【新月の夜によむ】深紅の空

【作品形式】朗読・1人読み
【男性:女性:不問】0:0:1
【登場人物】読み手
【文字数】186字
【目安時間】約1分


出先からの帰り道
漠然と夜道を歩いていた

何とはなしに顔を上げると
高層ビルの隙間から
鈍い深紅の空をまといつつ
歪な存在感を放つ建物が見える

人の内奥にある
狂気や嫉妬といった
血がうごめいている
そんなイメージが頭に浮かぶ

深紅に染められた空が
酷く攻撃的に見える
そして同時に
悲しくなった

自分の感じ方だけでなく
そう感じる状況になっている現状を


夜道にて
深紅に染まる
空を見た
己に照らし
鑑みてみる


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