潜水士と海猿と②
まずは遠泳だ、それと縦泳ぎ
次の訓練日は1か月後、実は潜水プールは予約がいるらしく、個人で通う分には勝手にどうぞだが、5人以上の団体は予約がいるそう。
理由は、この施設警察だけに貸しているのではない。
民間のダイバー試験やダイバー試験合格のため指導してくれる先生がいるので、そのダイバー教室が定期的に開かれているのだ。
民間はCカードと言って、オープンウォーターの資格をとります。
警察の訓練とCカードライセンス団体を被らせないようにするためだ。
私は、警察の先輩同期とともに個人で潜水プールへ
さすがにウェットスーツは持ってこれないので、5㌔の重りを拝借して縦泳ぎと遠泳の特訓をしました。
ちなみに、私は当時水中メガネがないと目が開けられませんでした。
でも、この訓練メガネはしないルールでした。
理由は、潜水中にメガネが外れることも想定しての訓練だからだそうです。
確かに過去にメガネが外れてパニクッて海の水を飲んでしまい、失神した後輩ダイバーがいました。
なるほどそういうことか・・・
もちろん1回の特訓では無理です。
せいぜい50m泳げたり、17分縦泳ぎできたり・・・
週に3通いました。
通常の訓練もあるし、合コンもあって忙しいのに
それくらい悔しかったのです。
なんとか、次の訓練までに間に合いました。
しかし、訓練の神様は意地悪でした。
指揮官殿が、今日は縦泳ぎも遠泳もなし、と決めたのです。
理由は時間がかかって本来の訓練ができないから。
そんな・・・・
まあいいか、それで?私からしたら未知の訓練とは?
10m素潜りで潜る事でした。
なんだそれだけ・・
これ、私の同期は耳抜きが出来なくて、鼓膜を破ています。
プールから上がったら耳から、つーーーーって赤い線が垂れていました。
痛い痛い痛い
ちなみに私は、唾をのみ込むだけで耳抜きが出来てしまう体質だったので、耳抜きが出来ないの感覚が分からず、当時は同期を小ばかにしていました。
ごめんよ同期・・・
訓練は進み、素潜りから今度は、10mの海底にメガネと足ひれ(フィン)を重しで沈めいておいて、それを装着して海面へ復旧するというものでした。
メガネを装着しても水がメガネの中にありますが、これは、メガネを装着して上を向き、鼻息でフンと息をメガネの中に入れて代わりに水抜きをする方法でした、
実際にやったら、おお、おれは良い。
メガネがクリアになりました。
順番は、ウエイトを巻いて、体を沈んだままにして、フィンを付けて、最後にメガネを水抜きして復旧というもの
私は、体質?に合っていたのか簡単にできました。
潜水が得意でしたね、後でも書きますが、海底捜索では、起点かENDを担当していました。
つまり、重要部分の担当を仰せつかり、頑張っていた、と
ここまでが、午前中の訓練でした。
昼飯時、遠泳も縦泳ぎもしていないのに、みなくたくたでした。
午後が持たないのはもうわかったので、かつ丼大盛りを食べて、即自分の寝場所を確保して昼寝をしました。
なんていう幸せな時間だろう。
おそらく20分くらいしか寝ていないのですが、ぐーーーーーーーっすり寝た感じ、人間疲れていると本当にすぐに寝ますね。
午後からは、実際にボンベを使用しての救助訓練でした。
訓練した感じ、私は潜水が得意だったので、楽しいとさえ思ってしまいました。
ただ体は疲弊しますが、心は楽しいのでそこまで苦ではなかったのです。
ちなみに、この日だけ遠泳と縦泳ぎがなかっただけで、次回の訓練はちゃんとしっかりありました。
遠泳で疲れるということは、余計な力がまだ入っているのでしょう。
まだまだへたくそでしたね。
後半はだんだんとコツが掴めてきて、楽になりました。
なんでもそうですよね、何事も最初は訳が分からず、抜きどころもわからないからただ疲れる、でもそのうちコツが掴めて楽になるとか、急にできる様になるとか、こういうのをシンギュラーポイントというらしいです。
なにか新しいことをやる方は多いと思いますが、だいたいこのシンギュラーポイントに到達する前に辞めてしまう、挫折してしまう方が多いらしいのです。
もったいないよね、結局努力や勉強も大切ですが、継続こそ力なのでしょう。
疲れたら一時休めばよい、ゆっくりでいい、
筋トレも最初は飛ばさないでゆっくりやってきました。
飛ばして急に筋肉がつくことはことはないでしょうが、ある日
何か体つきが様なったな、はあると思います。
実際はどうではないでしょうが。
ちなみに、訓練開始前の整列からの敬礼ですが、これもる上層部が
海猿を見て、真似したものになります。
ドラマで伊藤英明さんたち海保の潜水士が、右手で右胸に敬礼ポーズを取っていましたが、これをそのままパクっています。
適当だなおい
この潜水の敬礼ポーズ、他の警察署でも使われていました。
ドラマの影響力スゲー
海保には負けるけど、警察では頑張ていた潜水士seigikannでした。
(潜水士の資格はとりました)