運用レポート2020.2.1


【週間為替市況】
寄付きよりリスクオフの展開となった。
ドル円は久し振りに下窓ギャップスタート。
先週引けより約30pips下落してスタートした、アジア圏は日本勢のみ、またオーストラリアも祝日のため非常に乏しい流動性の中、戻りも鈍くドル円は安値圏で推移した。

翌火曜日ドル円は6日振りに反発。
米指標が予想を上回った事により株が大きく買い戻され、その流れを受けドルも買われた。
また、WHO(世界保健機関)のデドロス事務局長が「中国は新型コロナウイルスを管理、抑制できる力があると確信している」との発言を受け、更に持ち直し、月曜日の寄付きで開けた下窓を埋める動きをみせた。

翌水曜日の寄付きで、完全に月曜日の下窓を埋め切る。
ただ、勢いは続かず深夜のFOMC発表まで様子見ムード。
FOMCは市場の予想通り据置き、「労働市場は力強く推移し、経済活動が緩やかなペースで拡大」と、前回のスタンスを維持だったが、その後のパウエル議長の記者会見で、新型コロナウイルスに対し「不確実性が残る」「感染拡大による影響を注意深く監視する」とコメントするといきなりドルが売られ、やはり現在の市場の関心は新型コロナウイルスにある事を滲ませた。

木曜日は、引続きリスクオフムード。
深夜にWHOが今までの慎重な方針を転換、新型コロナウイルスに対して、「国際的に懸念される公衆衛生上の非常事態」と「非常事態宣言」を行った。
こちらを受け、更にリスクオフムード化と思いきや、事態が早期収束するとの思惑から、株・ドル共に買い戻される。
しかし、その勢いは金曜日まで続かず。
昨晩のロンドンフィックスにでは月末フローも伴い、ドル円は25週移動平均線の108.30まで下げた。
株価も軟調で週間通してリスクオフムードの中引けを迎えた。
中華圏のメジャープレーヤーであるシンガポール、香港が本格的に復帰する来週も相場がどちらに動くのか目が離せない状況。

【取引レポート】
先週持ちこたえられるか否かというレポートをしたが、寄付きから早々にドル円は下げた。
逆に解り易くなってしまったので、ドルショートで参戦。
クロス円ショート戦略を取るとレポートしたが、EURやGBPがドルストレートで動くのかクロス円で動くのか観察した結果ドルストレートバイアスが強かったため、ここは完全リスクオフシフトである、値幅取れるGoldロングとドル円ショートに戦略変更。
今週は一貫してドル円のリテールロングが増加していた。

ドル円リテール売買動向

先週から引続き、完全に逆張りのポジションが捕まっている。


EURUSDリテール売買動向

やはり、EURドルもロングが増えていた。昨日ロングが減少したタイミングでの急騰。
売買動向の分析がバッチリ嵌る良い例と言える。

ドル円ショート&Goldロングというリスクオフ専用シフトで臨んだため、週間通して一定の利益を確保。
来週以降、アジア圏メジャープレーヤーの復帰があるため、引続き売買動向を注視したい。


【来週からの戦略】
ドル円は、先週レポートした一旦の目処である108.30円台を達成。
ドル円週足

25週移動平均線(ピンク)と昨年高値安値の38.2%戻し。そしてチャネルの下線サポートという非常に重要な抵抗ラインまで下げてきた。ここからだが、ファンダメンタル的にはとてもではないが買えるような雰囲気では無い。


CFTC発表の円先物投機筋NOP(円先物のため売買反転)

シカゴ投機筋もロングを若干切っている、昨年ズル剥けだった機関投資家も中々やるではないか。

結論から言うと、週明け月曜日以降の売買動向を見てみないと何とも言えないが、このポイントを割ってしまうと、106円台後半まで覚悟は必要だろう。
では、実際その可能性だが、現状のテクニカル、ファンダメンタル双方を見ると充分ありえるという相場状況という事は付け加えておきたい。
この、リテールが買い下がっているうちは、なかなか反転しないのではないかと思われるが、念のため超週はスクェアで迎えている。

反発するとしたら、この週末や週明けに何らかのサプライズが必要だろう。
週明け本格復帰するシンガポールや香港勢が、彼等の御膝元である中華圏発の緊急事態を目の前にして大きくロングを放り込むとは考え難い。通常の取引フローでの反発は難しいだろう。

但し、先週もレポートしたが株価指数などのショートは危険だ。
現在、世界的に企業業績は極めていい。一時的な混乱で下げているが戻りのスピードも中々速いので、ツッコミ売りの様な事をすると現在のリテールのドル円の様に、エライ所で置いてきぼりをくらう。
また、欧州通貨だが、今朝方の正式な英国のEU離脱でご祝儀相場の様に上昇した。


GBPUSDリテール売買動向

ちょうどロングが減少傾向のところに来ての急騰だった。
やはり、どの通貨ペアもどちらにも舵を切れる状況。

ここは、しつこい様だが、週明けの売買動向を確認したい。
因みに、日本の大手FX会社では週引けの残ポジションを既に発表している非常に親切な会社がある。
そちらを見る限り、まだドル円ロングが増えている。
もしロングをお持ちの方は、念のため月曜日は大変だろうが早起きした方が良いだろう。
フラッシュクラッシュの様な事が無いとは言い切れない。


続いて、Spot Gold。
CFTC金先物投機筋NOP

1600㌦を達成した今でも、ぜんぜん減ってこない。
機関投資家は他で儲けられていないが、このGold一本でなんとか凌いできたのだろう。
有事の金は本領発揮をするのか?

従って、来週はこのまま売買動向の傾向が変わらなければ、ドル円戻り売りとGoldの押目買い。
逆に、売買動向でドル売りになる様なら、大きくドルロングを狙いたい。
どちらにしても、相場は近い将来反転すると思う。
その前に間違った方向のポジションは一掃する動きがあるだろう。

現在、香港行きの飛行機の中です。
マスク無しで乗っている人、一人もいません…
香港で新型ウイルスと相場と戦い抜きます。

以上、今週もありがとうございました。
来週もよろしくお願いいたします。

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