司法試験合格に必要な力 勉強方法 その4
前回までのあらすじ
前回は「予備校通ってるだけじゃ普通の人は多分合格できないよー」という話でした(これ本当にあらすじなのかな?)。そして、今回は予備校の使い方について書く予定でした。
しかし、予定は未定でした。
予備校というのは、あくまでツールの一つです。ツールの使い方を考える上では、ツールを使う目的を知ることが不可欠です。
ここでいう目的とは司法試験合格ですから、まずは「司法試験合格に必要な力とは何か」という話が先ですね。
というわけで、ここで少し、司法試験合格に必要な力について考えてみます。
あと、ちょっと目次とか文字の装飾とか試してみます。面倒になったり鬱陶しくなったら止めます。
司法試験の役割について
司法試験
司法試験に合格すると、司法修習生になって最高裁判所様の下で働かせていただく栄誉に服することができます。その後、いわゆる2回試験に合格することで、法曹資格を得ることができます。
司法試験とは、法曹資格を得るための前提となる試験というわけですね。
法曹とは
法曹とは、裁判官、検察官、弁護士のことです。
いずれも法のプロフェッショナルであり、現実に生じる種々の問題に対し、鍛え抜かれた上腕三頭筋で法を駆使して解決に努めます。法的知識を使って問題を解決するヤクザプロ、実務家です。
いずれの法曹であっても、その職責と拳は非常に重たいものです。一歩どころか、半歩間違えるだけでも、他人の人生を容易く滅茶苦茶にしてしまいます。
生半可な人が法曹になるのはとても危険です。
(なお、万が一にも誤解されることのないように念のため付け加えておきますが、頭の悪い奴には法曹になってもらいたくないとか、法曹は一般人とは違う選ばれし特別な存在であるとか、そういう話では全くありません。重たい職責を負わされているために、結果として一定程度の能力が要求される職業になっている、というだけです。)
司法試験の役割
法曹の職責の重みを考えると、生半可な人が法曹になることだけは絶対に避けなくてはなりません。
つまり、司法試験の役割は、法曹として要求される最低限の能力を有しているかどうかを判別し、その能力を有しないと考えられる受験生を排斥することにあります。
このことから
といわれています。
司法試験合格に必要な力について
法曹に求められる能力
法曹は、法的知識を使って問題を解決します。
では、法曹に求められる最低限の能力ってなんでしょう。
およそ知識を使ってある問題を解決しようとする場合には、
という三段階のステップを踏むことになります。
そうすると、法曹としての最低限の能力とは、
となります。
知識、理解、使用の関係
知識、理解、使用というこの三つのステップは、それぞれ強く関連しています。
ですが、知識や理解があるからといって適切に使用できるとは限りません。
それぞれ別の要素ですから、これはある意味当然です。
その一方で、適切に使用できるなら知識や理解はあるはずだ、とは考えることは可能です。
知識や理解は、適切な使用の前提となるからです。
一つ例を挙げてみようと思います。
ある人はギターが楽器だと知っています(知識)。その人はギター教本を読み、弦を弾けばギターが鳴ると分かりました(理解)。ではギターが弾けるようになるかといえば、答えは当然NOです。練習をして実際にギターを使わない限り、弾ける(使用)ようには決してなりません。
しかし、その逆は十分あり得ます。
その人がギターを弾ける(使用)のであれば、その人はギターが弦楽器時々打楽器であることを知っており(知識)、弦を弾けば音が鳴るしボディー叩けばもっと良い音が鳴るという仕組みも分かっているはずだ(理解)、とは考えられるわけです。
知識、理解、使用の関係は、このように整理できます。
司法試験が論文式のわけ
これらのことから、法曹としての能力(法的知識とその理解、及びそれらを適切に使用する能力)を審査するには、取り合えずまずは法的知識を使用させてみて、そこから法的知識やその理解の程度を判断するのが効率的だ、ということが分かります。
それゆえ、司法試験は「受験生の法的知識の使用を見ることを通じて、法的知識及びその理解の程度も併せて判断する」という論文式になっているのです(なお、短答式で知識や理解に対する判断を補っています)。
司法試験合格に必要な力
ということは、採点者に「こいつ……法的知識を使いこなしてやがるっっ!!」と思わせれば、司法試験は合格するわけです。
とどのつまり、司法試験合格に必要なのは
ということです。
司法試験合格に必要な力については、時々誤解が見受けられます。
次回は、その誤解について考えてみようと思っています。
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