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人間関係の八方ふさがり。Vol.7
散々もめた大型店への異動命令。
デイリー部門、一般食品部門、リカー部門、雑貨部門への配属だった。役職はなし。
すると店長がいきなり本社に電話をかけ
「聖二がチーフなら送り出すがただの社員ならこの配属は無効にしてくれ」と副社長に進言した。
すると翌日、異動命令が白紙になり、その後、自分にはチーフという役職がつき、大型店への異動命令が再配布された。店長に評価してもらった嬉しさの反面、反則技を使った気分にもなり複雑だったことを良く覚えている。このことが大型店では違うウワサとなり、自分が本社に直談判をして無理やり役職を付けてもらったことになっていた。
異動初日、大型店の朝礼で挨拶のスピーチ。以前のカツオ投げ事件などの効果もあり、まさかの誰一人拍手をしない逆風からのはじまりだった。
そして自分も自分でその日から毎日、朝の朝礼に電車の時間が合わないということで3分きっちり遅刻をするという荒技を披露した。
そこに輪をかけて今までのやり方を完全否定する売場替えなどから手を出すことを決めた。それにより自部門のパートさんやアルバイトもほぼ全員、敵になった。本当に人間関係で八方ふさがりだった。
こびるのは大嫌いだし、謝ることはそれ以上に嫌だし、かといって八方美人になれるほど器用じゃない。自分はできる男だとおもってたし、自分が正しいとおもっていた。なによりもプライドがアホみたいに高かった。
そんな自分の愚痴をリカー部門の優しいおじいちゃん社員がきいてくれた。ところがこのおじいちゃん社員はこの愚痴を皆んなに言いふらしていた。本当に誰も信じられないってこのことだった。
でもこのことで完全に吹っ切れた。
人にどう思われようが自分のやりたいようにやるし、全員が敵でも知ったこっちゃないと覚悟が決まった。
店が閉店したあと売場の ど真ん中に座り、売場づくりを毎晩考えた。どう並べるか どこに並べるか、何を飾るか どう売るか。お客様からどうみえるんだ?気づくと朝の4時、そのまま売場で寝て朝を迎える。そんな日が1週間以上続いて、遅刻もしなくなった笑。
そして夜に品出しをするナイトクルーのリーダーに こういう売場をつくりたいって言ったとき「やりたくない」って言葉が返ってくるとおもっていたのに「良いですよ。やっときます」と一つ返事。毎晩 売場のど真ん中に陣取るから邪魔だし、同情してくれたんだと思う。そして結局は自分でも売場をつくりたいからナイトクルーたちと朝の5時まであーでもないこーでもないと売場づくり。そしてデッドゾーンと言われていた1番売れない売場が1番華やかな売場に変わった。
今みると本当にショボいけどすごく気持ちの入った隅々まで血の通った売場だった。
ナイトクルーたちとその売場の前で記念撮影をしたのが泣きそうになるぐらい本当に嬉しかったのを今でもすごく覚えている。
八方ふさがりだった人間関係が一方開いた瞬間だった。人間関係は本当に難しい。
あと七方!
諏訪聖二 房の駅を立ち上げるまで
あと1年。