『易』と陰陽の話
東洋医学の根底には陰陽五行説があります。
気血水、五臓論、六病位、表裏寒熱虚実。すべての基礎に在るのが陰陽五行説です。東洋医学を修めようとする者が最初にぶち当たる壁であって、しかし使い熟すことができれば森羅万象に応用可能な卓越した理論であると気付きます。
陰陽五行説は起源の異なる「陰陽論」と「五行説」が融合した理論です。本日は陰陽論に絞って考えてみましょう。
陰はマイナス、陽はプラスです。
森羅万象を陰陽に解釈するのが陰陽論で、たしかにあらゆる事柄は陰陽に分類することができるような気がしてきます。太陽と月。朝と夜。男性と女性。天と地。万物は陰陽に起こり流転します。陰は陽に、陽は陰に。陰の中には陽があり、また陽の中には陰があります。これを図示すると、☯️となります。
陰陽は相対的で常に変化する現象です。
さて、易という言葉があります。
卜術のうち、偶然性を利用したものの代表格が易です。八卦とか六十四卦とか、そういう表現で目にすることもあるでしょう。
易を構成する三要素を「易簡・変易・不易」と表現します。これまた難解な言葉ですが、言ってることは単純です。
陰陽のペアが陰に傾いたり陽に傾いたり、そんな感じが易簡です。常に変化する陰陽の流転が変易です。変易の中にある不変な法則を不易といいます。
季節を例に挙げましょう。夏と冬は陽と陰の関係です。陽の気が伸びれば夏に、陰の気が伸びれば冬です。これが易簡。春夏秋冬と季節が変遷していくのが変易。そして、春夏秋冬が必ずこの順番で訪れるという法則が不易です。
さて、占術に至る歴史を説明すると本が一冊書けそうですし、そもそも卜術における私の専門はタロットですから易は素人です。サラッと流して参りましょう。
端的には陰陽2パターンの順列です。2の3乗で八卦。これが内外ありますから、8*8=六十四卦で結果を解釈します。これに爻という1〜6の数字を振りかけて、さらに詳細に分析します。64*6=384通り。少ないですね。
タロットカードは大アルカナ22枚と小アルカナ56枚の合計78枚、正位置と逆位置を考えても156種類。これだけだと易の方がパターンが多いように見えますが、タロットの真髄はスプレッド方法にあります。たった3枚のトライアングルでも156*154*152=3651648通りのパターンになります。7枚のヘキサグラムや10枚のケルト十字では驚異的なパターン数がありますから、偶然性を縁にする占術として、タロットは極めて好ましい手法であると感じます。
しかしながら、やはり歴史的価値を考えますと、易に対する私の興味がぐんぐんと増してきております。タロットの正位置/逆位置は「陽と陰」と捉えると理解が深まりますし、偶然性を利用する占術の中で関連書籍が残るものでは、最も古く最も信頼性の高いのが『易』だからです。
ということで、易の勉強を始めました。
占い師としての私の専門領域は「タロット」と「四柱推命」です。
専門を鞍替えするつもりはありませんが、これは西洋の卜術と東洋の命術です。それはそれでいいのだけれど、バランスをとるために東洋の卜術と西洋の命術も勉強したくなったのです。雑多なものをインプットしていった先に何が起きるのか。さぁ、楽しくなってきましたね。
拙文に最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。願わくは、この春、貴方の趣味が捗りますように。
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