運用レポート2020.8.30
週間為替市況
寄付きよりドルは売られた
新型コロナウイルスの血漿療法を米食品医薬品局(FDA)が緊急認可
新型コロナの回復期血漿療法、米FDAが緊急使用許可 –CNN
https://www.cnn.co.jp/usa/35158544.html
また、「トランプ政権は英製薬大手アストロゼネガなどが開発中のワクチンに対し緊急使用許可を検討」と報道があり、株価は寄付きより大きく買われた。
ドルはリスク回避のドル買いが後退し売られる事となった
その後、NY タイムに入ると一転、ドルの買い戻しの動きとなり各通貨ペアは日中からの下げ分をほぼ戻しドル円は 105 円台後半で引けた
翌火曜日
先週行き詰まりを見せていた米中貿易協議だったが一転
米通商代表部(USTR)が米中貿易協議の「第一段階合意」の履行状況検証のため米中閣僚が電話協議を行い、更なる進展を目指す方向で一致したと発表。
米中が第1段階貿易合意巡り協議-「双方が進展確認」とUSTR –Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-25/QFLG9LDWRGG201
こちらを受け株価は続伸。ドルも買われリスクオンムードとなった
NY タイムに入ると週後半の 27・28 日に行われるジャクソンホールでの経済シンポジウム(今年は新型コロナウイルスの影響でオンライン開催)を見越してか米主要銘柄に大きく利益確定売りが入り株価が急落。
利益確定売りというネガティブな動きでは無かった為為替相場への影響は限定的。ドル円は 106 円台をキープして引けた
水 曜 日 ドル失速
トランプ政権は南シナ海の軍事拠点化に関わった中国の企業や個人に制裁を課すことを発表
米、中国企業24社に制裁 南シナ海の軍事拠点化関与で –CNN
https://www.cnn.co.jp/usa/35158843.html
迷走を続ける米中関係を嫌気して株価は弱含みドルも売られたが、NY タイムに発表された米耐久財受注が予想
4.3%増のところ 11.2%増と予想を大幅に上回り株価は持ち直した。
その後、ジョージカンザスシティ連銀総裁が「インフレ率が 2%の目標を多少上回ったとしても反対はしない」と発言。ジョージ連銀総裁はインフレに対し最もタカ派で知られるだけに市場は即座に反応
NY の視点:パウエル FRB 議長、インフレ目標レンジやガイダンス変更を示唆か -ロイター
https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20200827_00120200826
株価は大きく買われ、ナスダック指数は史上最高値を再び更新
更に米株価インデックスでは多くの投資家が売買を行う S&P500 も 3 日連続で史上最高値を更新した。
【米国市況】S&P500 また最高値更新、米国債は続落-緩和期待 –Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-25/QFMUJFT1UM1201
ドルは緩和路線継続との見方から米長期金利の低下と共に売られ、ドル円は再び 105 円台まで下落して引けた
翌木曜日
この日はジャクソンホールでのパウエル FRB 議長の講演を控え日中は様子見モード
実際の講演でパウエル議長は「平均物価目標を導入。物価上昇が目標である 2%を緩やかに上回ることも認める」と話した。
また、臨時のFOMC を開催しインフレ率が一時的に 2%を超えることを容認すると新たな金融政策を決定緩和路線継続を強調した市場へのメッセージと受け取られ、株式市場は大いに沸いた
FRB、恐れた「日本化」 物価 2%超で期待回復狙う ‐日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63145690Y0A820C2FF8000/
ドルは緩和継続観測により長期金利が低下しドル売りを誘ったが、株式市場の活況を横目に瞬間 105 円台まで突
っ込んだが瞬時に戻し 106 円台後半まで上昇
荒い動きとなったものの、前日のジョージカンザスシティ連銀総裁が示唆していただけにそこまで大きな動きにはならなかった
そして週末金曜日
まさかまさかの安倍晋三首相が辞任発表。
間違えなくジャクソンホールを凌ぐマーケットインパクトとなった日本時間の午後に辞意を発表。
安倍首相が辞意表明、持病悪化で国政への支障考慮-最長政権に幕 ‐Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-28/QF75D3DWRGG101?srnd=cojp-v2
トランプ氏、安倍首相の辞任表明「とても残念」 電話会談予定 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/japan-politics-abe-trump-idJPKBN25P05Q
発表と同時に日経平均株価は急落、それに伴いドルも大きく売られた。
日経 225CFD 一時間足
瞬間で 700 円以上下落した
格付け会社ムーディーズは「安倍首相の辞任はアベノミクス目標達成の不確実性につながる」と指摘している
この数年の日本株の復活劇「アベノミクス」の名前にまでなっている首相の辞任だけに大きな動きとなった。欧州勢参入後もドル売りで仕掛けが入り、ドル円は安倍首相の会見後も大きく売られた。
NY タイムに入ると前日のジャクソンホールでのパウエル議長の講演内容から、FRB の緩和路線が長期に及ぶとの見方から、米長期金利が低下。更なるドル売りを誘った。
週後半に掛けドル売り相場となり、ドルは大きく売られて引けた。
マーケットは「アベノミクス」の主役兼演出家である安倍首相へ上げ幅縮小という形で敬意を払った形となった来週以降後任人事の動向は注視したい
取引レポート
週前半は徹底してドルロング主にEURUSD をショートした
引き付けショートのため欧州時間に売って NY タイムの序盤に利益確定というマネジメントに終始した
ジャクソンホール当日には EURUSD ロングが激減
EURUSD ロングに持ち替えた
EURUSD リテール売買動向
火曜日のロング急増後、ロングが減少しているジャクソンホール当日は
EURUSD GBPUSD
Spot Gold
この 3 シンボルをキープロング長い上ヒゲでシッカリ利益確定
ジャクソンホールでの取引は爆益となった
また金曜日に安倍首相の辞任発表時の急落で日経 225CFD をロングこちらも期待したほどの戻りは無かったがまあまあの利益となった。
金曜日深夜に英が 3 連休を前にしてポンドが急伸したため、リテールのショートも減少傾向といこともあり
GBPUSD にショートを放り込んでみた。
GBPUSD リテール売買動向
こちらはキープショートで越週している。
明日の寄り付きでどの程度戻りがあるか期待している。
来週は月末月始の週となる。今年も残り 4 か月。
シッカリ分析して年間目標達成まで集中して取り組みたい
今週の戦略
火曜日より 9 月となる
やはり8月同様、月の前半は様子を見ながらの取引を心掛けたい。
ドル円リテール売買動向
若干買いが増えてはいるが急落するほどのフローとは思えない
USDJPY 日足
年初来安値から 61.8%で引けた。
ここを割り込むようだとコロナショックの 101 円台が視野に入るがどうか?
CFTC 円先物投機筋 NOP(円先物のため売買反転)
投機筋は円買い傾向
そして注目のEUR だが
CFTC EUR 先物投機筋 NOP
またもロング増加
コラム:「金利差なき世界」で光るユーロ買い構造を探る=唐鎌大輔氏 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/column-daisuke-karakama-idJPKBN25M01V
まあ、買われている理由はこのコラムの内容で間違えないだろう
ただ、シカゴの売買状況を見る限り私個人の見解だが暴落前夜に見える
念のためポンドにも触れておこう
CFTC GBP 先物投機筋 NOP
こちらも買い転維持
アングル:香港投資家が英国不動産に殺到、国安法受け移住目的 ‐ロイター
https://jp.reuters.com/article/hongkong-protests-britain-property-idJPKBN25K0VG
この様に実需のフローが多い様だ
実需筋は我々の様に反対売買は行わないため、買われっぱなしとなる。ポンドの堅調に一役買っているのも事実だろう。
EURUSD 日足
5 月以降非常に強いトレンドが発生している
バイイングクライマックス間近という解釈で臨みたい
EURUSD と Spot Gold 価格推移(日足)
ドル枯渇相場以降。完全な正相関となった。
Gold は結局先週 2000 ドルまで戻すことができなかったそしてEURUSD も先々週 1.20 ドル手前で失速している
週後半は買われたが、11 月の大統領選前に天井を打つことが予想される
CFTC 金先物投機筋 NOP
若干ロングの取り崩しとなった
CFTC US Crude Oil 先物投機筋 NOP
200 日移動平均線は上方向に抜けたものの目先のチャートは弱気を示唆していることは気に留めておきたい
やはり
1週 2 週は様子見を決め込んだほうがよさそうである。
今週は雇用統計とISM 製造業・非製造業など重要指標が続く。
指標が良くてもドルが買われるとは限らない相場状況のため予測は難しいが、、、
やはり、EUR は売りたい。
久しぶり、約半年ぶりに大相場の予感がしている。
EUR で 2000pip 程見込める気がしてならないそうなった場合は EUR パリティだ
従って、今週は
3 週以降の大勝負に向けて原則様子見
この週末の速報値では若干 EURUSD ショートとドル円のロングが増えている週明けドルは弱いかもしれない
短期のレンジ相場の後に、ドル急落(この急落はあるかは不明、私の希望です) その後に大きな大きなチャンス到来の予感。
おそらく 9 月 3 週以降本番が来る
特に第 3 四半期最終月の 9 月頭は、相場のセオリーを無視した実需のフローが多く出そうなため通常の分析が当たらないと思われる。
やはり 3 週目以降の大相場に向けて英気を養う 2 週間としたい。
もし、EURUSD が 1.20 を超えてきそうな場合はナンピン覚悟のショートを仕込むことは約束しておきます月の前半は安易なエントリーをしない様、資金管理の徹底をお勧めします。
また、安倍首相が辞任を表明した
長年低迷した日本市場を大いに動かしたその功績は大きい
万年下に張り付いた様な日経平均株価をバブル期の最高値更新を狙える気配まで持って行ったのは紛れもない事実だ新型コロナウイルスという未知のウイルスによって、その功績が霞んでしまった
更に日々の激務で体調を崩して最高のパフォーマンスを発揮できないという理由での任期途中での辞任会見を見ていたが非常に疲れていた、体調悪い人間への質問として記者も何とかならないものかと思ったさぞ無念だろうが、一国のリーダーとして引き際をわきまえた姿勢もさすがと思うものもあった
私も仕事柄海外出張が多かったが、安倍首相の海外での評価も非常に高かった
タクシーの運転手さんまで「エビ、エビ(ABE のこと)イチバン、イチバン」と言っていたのを思い出すいち相場関係者として相場に流動性を戻してくれた安倍首相に心から敬意を表したい
以上、先週もありがとうございました今週もよろしくお願いいたします。