交番勤務での新人いびりと困惑とパトカー②
次の通報では絶対に後れをとらないと、荷物を持っていくもの最低限にまとめ直し指導部長の動向を常に目で追い置いていかれないように注視していました。
次の通報はケンカの通報でした。
この通報は身柄、つまり逮捕事案にあるかもしれないので女先輩も同行で指導部長と3人でパトカーに乗り込み現場へ臨場しました。
ちなみに交番に配置されているミニパトカーは良くてパッソとかあとは本当に軽自動車、追尾する気なんてさらさらないのです。
三人も乗ればぎゅうぎゅう状態 荷物はハッチバックを開いて突っ込みます。自分の荷物以外は交通違反や交通事故に備えて、個人の交通ヘルメット矢印版2枚、カラーコーン数本、スター棒(赤く光る工事現場で警備員の方が振っている棒のこと、ワークマンとかで1500円ほどで売っているはず)事件現場の現場保存用にトラロープ、屋内用靴カバー、ブルーシート、地図などこまごましたものが満載に積んでいます。
この地図についてはゼンリンマップを搭載しており、交番管内の物を常にパトカーに積んでいて、同じものを交番にも常備してありますが、パトカー内にあるゼンリンはみんな共通で使い保存が雑でぽいぽい投げるのでビリビリに破けているのです。
警察官は本当に物を大事にしませんし、他人の物を特に小物を盗みます。マジで
ハッチバックの中に荷物が満載なのでハッチバックの窓が荷物で埋まりバックミラーで後ろが見えません。
交通事故根絶、交通安全を願って活動している割に車の運用がくそです。ああとミニパトカーは洗車しないので汚い。
私がクラウンパトカーに乗って上長になったとき、洗車をさぼる部下がいたので
例えば凶悪犯や粗暴犯がいて暴れているとする、そんな時颯爽と駆け付けたクラウンのパトカーが泥で汚れていたらどう思う?なんか勝てそうとか説得力がなよな?
でもビカビカのクラウンパトカーが現れたらどうだ?強そうとかヤバイの来たとか「圧」があるよな?
パトカーはイコール警察、つまり圧の象徴なんだ
となぜ毎日洗車をするのか説明しました
が、部下はポンコツ君だったので理解されませんでした。
残念です。私の当時の熱い気持ちは伝わらなかったのです。
ミニパトカーも一緒です。
そうしてこ汚い、荷物満載のバックミラーで後ろが見えないミニパトカーで現場へ臨場するとすでにクラウンパトカーが現場にいて対応していました。
結論はしょんべんファイト(殴り合いする根性もないくせに口でキャンキャン吠る小競り合い)でなんの事件にもならず、クラウンパトカーが現場を収めました。
交番管轄責任で経過と結論を報告書で私が作成することになったのです。
交番はミニパトカー配置ですが、警察署の自動車警ら係や警察本部の自動車警ら隊通称自ら隊は配車がクラウンなのです。
クラウンでもランクは通常クラウンからアスリートまで様々、その時のトヨタで入札のお安い車が回されます。
110通報は基本全警察官が聞きますので、本部の自ら隊なども現場に来たりします。
無線は110通報が聞ける「方面系」警察署から指令が飛んで警察署管轄でしか通じない「所轄系」の2系統があります。
札幌は警察署が多いので、1~4の系統に分かれます。
交番へ帰り、書類作成に取り掛かります。
ちなみに当時は交番内にMyパソコンを持ち込み一太郎で書類を作成していました。
書式は、フロッピーディスク内にあるものをコピーして使いまわしです。
フロッピーとか分かりますか?
パソコンは警察学校卒業間際に買ったので当時では最新だったはずです。
てか、個人パソコンってセキュリティーががばがばすぎて面白いですよね。
今はありえないですが、当時は本当によくやっていたなと逆にすごいなと感心してしまいます。
交番には過去に取り扱った書類が写しとして保管してありますので、同じような事件の報告書をさらにコピーを取りみんな自分で参考書類として持ち歩いています。
私も例にもれず先輩方と同じように個人情報もなんにもなく書類を持ち出し参考にしていました。
とにかく交番は報告書が作成できなければ話になりません。交番というか警察官がです。
最終的にできた書類は指導部長の印鑑、おじいちゃん警部補(この人は交番所長だったらしいです。)の印鑑をついてもらい、その書類は地域課長に上がり保管か、さらに重要案件であれば内勤(刑事や生活安全課などの専門課)に書類が上がり署長まで上がります。
通常では、この書類はOKと認め上司が印鑑をついて上にあげ、さらに上司がOKと認めれば印鑑をついてと段々と上に上がっていくのですが、警察は違って、印鑑が押されていても作成者に書類が返却され、指導部長、警部補が直した上からさらに刑事が書類を直し、赤ペン青ペンでぐちゃぐちゃになって作成者の私に書類が帰ってくる仕組みになるのです。
指導部長や交番所長が訂正しても無意味という訳です。
しかしながら、訂正はして印鑑をつく無意味な制度はずっと続いていますが。