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カーボンニュートラル(CN)の基礎


カーボンニュートラル(CN)とは


ズバリ!二酸化炭素などの温室効果ガス排出量を全体としてゼロにすることを「カーボンニュートラル(CN)」と呼びます。勘違いされがちですが、「全体としての排出量をゼロにする」とは、温室効果ガスの排出そのものをなくすという意味ではなく、人々の活動に伴う温室効果ガスの排出量から、森林などによる温室効果ガスの吸収量を差し引いたものをゼロにすることです。温室効果ガスの排出そのものをなくすことはできなくても、その排出量が自然吸収量を下回っていれば、実質的に温室効果ガスは排出されないと言えるわけです。

出典:環境省「2022年度の温室効果ガス排出・吸収量」

パリ協定とは

世界各国がカーボンニュートラル(CN)を目指すきっかけとなった協定のことです。具体的には2015年にパリで開催されたCOP21で採択されたもので、途上国を含む196の全ての参加国に、2020年以降の温室効果ガス削減目標を求めました。
①世界共通の長期目標ー
1:地球の気温上昇を2度以下に抑える、更に1.5度以下に抑える努力目標設定
2:できる限り早く温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には排出量と吸収量のバランスが取る
②各国の目標ー具体的な温室効果ガス削減目標は各国が独自に決め、5年ごとの更新を義務化(法的拘束力はあるが罰則は無し)
③支援ー先進国や新興国などから途上国へ資金支援を行う
④新しい仕組みー目標達成のため排出量を取引する国の市場メカニズムの活用が可能

パリ協定に対する日本政府の対応

⚫️2015年7月
国内の排出削減と吸収を進め、2030年度までに2013年度比で26.0%削減し(2005年度比で25.4%)、約10億4200万トンのCO₂排出量にすることを「日本の約束草案」として決定。

⚫️2020年10月
菅総理(当時)は。所信表明演説で2050年カーボンニュートラル(CN)を宣言。

⚫️2021年10月
「2050年カーボンニュートラル(CN)」との整合を目指し、2030年度までに温室効果ガスを2013年度から46%削減し、更に50%削減に挑戦する目標を表明。また「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を策定し、長期的な温室効果ガス対策の戦略を閣議決定し国連に提出。

まとめ

パリ協定の最終目標である、できる限り早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には排出量と吸収量のバランスが取れるところまで持っていくことが地球にとって何より望ましい施策であると感じます。新トランプ政権下でサステナブルが軽視される恐れが高いですが、地球を愛する我々一人ひとりの環境意識向上と行動が非常に重要な鍵になっていることを痛感します。

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