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ROS By The Bay Novemberイベントに参加してきました

ROS By The Bay Novemberイベントに参加してきました

日時:2024/11/14 6:00 PM to 9:00 PM GMT-8
場所:250 Mayfield Ave · Mountain View, CA


会場の様子:


発表1:ロボット制御システム「MoveIt」におけるキャッシュの活用について


発表中の様子

ポイント

  1. キャッシュの概要:

    • ロボットの動作計画をキャッシュし、類似のスタート位置やゴール位置に対して再利用することで、計画時間を短縮。

    • キャッシュはロボットの作業空間やジョイントの状態、ゴールの制約などに基づいて保存され、最適な計画を再利用可能。

  2. ファジーキャッシュの導入:

    • 正確な一致ではなく、ある程度の誤差を許容する「ファジーキャッシュ」を使用し、再利用性を向上。

    • この手法により、若干のズレがあってもキャッシュ済みの軌道を利用できるため、効率が向上。

  3. 使用方法と制約:

    • キャッシュはSQLベースのデータベースに保存され、クエリによって検索・取得される。

    • キャッシュの利用は、静的な環境や高い繰り返し性のある動作(例: ピッキング作業など)に特に有効。

    • 動的な環境では、シーンの変更によりキャッシュ済みの軌道が無効になるリスクがあるため、注意が必要。

  4. 今後の応用可能性:

    • 同じメーカーの異なるロボットアームに対して、キャッシュデータの再利用ができる可能性があるが、互換性やスケール調整が必要。

    • ファジーキャッシュは、特に産業用ロボットのような繰り返し動作の多いシステムに適しており、計画速度と精度の向上が期待される。

  5. 課題とベストプラクティス:

    • キャッシュの適用範囲を制御し、過剰なキャッシュヒットによる不正確な動作を防ぐための制御が必要。

    • キャッシュに依存する際のスタート地点やゴール地点のトレランス(許容誤差)を調整することで、ロボットの動作をスムーズにすることが重要。


発表2:オープンソースプロジェクト「RX100ロボット」について

発表中の様子

1. プロジェクトの概要

  • 発表者は「Red Rabbit Robotics」の創設者で、元々はオープンソースプロジェクト「RX100ロボット」からスタートした。

  • 低コストかつ実用的なヒューマノイドロボットを開発することを目指し、特に上半身の機能に重点を置いている。

2. ハードウェア設計

  • ロボットの多くのパーツは3Dプリントされ、カーボンファイバー素材を補強として使用。

  • 腕の仕様は7自由度、70cmの長さ、500gの耐荷重を持ち、低コストでありながら実用性を追求。

  • 主にオフ・ザ・シェルフのサーボモーターを利用し、手軽に組み立てられる設計となっている。

3. ソフトウェアと制御システム

  • 制御にはROS(ロボットオペレーティングシステム)を使用し、直感的な操作や遠隔操作が可能。

  • 5Gや衛星通信を活用して低遅延のテレオペレーションを実現することを目指している。

  • 今後、ROS 2や独自の制御システムへの移行も視野に入れている。

4. テレオペレーションとAI

  • 遠隔操作用に様々な制御方法をテスト中。特にビジョンシステムやセンサーを用いた操作方法を検討。

  • AIを活用してタスクの自動化や軌道計画を進めることも検討しているが、現段階では基本的な操作に留まっている。

5. 低コストサーボモーターの採用

  • 高価なサーボモーターを避けるため、中国製の低コストサーボを使用。

  • これにより、全体のコストを抑えつつ、ロボットの機能性を確保している。

  • 最新モデルでは、BLDCモーターも検討しており、性能向上とコスト削減の両立を目指している。

6. ビジネスプラン

  • 開発初期段階ではオープンソースのハードウェアと基本的な制御システムを提供。

  • 将来的には産業用や農業向けのロボットを商用化し、製造業や食品業界などへの導入を検討中。

  • ヒューマノイドロボットを活用し、人間の代わりに労働力を提供することを最終目標としている。

7. 今後の課題と展望

  • 今後は、ロボットの機能強化や新しいモジュールの追加を進める予定。

  • 脚の実装については短期的には考えておらず、車輪ベースの移動がメイン。

  • 現在、産業応用のフィードバックをもとに、次世代のプロトタイプを改良中。



ではまた!

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