運用レポート2020.8.22
週間為替市況
週明けはリスクオフとなった
寄り付きこそ穏やかだったが、これといった好材料に恵まれず、先週から追加経済対策に対する米政権と野党民主党主導部との協議が依然として停滞しており、NY タイムに発表されたNY 連銀製造業指数が予想15.0に対し結果3.7と大幅に予想を下回りドルと共に株式市場に売りが入った
また、米商務省のファーウェイに対する事実上の禁輸措置強化の動きから、米中対立激化すると受け取られ戻りも非常に悪かった
米国、ファーウェイへの禁輸措置強化-半導体へのアクセス遮断へ -Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-17/QF7KVAT0G1KW01?srnd=cojp-v2
ドル円は一日通して下落し、一時106円を割り込み 105.90 円台まで下落
NY ダウも一貫して売られたが、ナスダックは依然として底堅く推移しこの日も史上最高値更新
翌火曜日
引き続きドル売り継続。
やはり好材料に欠け、ドルはズルズルと一貫して売られた、ドル円は一時 105.20 円台まで下落。
EURUSD は 2018 年 5 月以来約 2 年振りに 1.196 ドル台まで上昇これがEURUSD の今週の高値となった
また、引け間際にトランプ大統領が「中国との通商協議は延期した」と発言。
トランプ氏「中国と今は話したくない」-今月予定の協議取りやめ ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-18/QFA32IT0G1KX01?srnd=cojp-v2
NY ダウは更に下落したが、ナスダックは引け間際に値を伸ばし再び最高値を更新ドル円は 105 円台前半で引けを迎えた
水曜日
日中はドル売りが継続
欧州時間に一段と売られドル円はあわや 105 円割れ目前の先月末以来 105.09 円まで下落。こちらがドル円の週間安値となった
NY タイムに入るとこの売られ過ぎていたドルに調整が入った
この日の深夜に公表される先月 27・28 日の FOMC 議事録発表に備えたポジション調整も相まってドルは大きく買い戻された。
ドル円は 105 円台前半で推移していたが 105 円台ミドルまで上昇
EURUSD も 1.18 ドル台まで下落した
深夜に FOMC 議事録が公表されると一気にドル買い一色となった
FOMC 議事録の内容は以下
「当局者は政策戦略を見直した」
「何人かの当局者はパンデミックが継続した場合、金融安定リスクについて懸念」
「何人かの当局者は金利の抑制と目標を適度なメリットと認識」
「非常に緩和的な金融政策が当面の間必要になる可能性」
「何人かの当局者はディスインフレが主要な物価圧力リスクと認識」
「何人かの当局者はイールドカーブ・コントロール(YCC)がバランスシートを大幅に拡大する可能性を懸念」
FOMC議事要旨、ガイダンス明確化は9月めどから後退のもよう ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-19/QFBP49T1UM1201?srnd=cojp-v2
等々、現在行っている金融政策以外の新たな緩和策に対し、FOMC メンバーは前向きでないと受け取られ、米長期金利が上昇。それに伴い売られ過ぎていたドルに一気に買戻しの動きが入った
ドル円は 106 円台前半まで上昇
EURUSD は 1.183 ドル台まで下落した
また、「回復してきた個人消費が新型コロナウイルスの感染再拡大で再び減速している」との見解も示され株価は失速。大きく売り込まれた。
さすがにこの日もナスダックは史上最高値を更新こそしたものの、大きく下落して取引を終えた
翌木曜日
日中こそ前日の FOMC 議事録の内容を踏襲した動きとなりドルは底堅く推移したが、NY タイムに発表された新規失業保険申請数が予想 92.5 万件のところ 110.6 万件と予想よりかなり弱い数字になりドルは売られた。
ドル円は 106 円台で推移していたが 105 円台後半まで下落
一時レイオフの米労働者、4分の1近くは恒久的失業も-ゴールドマン ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-23/QFHK5TT0AFB801?srnd=cojp-v2
ドルが売られたにも関わらず株価は堅調。
今週はドルと株相関、逆相関を繰り返し相場のねじれを感じさせた一週間でもあった
このコロナショック化ではドルと株の逆相関が目立っていたので正常化に向けた準備運動の様にも映る
また、この日の注目は原油価格だった
NY タイム序盤に OPEC 加盟・非加盟国で構成する「OPEC プラス」は新型コロナウイルス感染拡大が想定より長引くリスクを指摘し、原油市場の回復ペースが想定より遅れる可能性を指摘するとものの数十分で1 ドル以上も下落。その後急速に下げ分を戻すという非常に荒い動きが見られた
US Crude CFD 一時間足
たった一時間程で一週間分の値幅となった
そして週末金曜日
この日は欧州 PMI デー
欧州時間に欧州各国の PMI 速報値が発表された。
結果は芳しくなく、ドル売りというより欧州通貨が大きく売られた。
ユーロ円やポンド円といったクロス円でも大きく売りが出たため、ドル円も連れ安となったが、その後 NY タイムに発表された米製造業・サービス業 PMI が予想を上回り、さらに米中古受託販売件数が過去最大の伸びを記録。ドルは買い戻されたが欧州通貨の戻りは限定的となった
米中古住宅販売:7月は前月比 24.7%増、過去最大の伸び ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-21/QFF2WUDWX2Q101?srnd=cojp-v2
ドル円は一時 106 円台まで戻したものの、その後失速し 105 円台後半で引けを迎えた。株価はめっぽう強くナスダックは史上最高値付近で引けを迎えた
来週は実質 8 月最終週月末フローはドルの買戻しとなるのか注目したい。
取引レポート
先週レポート通りドルロング戦略とした。 ご存じの通り、火曜日までは地獄を見た…
やはりシカゴ投機筋のポジションよりリテールのポジションの方が顕著に相場に現れる様だ
利益最大化を図るならリテールのポジションに軸足を置いたほうが良いという確信を得る機会となった
EURUSD リテール売買動向
週前半はリテールもショートだった、これでは下がりにくい筈だ
何はともあれキープショートで水曜日まで耐えた。結果は水曜日の夜にあれよあれよとドルが買われ、EUR、
GBP、Gold をショートしていたため大きな利益を確保できた。
EURUSD 日足
火曜日の NY タイムにやっと EURUSD 特有の直近高値更新後の急落というチャートの形となった
また、面白かったので一応レポート
先週 GBPUSD にビビッて大きく利益機会を逃したため、今週こそはと思い日々ショートが減少していたため、ショートした GBPUSD について。
GBPUSD リテール売買動向
日々徐々にショートが減っていた
木曜日に大幅に踏まれたため冷や汗が出たが、この程度の動きでビビっていてはこの暴れ馬とは付き合えないのは百も承知だったため耐えた結果は、金曜日にシッカリ応えてくれた
当然ナンピンしたため爆益となった
GBPUSD 一時間足
ナンピン機会を与えてくれただけの様に見える全戻しチャートとなった
また、株価インデックスの NY タイム戻り売りもまあまあだったが週後半は思ったほどは振るわなかった
来週からの戦略
さあ、8 月実質最終週
もう遠慮はいらない。この一週間でシッカリ利益を積み上げて 9 月を迎えたい
ドル円リテール売買動向
CFTC 円先物投機筋NOP(円先物のため売買反転)
思ったよりドル円はつまらないかもしれない大きな動きにはならなそうだ
CFTC EUR 先物投機筋 NOP
先週投機筋のEUR ロングは微減
リテールは先週後半からショートが減少傾向
前出している EURUSD の日足だが、直近最高値付近で上ヒゲ陰線となっており
この為替では最大の流動性を誇る通貨ペアのチャートは最も信用できる、週足に関しては美しい反転示唆チャートだ、どこまで下がるか?またスピードはどうかは不明だが、瞬間的にしろトレンド的になるにしろ非常に期待できるポジション状況ということは間違えない。
EURUSD 週足
CFTC GBP 先物投機筋 NOP
今年 4 月以来の投機筋ポジション買い転
前回、この投機筋のロングがショートに向かったことによってポンドは値を切り上げ続けた。
昨年春先のポンドの急落が記憶にある方は少ないかもしれないがこちらもユーロ同様期待できるポジション動向だということは忘れないで頂きたい。
続いてGold
CFTC 金先物投機筋 NOP 投機筋
殆どポジションに変動なし
目先のチャートは弱いが大きな下落にはなり難いような気がしている
・史上最高値更新
・2000 ドルという心理的節目を達成
・その後の急落
という条件が揃っている以上、揉む可能性大
メリマンさん風に言えば、逆張りで短期トレードを楽しむほうがいいかもしれない
総合して考えると、
私の目線ではドルロングという事になる。従って今週は、
EURUSD とGBPUSD のショート(ドルロング) ドル円は値幅が微妙なため放置
Gold は余程上がればショートするが暫くは静観
そして株価
まだ急落という夢は捨てていない
引き続き NY の高いところはショートで入りたいそのうち当たるだろうと思っている
また、この 2 週間程ずっと原油が 200 日移動平均線の攻防を繰り返している
ここを大きく上抜ける様だとNY タイムの株ショートはリスキーだ、2 月にこの 200 日移動平均線を下抜けてから恐ろしく下げたのは記憶に新しいが、逆転するとしたら怖い
ちょっと気にしておいたほうがいいかもしれない
US Crude Oil 日足
200 日移動平均線(グリーン)の攻防は激しい
念のためこちらも添付しておきます。
CFTC US Crude 先物投機筋 NOP
徐々にロングの取り崩しが開始されている
ドル円同様原油価格も取引対象ではなくインジケーターとして機能しそうではある。
今週は 3 週目より激しい動きになると期待している
週明けよりポジション動向をシッカリ分析して挑みたいと思います。
最近生活リズムに変化があるのと、ちょっと分析するモノが増えてきているのと情報ベンダーのシステムメンテナンスが頻発しておりレポートの配信が遅くなっており申し訳ありません。
ただ半面トレードの精度は上がってます。
先週もありがとうございました。 来週もよろしくお願いいたします。