ファクトリエと靴づくりをはじめて感じたこと

ファクトリエとものづくりを始めて感じたこと


今回は私たちが一緒にものづくりをしているファクトリエについてお話をしたいと思います。

私たちはFactelier by INTERNATIONALという名前でレディースシューズを作っています。ちなみにこちらが私たちがファクトリエと一緒に販売している商品です。


~ファクトリエとの出会い~

一番最初にファクトリエのことを知ったのはカンブリア宮殿。当時はまだ前職で販売をしており家業に戻ろうか悩んでいました。


山田さんの熱い思いや姿勢を見て『自分がものづくりをするならこのような方と一緒にものづくりをしたいな』と強く印象に残ったことを覚えています。

家業に入社して1年が経った頃、再びファクトリエのことをテレビで見ました。
ものづくりの現場に入って再びファクトリエのことを知ったとき「自分がやりたかったことはこれだ!」と思いました。
思い立ったら即行動の私は気づけばファクトリエの銀座オフィスに靴を持って向かっていました(笑)

~ファクトリエ代表の山田さんとの出会いは路上!?~

銀座オフィスに向かう途中で、撮影をされている山田さんに偶然遭遇しました。そこで勇気を持って話しかけたのが山田さんとの最初の出会いです。撮影中の山田さんを靴箱片手にじーっと見守る男性1名・・・


今、思えば怪しさ満点ですが(笑)


突然の話にも関わらずとても丁寧に応対してくださり、それからすぐに大阪の工場まで来てくださいました。そこからファクトリエとの靴づくりがスタートし、2017年秋に初めてFactelier by INTERNATIONALが発売されました。


1.自分たちの名前が出る責任


まず感じたことは自分たちの工場がネット上に出るということ。
公開された初日にみんなが嬉しそうにスマホで自分たちの工場ページを見ていたのを覚えています。なによりも一番喜んでくれたのが母や姉でした。
社長の父と2人並ぶ写真を見て涙が出るほど嬉しかったそうです。

裁断


同時に強く感じたことが、工場の名前が出るということは、これからの全ての責任を自分たちで背負うということ。通常のOEMでは仮に商品不良があった場合、依頼元のブランドが対応することになり工場の名前が出ることはありません。

しかし工場の名前が載るということは、信頼を築くも崩すも自分たち次第。
名前が刻印されるということは思ってた以上に責任のあることだと全員が強く感じました。


2.価格に対する意識


次に感じたことは価格設定です。
ファクトリエでは販売価格は工場側が最終決定します。いろいろな声を聞きますがこれは本当です。

自分たちで価格を決定することで何が起こるかというと

「本当にこの価格が妥当なのか」
「自分たちはこの価格に見合う価値を提供できているのか」
「この価格でお客様に喜んでいただけるのか」

上記を真剣に考えるということです。

これまでOEMをしてきた工場は基本的に上代価格に対する意識はありません。なぜなら発注企業(ブランド)にすでに下代設定をしており重要なのは希望下代で作れるかの1点しかないからです。そこに作り手の想いやこだわりは一切関係ありません。残念ですが、これがファッション業界の裏側の現実です。

私自身は販売の最前線で婦人靴のマーケットや価格を把握していたので価格も決めやすかったですが、それでもいつも最後まで考え抜きます。
売場経験のない工場ではかなり大変なことだとは思います。
でも私自身は価格を自分たちで決めるということがファクトリエのとても良いところだと思いますし、同時に一番大切な部分でもあると感じます。

なぜなら自分たちで価格を決定する瞬間からすべてが自分事になるからです。販売価格を決めるにあたってまず市場リサーチを自分でやりますし、自分たちのアピールポイントはどこなんだど考えますし、そして「ユーザー目線になること」これがすごく大きいと思います。


自分がユーザーならその商品をその価格で買うか。自分事になった瞬間、すべての見える景色が変わってくるのです。
これはものづくりをする工場として本当に大切だと思います。

底付け~トーラスター~


3.1足に対する想い

最後は1足1足に対して作り手全員の想いがより強くなることです。

ファクトリエでは現在、受注生産方式を取らせていただいています。
それはオーダーが来た時点でこれは絶対誰かの手に届くもの、誰かが絶対に履いて下さるものだと分かることです。

1足1足プレゼントする気持ちで作ることになり、こうなったら一切の妥協は許されません。これまでも1足1足丁寧な靴づくりを行ってきた私たちですが、ファクトリエと靴づくりをはじめてその意識はより強くなったと感じます。

仕上げ~磨き~


工場が紹介されることでスタッフも自分たちの仕事に誇りと責任感をより持つようになりました。

また工場ツアーも開催しており、実際の使い手の方が工場に来てくれスタッフに直接話をしてくれることも大きなモチベーションになっています。

ファクトリエと靴づくり始めたことで、自分たちの上品を購入していただくとはどういうことか、また自分たちの名前で作るというのはどういうことなのか、工場で靴づくりに励むひとりひとりの意識がより強くなったと感じます。

次からはMakuakeでデビューしたbrightwayについて、お話をしていきたいと思います。

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