おりがみ〜神秘性を秘めた日本の文化〜
子供の頃、新聞紙で兜を折ったことがありませんか?折り紙のツルは見たことがあるでしょう。いろいろなものを折って遊んだ記憶がある方も多いと思います。
あの折り紙は、もとをただせば子供の遊び道具ではありません。
折符(おりふ)といって呪具なのです。
神社の注連縄(しめなわ)などに吊り下げられている垂(しで)を思い出していただければ分かると思います。
「折る」「包む」「結ぶ」は天意を形に表したもの、天地の神秘的なエネルギーを充満させたものです。身近なものでは祝儀袋と水引。裏面の合わせ方や、結び方に決まりがあるのをご存知でしょう。
森羅万象あらゆるものに霊的な力を及ぼし、願いをかなえるものとして、天意に従って折られ、包まれ、結ばれたのです。
こうした「折る」「包む」「結ぶ」という秘術は祈りや願いの形として、また天意の形として古代以来、神社や神道家に伝承されてきました。
この折符にはさまざまな種類があります。私もごく僅かしか知りません。見た事はあっても折り方は解からないものもあります。
紙の条件として、紙の種類、大きさと形。守るべき事、祀り方などさまざまな約束事があるようです。
それぞれの守護の折符として十二支の折符を見たことがありますが、まさに、兜や折鶴を連想した事を覚えています。また、お正月のお飾り、例祭のときの飾りつけなどいろいろあることも知られています。三方(さんぼう)にお供え物を捧げるときに敷く紙(折敷・おしき)を何処かでご覧になってると思いますが、折る方向で意味が違ってしまいます。
ふとそれらを発見されたり気が付かれたとき、そこで「和の心」を観たのです。神秘性を秘めた日本の文化です。神社は面白いところです。
私は、お清めの塩、砂、その他小さなひと形を差し上げるときは、手帳に挟み込めたりポケットに忍ばせるように、剣先清め包みを作って入れて喜ばれています。
きっと皆さんの身の回りにもあると思います。普段気が付かれない所に「和の心」が息づいています。大切にしたいものです。