研修医対象の「UpToDateを用いたEBM実践」ワークショップを行いました!
当院では臨床研修プログラムの一環としてStepup講習会という通年の勉強会を行っています。
10月の1年目研修医対象のStepup講習会は当科スタッフ本田がEBMをテーマに講師を担当しました。
事前アンケートでは、(忖度もあると思いますが)みなさんEBM実践は重要と感じているものの、忙しい診療の中でエビデンスを調べる時間がなかなか取れないこと、エビデンスを調べる方法がわからないこと、などが課題になっていることがわかりました。
その領域の専門家でない医師が、短時間で効率よく、標準とされるエビデンスを検索する方法として、国際標準の二次資料であるUpToDateやDynaMedの使用を勧めており、当院では院外からもアクセス可能なUpToDate Anywhereを施設契約しています。
そこで、今回は「UpToDateを用いたEBM実践」をテーマとし、目標を下記のように設定しました。
なお、臨床疑問のClass分けは勝手ながらこのように設定しています。
まず、事前課題として、臨床疑問、EBM、UpToDateを用いたEBM実践法に関するレクチャー動画を視聴してもらいました。
また、各自の診療の中から生まれた臨床疑問を提出してもらいました。
ワークショップ当日は、小グループに分かれて、提出してもらった臨床疑問からClassⅠのものを各グループ1つずつ選んで、実際にUpToDateを使ってEBMの5Stepsに従って疑問を解決するワークを行いました。
Step1 疑問の定式化 は事前課題ですでに済んでいます。
まずはUpToDateを使って自分たちの疑問に答えるページを探します。(EBMのStep2 エビデンスの収集)
チームで一緒に作業をすると、他の人はどうやって調べているのかわかったり、役割分担・協力をしてチームワークが形成されたりと、いわゆるピア・ラーニングによる学習効果が生まれます。1人で取り組むより楽しんで学べます。
お目当ての記載が見つかったらその引用文献のAbstractを読んで研究のPICOや結果の大きさを確認していきます。余裕があれば論文の図表などにも目を通します。(EBMのStep3 エビデンスの批判的吟味の一部)
翻訳ソフトも駆使します!
最後に、調べたエビデンスをもとに、症例に立ち返ってその症例への適用をチームで考え、患者にどの程度勧めるか検討します。(EBMのStep4 患者への適用)
最後にグループワークの成果をスライドにまとめて全体に共有してもらいました。
みんな積極的に参加してくれて、UpToDateを使ったEBM実践を身に着けてくれたのではないかと思います。ノウハウをつかんでもらえれば、あとは指導医のスーパーバイズを受けながら臨床現場での実践を繰り返していくことでスキルが自分のものになっていきます!
当科ではEBM教育に力を入れています。