急性心膜炎に対するコルヒチンの効果に関するRCTについて研修医渡邉先生が発表してくれました!
総合診療内科、救急科合同で行っている「総救カンファ」では、毎週研修医の先生たちに発表をしてもらっています。1年目は症例に基づくClinical Questionを調べてまとめるもの、2年目は症例に基づくClinical Questionから1つの原著論文に絞ってEBMの5 Stepsに従って検討するものとなっています。
今回は、総診ローテート中の2年目研修医 渡邉先生が急性心膜炎に対するコルヒチンの有用性を示した2013年のNEJMのRCTについて発表してくれました。スライドを抜粋して紹介します。
The SPELLのはじめてシートを使わせて頂いています。
本来は症例が大事ですがここでは割愛します。
UpToDateでも急性心膜炎に対してコルヒチンを推奨する根拠として掲載されているRCTのうちの1つです。
心嚢液貯留、CRP上昇についてはColchicine群で有利に働いたかもしれない。
NNT 5!!
単純計算すると、1278円×5人(NNT)=6390円 の治療コストで1人の心膜炎の遷延や再発を減らせるということになりますね。
今回の論文では有害事象は増えなかったと報告されていますが、実感としては消化器症状が出る方は多い印象で、3か月継続することの忍容性は問題になり得るかなと感じます。
論文の内容およびRCTの批判的吟味について良く理解して自分の言葉で発表できていました。聴衆を意識したプレゼンができていたことも良かったです。お疲れさまでした!
当院では研修医に対するEBM教育に力を入れています。総救カンファ以外にも通年のEBM学習会やUpToDateを使ったEBM実践のワークショップといったものも行っており、それらの様子も今後紹介していきます。