですが、小説の題材として推理して考えてみるのあれば大丈夫でしょう。
落合信彦という作家(ジャーナリストとも紹介される)がいます。氏の作品に「ニ〇三九年の真実」というのがあります。出版当初、その内容が話題となり、その後に盗作疑惑でも話題となりました。書いてある事が真実、事実かどうかはわかりませんが、創作だと考えればとても良い出来です。JFK(ケネディ大統領)暗殺に関する実際に公表された資料と多く出回っている噂話を組み合わせて陰謀論に接続して組み上げています。
今回はジャーナリズムでなく、創作という立場から見て考えてみたいと思います。つまり、簡単に言えば創作の材料集めです。
まずは報道らの材料集めです。
1)A氏は某宗教団体と懇意にしていた。(これは事実でよく知られた話)
2)犯人も某宗教団体と関係があったらしい。(現時点では不明)
3)別の噂では殺害は個人の犯行でなくて裏に誰かがいて単独でないグループでの犯行という。(これは証拠無)
4)どちらにせよ宗教団体内部関連の問題のように見える。(証拠無し)
5)某宗教団体は隣国にルーツがあって教祖もその国の人。(国粋主義者にヘイト対象にされている)
そうしますと…
A氏の信望者たちには「国粋主義者」を名乗る人が多くいますが、彼らは実際に国粋主義を掲げているフリをして実は本物の国粋主義ではなく、某宗教団体のルーツの国の人で単に撹乱と分断を画策しているのではないか? 少なくとも核になるスプレッダーは宗教関係者ではないか?、と想像できますが、現状では状況から見ての推測で証拠無しです。ただ、スプレッダーの多くが企業経営者である場合が多いという特殊性から、宗教団体と関係がある可能性も疑われます。というのは、宗教団体と関係しますと安定的にその企業に仕事が回るという事が一般的に多いからです。
だとすれば、つまり、A氏は愛国の名の下に日本の一般人愛国者を巧妙に騙して票を集めていたという事が考えられます。
(もしサスペンスとして構成する場合)
しかし、A氏が宗教団体内部と何かトラブルがあって排除される事が決まっていたが、教団側は犯人を仕立てて殺害し、逆に亡くなった事を利用して神格化してしまおうと画策した。そのために演説中という象徴的な場面を選んだ。演説の場所は直前に変更された事で偶然のように見せかけるが、実は内部には情報が流れていた。
さて、ここまで書いていたところで、ある方から以下の動画を紹介されて観ました。これにて結論は出ていませんが、情報に更新があります。
長いので簡単に。
1)Aは真の右翼ではなく右翼のフリをした宗教団体の広告塔だった。
(推測通り)
2)宗教団体は過去に分裂していて犯人はそこに所属していた可能性がある。
当初分裂とは考えず、内部での抗争と考えていましたので新たな要素が追加された形になります。
3)分裂した側の団体は本拠地がアメリカにあり銃を礼賛している。
4)現天皇とAには深い確執があった。
5)上記等の件で右翼はAを嫌っていた。
6)Aは右翼からも分裂宗教団体からも煙たがられる存在だった。
7)Aは近年、宗教団体との密接な関係を隠さなくなっていた。
8)犯人は宗教団体幹部を狙いたかったがガードが固く、近付く事ができなかったのでAを狙った。
これまで考えてきた中で不用になったピースは・・・
1)宗教団体内部でAが不用になった事
2)Aを殺して進化化しようと画策していたというアイデア
さて、さらに足りないピースは・・・
1)犯人の犯行が宗教団体の指示等によるものかどうか
2)犯行は右翼団体と関係があったかどうか
上記2つは個人的な意図で犯行に及んだか組織化されたものかという事。
3)作成された銃について
これは、考えるより困難ではないと考えられる。市販の花火の火薬でも弾丸の相当する物を飛ばす事は難しくない。後は試験をどのように行ったか。
4)弾丸の角度等についての情報(検死結果含めて)
これはTwitterで言っている人がいるが、現在のところ情報としてはあてにならないものばかり。
5)犯人との親交のあった人物がいるか(協力者または個人的に話ができていた人)
6)Aの数日間の行動予定をどう把握したか
7)政権党内部でのAの扱い(多数派の代表ではある)と後継争い
(もしサスペンスとして構成する場合 その2)
いくつかアイデアは浮かびましたが書くのは止めます。ですがいろいろ考えられると思います。舞台が日本なのでアクションをメインにはし難いかと考えますから、謎解きと工作の方が良さそうです。例えばルシアン・ネイハムの「シャドー81」のような一人コツコツ組み立てる感じの陰謀、それに別の意図を持つ組織関係者が関与する形などが面白そうです。
別のアイデアとして、もし1人称で組織犯罪的な要素を排除して書くとすれば、三島由紀夫の金閣寺や映画のタクシードライバーのようなものにも出来そうです。
私はこれで小説を書くつもりはありませんが、誰か挑戦してみてはいかがでしょうか?