今度こそ「ノウハウコレクター」を卒業する方法
こんにちは、せいいちです。
さて、今回のテーマは『ノウハウコレクター』からの卒業!です。
「ノウハウコレクター」の罠
私がコーチ・コンサルタントとして独立して最初の半年、驚くほど成果が出ませんでした。セミナーに参加し、本を読み漁り、オンライン講座を受け...知識は増える一方なのに、なぜか実践で結果が出ないんです。
ある日、尊敬する先輩から厳しい言葉をもらいました。
「君さ、お粗末な『ノウハウコレクター』になっているよ。頭でっかちで、話がつまんないね。知識を集めることと、実際に変化することは全然違うんだよ」
その言葉に、ハッとしました。確かに私は、知識を集めることに夢中になるあまり、本当の変化を見逃していたんです。
知識と感覚の決定的な違い
ここで、私が体験した「知識」と「感覚」の違いを、具体例で説明させてください。
例:料理の腕を上げる
私は料理が好きで、よく新しいレシピに挑戦します。ある日、有名シェフの本格的なパスタソースのレシピを見つけました。材料や手順を細かく書き留め、何度も読み返しました。頭では完璧に理解したつもりでした。
いざ調理を始めると...
【知識だけの調理】
レシピを何度も確認しながら、緊張して材料を測る
火加減や調理時間を厳密に守ろうとする
味見をしても、「レシピ通りにできているか」ばかり気になる
結果:何かが足りない、平凡な味のパスタソース
ところが、何度か失敗を重ねた後、ある「コツ」を掴んだんです。
【感覚を使った調理】
材料の色や香りを確認し、新鮮さを感じ取る
玉ねぎを炒める音や香りの変化に注目し、絶妙なタイミングでニンニクを加える
ソースの色や粘度を見ながら、直感的に火加減を調整する
何度も味見をし、自分の舌で「あと何が必要か」を判断する
結果:レストランで食べるような、奥深い味わいのパスタソース
この違いこそが、「知識」と「感覚」の違いなんです。知識はレシピを教えてくれますが、感覚は料理の「魂」を吹き込むんです。
コーチングにおける「感覚のインストール」
コーチング・コンサルティングの世界でも、同じことが言えます。
私が最初につまずいたのは、「傾聴」というスキルでした。本では「相手の言葉をよく聞く」「共感的に接する」など、たくさんの知識を得ていました。でも、実際のセッションではうまくいかない。
ある日、ベテランコーチのセッションを見ていただく機会がありました。その時、こんなアドバイスをいただいたんです。
「大前提として、『人は思っていることを正しく言葉にできない動物』なんだよ。クライアントの話を聞く時、その人の発する言葉より、わざわざその言葉や、表情を無意識に選んでいる思いや感情を感じ取ろうとするんだ」
このアドバイスで、私の中に「傾聴」の感覚がインストールされました。頭で理解するのではなく、心で感じ取る。それがきっかけで、クライアントとの関係性が劇的に変わったんです。
感覚をインストールする3つの方法
では、どうすれば知識を感覚にインストールできるのでしょうか?私が実践して効果のあった方法を3つ紹介します。
1. 体験学習法
知識を得たら、すぐに小さな形でも実践してみること。例えば、コーチングの技法を学んだら、家族や友人相手に5分間だけ試してみる。失敗してもいいんです。その「感覚」が大切なんです。
2. 五感を使った観察
学んだことを、できるだけ五感を使って観察する。例えば、「自信に満ちたコーチ」になりたければ、自信のある人の姿勢、声の調子、表情を注意深く観察し、それを真似てみる。
3. 実践とフィードバックの繰り返し
学んだことを実践し、その結果を振り返る。うまくいったこと、いかなかったことを具体的に書き出し、次の実践に活かす。この繰り返しが、感覚を磨いていきます。
私の失敗と成功の物語
ここで、私自身の経験をお話しします。
独立して3ヶ月目、初めての有料セミナーを開催することになりました。テーマは「自己実現のための目標設定」。準備のため、山のように本を読み、ネット上の情報を集めました。
セミナー当日。私は集めた知識を一生懸命話しました。スライドには細かい情報が詰め込まれ、私は早口で説明を続けました。でも、参加者の目が次第に曇っていくのが分かったんです。質問も少なく、場の空気が重く感じられました。
セミナー後のアンケートは散々でした。「難しすぎて理解できなかった」「実践的でない」といった厳しい意見ばかり。
この失敗から、私は「感覚のインストール」の重要性をなおさら痛感しました。
そこで、次のセミナーでは、アプローチを変えてみました。
参加者に「5年後の理想の自分」を具体的に描いてもらい、それを隣の人と共有してもらう
目標達成を「宝探しゲーム」に見立て、各ステップでの「宝物(小さな成功)」を具体的にイメージしてもらう
その場で「明日から始められる小さな行動」を決めて、実際に行動プランを立ててもらう
結果は驚くべきものでした。参加者が積極的に発言し、グループワークでは笑顔があふれ、活気に満ちた空間になりました。セミナー後には「モヤモヤしていた気持ちがスッキリした」「明日からすぐに始められそう」といった声が多数寄せられたんです。
この経験から、私は「知識」を「感覚」に変換することの威力を身をもって知りました。
あなたも「感覚のインストール」を始めませんか?
ここまで読んでくださったあなたに、チャレンジしていただきたいことがあります。
最近学んだことの中から、1つのトピックを選ぶ
それを小学生に教えるつもりで、3分間の「ミニ授業」を準備する
準備する際、できるだけ具体的な例え話や体験を盛り込む
実際に誰かに、その「ミニ授業」を行ってみる(家族や友人でOK)
相手の反応を観察し、どの部分が伝わりやすかったか、どこでつまずいたかを振り返る
このプロセスを通じて、知識が感覚に変わっていくのを感じられるはずです。
今日の1%チャレンジ
今日から1週間、毎日1つ、「感覚を意識する瞬間」を作ってください。
例えば:
朝のコーヒーを飲む時、香り、温度、味わいの変化を意識的に感じる
歩く時、足の裏から伝わる地面の感触、体重移動のリズムに注目する
誰かと話す時、相手の声の調子、表情の変化、体の動きを意識的に観察する
この小さな習慣が、あなたの「感覚を磨く力」を大きく向上させるはずです。
それでは、また
〜〜追伸〜〜
「でも、私には才能がないから...」 そんな風に思った方もいるかもしれません。 でも、「才能」って何でしょうか? それは生まれつきのものではなく、意識的な練習の積み重ねで磨かれるものなんです。 ミケランジェロは言いました。「天才とは、努力する凡人のことだ」と。 あなたにも必ず、眠っている才能があります。 それを「感覚」として呼び覚ますのは、あなた自身なんです。 自分を信じて、小さな一歩を踏み出してください。 きっと、驚くほどの変化が待っていますよ。
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