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魔法の言葉と右拳。Vol.52
第2話
話は一気に自分が株式会社諏訪商店に入社した時まで先送りする。
以下は自分が諏訪商店に入社する経緯だ。
時間があったらみてください🙇♂️
↓↓↓
Vol.12
https://note.com/seijiest23/n/n8e693cff2d80
Vol.14
https://note.com/seijiest23/n/naecad994af09
Vol.15
https://note.com/seijiest23/n/n29116a5c925b
入社した時は父 広勝は株式会社諏訪商店の
代表取締役で現役。歳は60歳だった。
まだまだ元気いっぱいだ。
兄は専務取締役になっていた。
当時の諏訪商店は、卸も伸び悩み
小売業もスーパー事業の撤退や
五井、姉ヶ崎、木更津、君津に小売店を
出店するものの オープン当初は良かったものの
次第にそれが足枷となり
経営自体も伸び悩んでいた。
そんな中、父が苦手な小売店出店の決断。
「房の駅」1号店が
諏訪商店の伸び悩み打開策の1手となった。
この房の駅をつくり
姉ヶ崎、木更津、君津などのいろいろな小売店を
全て閉店させて房の駅に投資を集中させることを
父と兄で決めた。
兄は父の小売業を壊し
ココに会社の未来が賭けられた。
そんな中、自分が入社して
やったことがない仕事の1発目だ。
それは房の駅1号店の
「地鎮祭じちんさい」
辞書的に言うと
『土木工事や建築工事を行う際、工事が無事に終わるように神主を招いて安全祈願する儀式のことです。 その土地を守る氏神様に土地を利用させてもらう許可を得て、工事の安全を祈願するという意味があります。』
↓こんな感じ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114500730/picture_pc_b9983c83a31ed1feeab4af5a3ce4cea2.png?width=1200)
地鎮祭の主役は
神主、
会社の最高経営責任者である父、
設計士、
現場監督だ。
その神秘的な儀式の際の出来事だ。
神主が頭をさげっぱなしで祈祷?をしているときだ。
こんな感じ↓
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114500810/picture_pc_f032cf99769ada0133cc617c1c1fe790.png?width=1200)
「ンンンンンン〜んんんん〜🛵」
バイクが敷地の中に入ってきてしまった。
追い出そうと後ろを振り返ると
誰もいない。
「んんんんん〜ンンンンンン〜🏍️」
またバイクの音だ‼️
こんなときに!
このやろう!と
後ろを振り向くと
誰もいないアゲイン。
すると横にいた兄が真っ赤な顔をしながら
自分の太ももをたたきながら
かぼそい声で一言。
「カンヌシダ」と。
神主の声か‼️
笑いを必死にこらえる2人に
追い討ちをかける悲劇がその30秒後にやってくる。
地鎮祭の中で
小さな砂山に鍬ををいれるふりをする儀式がある
↓こんな感じ。
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114500978/picture_pc_a52edf9b1353a80ffcb04d8069c71495.png?width=1200)
この小さな山にめがけて
「えいえいえいっ」と言いながらクワをいれる。
先頭を切った父が
キリっとした顔でクワを持つ。
それはまるで戦国時代の一番槍の武将。
ただただカッコ良かった。
↓こんな感じ
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114522427/picture_pc_607e2b30793f69163f90902d266f30ed.png?width=1200)
そして その山の前に立った父は
「えい‼️えい‼️おー‼️」
3回目のおー!で右手の拳は天に向かって
突き上がっていた。
本気だ。
本気のミスだ。
本気の間違いだ。
自信満々に右拳は天を貫くほどに
高くかかげられている。
その数秒後に
間違ってしまったと知った父は
ちょっと照れてる。
我慢していた笑いは儀式全体を襲い
大爆笑の渦の中へ。
父はいつだって本気だ。
笑われるほどの本気さと真剣さだ。
やるならふりきれ。
知らず知らずに父から教わっていた。
これ以来、小さくまとまってんなぁ〜と
自分自身に感じたとき
自分自身をふりきるため
「えいえいおー!」は
魔法の言葉になった。
『諏訪聖二、どうする父さん』Vol.51-Vol.60(全10話)
自分はきっと
こういうことを真面目に真剣に
やってのける父が大好きなんだとおもう。
それは未だに変わらずで、自慢の父だ。