Autoware Foundation US Bay Area Meetup Groupに参加してきました
Autoware Foundation US Bay Area Meetup Groupに参加してきました
Autoware Foundation US Bay Area Meetupは、主にベイエリアのAutowareコミュニティに焦点を当てたイベントです
日時:2024年8月27日(火)18:00-20:00
会場:Arm サンノゼオフィス
https://www.meetup.com/de/autoware-foundation-bay-area-meetup-group/
このミートアップでは、Autowareエコシステムにおける最近の開発状況についてのプレゼンテーションが行われ、参加者間でのコラボレーションや知識共有が促進されました。
以下、発表
「Autowareの技術進展とマーケティング活動に関する発表」
要約
技術の進展と課題:
AIとMLの応用: 従来のルールベースの実装から、機械学習(ML)ベースの技術に移行することが重要なテーマです。特に、複雑な環境での物体予測などの課題に対処するためのML技術が強調されています。
マップレスアーキテクチャ: 高精細な点群やLiDARデータに依存する従来のアプローチから、マップレス(地図を使用しない)アーキテクチャへの移行が進んでおり、これは主に高速道路でのAIの適用が注目されています。
大規模言語モデル(LLM)の活用:
LLMによる車内インターフェースの改善: 大規模言語モデルを活用して、車両内での対話型インターフェースを強化し、乗員がより快適に車両とコミュニケーションできるようにする取り組みが行われています。
エンド・トゥ・エンドAIの導入:
モジュラーアプローチからエンド・トゥ・エンドAIへのシフト: 現在のモジュール式のシステムを、エンド・トゥ・エンドAIアプローチに統合する試みが進行中です。これには、特定のユースケースに対応するためのコア機能が必要であり、これを既存のフレームワークに組み込むことが課題となっています。
マーケティング活動の概要:
プロモーションとコラボレーション: 組織が行っているプロモーション活動の概要が示されており、過去のデモや将来のコラボレーションについて説明されています。特に、異なる地域の企業や研究機関が同じソフトウェアを使用し、それぞれのローカルニーズに合わせてカスタマイズしている事例が紹介されています。
「Autoware Foundationの最新技術デモとグローバルな取り組み」
概要
Autowareソフトウェアのデモと展望:
Autoware Foundationは、YouTubeチャンネルを通じて技術的な部分や関連するインタビューを提供しており、ソフトウェアの機能や動作をデモしています。
Foundationは、特定の機能ベースのアルゴリズムの開発とそのコミュニティへの共有に重点を置いています。
Predicate InitiativeとCoEの取り組み:
Predicateは、クラウドとエッジ間の接続性を活かしたコラボレーションプロジェクトであり、ソフトウェアの更新により車両の動作を変えるデモを行っています。
CESなどのイベントでこれらのデモを実施し、多くの関心を集めています。
イベントとデモ:
Autoware Foundationは、多くのイベントやカンファレンスでスポンサーとして参加し、自社の技術や製品を展示しています。これには、アカデミックなカンファレンスも含まれます。
コミュニケーション活動:
Foundationは、LinkedInやInstagramなどのSNSで活発に情報発信を行っており、イベントやコンペティションの告知、メンバーシップの促進などを行っています。
ウェブサイトとリソース:
Autoware Foundationのウェブサイトには、メンバーシップ情報や研究活動に関する最新情報が公開されており、ユーザーが参加できるグループやネットワークも紹介されています。
主要なポイント
Autowareのデモ: ソフトウェアアップデートにより、車両の動作がどのように変わるかを実演するデモが行われている。
イベントの参加とプロモーション: Foundationは、多数のイベントやカンファレンスに参加し、自社の技術を広めている。
オンライン活動: LinkedInやInstagramなどのSNSを活用し、コミュニティとのコミュニケーションを図っている。
教育とリサーチの推進: 世界中の大学と連携し、CoE(Center of Excellence)を通じた研究と開発を推進している。
「Autoware Center of Excellence (CoE)の活動とスケールダウン車両の開発」
要約:
後半の発表は、主にAutoware Center of Excellence (CoE)と関連するプロジェクトや活動について述べられました。以下に要点をまとめます。
Autoware Center of Excellence (CoE)の活動:
世界中の大学や研究機関とのコラボレーションを通じて、Autowareの技術とコミュニティが発展しています。特に、米国や韓国を含む多くの大学がこの取り組みに参加しており、共同研究や教育活動が活発に行われています。
スケールダウンした車両の開発:
CoEでは、フルスケールおよび1/10スケールの自動運転車両を開発しています。これには、RCカーサイズの車両やゴーカートサイズの車両が含まれており、これらの車両を用いて自動運転技術の研究が行われています。
F1Tenthプラットフォームの普及:
F1Tenthプラットフォームは、世界中の大学で非常に人気があり、特に自動運転やAI研究のための教育ツールとして利用されています。50以上の大学がこのプラットフォームを採用しており、研究や競技に活用されています。
Autowareのソフトウェアスタックの統合:
AutowareのソフトウェアスタックがF1Tenthやゴーカートなどの小型車両に統合されており、リアルタイムでのシミュレーションやレースシナリオでの使用が進められています。これにより、複雑な環境での自律走行が実現されています。
ゴーカートプロジェクトの進展:
AV4EVゴーカートプロジェクトでは、既存のゴーカートプラットフォームをカスタマイズし、自動運転機能を追加しています。具体的には、Lidar、カメラ、GNSS、IMUなどのセンサーを統合し、高速走行や障害物回避などのシナリオに対応できるようにしています。
将来の競技への準備:
2024年にPurdue Universityで開催されるAutonomous Karting Seriesに向けて、各チームが車両の改良を進めています。競技では、事前に準備されたマップやトラジェクトリを使うオープンカテゴリーと、即興で障害物を回避するリアクティブカテゴリーがあります。
コミュニティの拡大と新しい挑戦:
Autoware CoEは、これまで以上に多くの大学や研究者を迎え入れ、コミュニティの拡大を目指しています。また、新しい技術やツールの導入を通じて、自動運転技術の発展に寄与しています。
Autowareの技術的進展、コミュニティの成長、そして今後の競技やプロジェクトへの準備が強調された。
Autowareシステムにおけるクラウド統合と安全性確保のための開発進捗報告
Autowareの構成と通信:
Autowareシステムでは、Primary ComputeとSafety Islandの2つの主要なコンポーネントがあり、これらが相互に通信する仕組みを解説。Primary Computeは主に一般的なアプリケーションの実行に使用され、Safety Islandは安全性が求められるアプリケーションを実行します。
MPCノードのテストと検証:
MPC(Model Predictive Control)ノードを含むシステムのテストが行われ、計画シミュレーションを通じてその動作が検証されました。このテストは、クラウド環境を利用して効率的に行われ、ハードウェアを使わずに仮想環境での機能検証が可能です。
実装の進展と今後の計画:
過去数年間にわたりAutowareのシステム開発が進められており、現在はリアルタイム機能のテストや複数の仮想環境でのシステム検証が進行中です。特に、クラウドでのシステム運用が可能であることが強調されています。
ポーティングと統合手順:
AutowareのROS 2依存性を削除し、Zephyr上で動作させるための具体的なポーティング手順が説明されました。この手順には、依存関係の分析、通信手段の実装、サードパーティライブラリの移植などが含まれます。
クラウド環境での連携:
クラウド上でのAutowareの運用が進められており、異なるシステム間の連携やテストが容易に行えるような環境が整備されています。これにより、開発者は効率的にシステムの検証とデバッグが可能になります。
OTA(Over-the-Air)標準化の取り組み
概要
eSyncアライアンスは、自動車業界におけるOTA(Over-the-Air)技術の標準化を推進し、相互運用性と効率的なソフトウェア更新を実現するための基盤を提供しています。2018年に5社で始まったアライアンスは、2023年には26社に拡大し、主要なOEMやサプライヤーが参加するエコシステムを形成しています。
技術的には、高性能コンピューティングやコンテナ化されたプラットフォームに対応し、仮想車両から実車までの一貫したソフトウェア配信を可能にしています。これにより、8000万以上のエッジデバイスが迅速に更新され、進化する車載アーキテクチャに対応する実践的なパイプラインアプローチが提供されています。eSyncアライアンスは、業界全体の標準化と効率化に寄与し、自動車ソフトウェアの未来を形作っています。
ポイント
複雑性の増加: 現在、OEMやTier 1サプライヤーは各々異なるOTA手法を採用しており、複数の規格が存在している。この複雑性は、非効率性を引き起こしている。
標準化の必要性: 標準化を進めることで、異なるOTA手法による非効率性を解消し、相互運用性を確保することが可能になる。
具体的な取り組み: 2018年に結成された規約標準化団体が、業界内でのOTA標準化を推進。これにより、異なるエッジ環境やコンテナ化されたソフトウェア環境での一貫したOTAを実現。
実践的な成果: 既に500万台以上の車両でOTAが適用されており、CI/CD環境におけるOTAの迅速な展開が可能となっている。
結論
OTAの標準化は、業界全体における複雑性の削減と効率的なソフトウェア展開の実現に寄与しており、今後もその取り組みが加速されることが期待されている。発表者は、この標準化を推進するための具体的な実例や進捗状況についても述べ、さらなる協力を呼びかけています。
ではまた!