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私の隣には

人はみな、"死"は怖いという。
経験したことが無いからだろうか。
まあ経験などしようも無いのだが。
私からしてみれば、
この世に執着している"生"の方が
よっぽど怖いだろう。
経験し得ないと言うだけで
この世にしがみつく私たちに
果たして"生"である利益はあるのだろうか。
"死"から逃げろと、言われるがままに
"生"である私たちの存在する
"この世"の方が地獄だろう。

"孤独"はある時、突然顔を出す。
今までずっと一緒にいたのだと
そこで初めて気づく。そして思う。
"死"という"孤独"から逃げるため
真っ直ぐ生きてきた私に待ち受ける
"生"であるのにも関わらず
襲ってくる"孤独"の方が恐ろしいのだと。
差し伸べられた手を必死に掴んでは
よたよたと生きる私にとって
"孤独"は"死"を意味するのだ。


「何より怖いのはね、
"孤独"になって初めて"孤独"だと気づくこと。
備えることなどできないのだよ。
あなたは隣に何がある?
どうか私とお揃いじゃないといいな」

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