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「バリ・お土産・魚の骨T」

昔、職場にダーブラ似の後輩がいました。

ダーブラは、ドラゴンボールに登場する暗黒魔界の王で、物凄い怖い顔のキャラクターです。

彼と対峙すると、暗黒魔界を思わせる雰囲気がひしひしと伝わってくるので、ダーブラだと思って接していました。

そんな後輩が、バリに行った時に買ってきたお土産のTシャツ。

何人かの仲間達各々をイメージして買って来ましたと、ダーブラは言います。

他の仲間へのTシャツを見せてもらうと、シンプルでなんだか普通にいい感じです。

色も文字もお洒落。

お土産を比べるなんて野暮ですが、買ってきた本人がそう言うものですから、僕への

「3匹並んだ真ん中の大きな骨のヤツだけ目が充血している」という謎のデザインが気になってしまいました。

僕は身体が大きいほうですし、よく目が充血します。

あまり好きではない表現ですが、自分に対する「死んだ魚の目」的なメッセージを込めているのかと後輩に尋ねると、

「考え過ぎです。」

と一蹴されました。

お土産ですから何でも嬉しいのですが、周りに他の仲間達がいると、ついつい素直な「ありがとう」だけでは、終われません。

続けて、大きめなリアクションと

「魚の骨て」

「よく見たら一番ダサい」

「センスを疑うわ」

などの言葉を付けて畳みかけてしまいました。

素直な自分を誤魔化しちゃいます。

ダーブラと僕との間柄ゆえではありますが、面倒くさい感謝表現をしてしまう僕を許してほしいと思い、ここに懺悔します。

敬意を表して、世界一周の時にバックパックの奥に押し込みました。

突然の雨や、謎の調味料が付きそうな日には迷わずこれを着て、どこかに捨てるつもりで。

そんなエピソードでもあれば、暗黒魔界の王も笑ってくれそうな気がしましたが、

一周しても捨てれず大事に持ち帰ってしまいました。

一生の不覚です。

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