視閲式と警察マニア
警察では北海道警察本部長(警視監)が交代すると視閲式という部隊のお披露目会があります。
(警視総監は全国で一人ですので、各地の本部長は警視監という階級なのです。)
でかい敷地を借りて、当時は月寒グリーンドームというドームの駐車場を借りて新北海道本部長が演台の上で部隊にそれぞれ敬礼してくれます。
部隊は、パトカー部隊、白バイ部隊、機動隊、SAT部隊、機関銃部隊、指揮官車部隊、大バス部隊、放水車部隊、徒歩部隊などが数メートルおきに3列にならび本部長殿の前をとおりながら「頭(かしら)―みぎ」で敬礼しながら、また警察車両は回転灯をまわしながら本部長殿の前を通過します。
本部長は敬礼して見送ります。
その後、年ごとに中身は違いますが、白バイが技術を見せたり、レスキューがヘリコプターから降りてきたり、SAT(特殊急襲部隊)が機関銃をもってハイジャック鎮圧したり様々なことをして本部長殿を楽しませる演目があります。
それを見に来ている家族などと雑談の時間がありそれぞれ解散するのが視閲式です。
視閲式をしている最中、眼鏡をかけたとても太ったバンダナをした警察オタクさん(男性、おそらく30代後半)がカメラを構えてずーっとパトカーなどを撮影していました。
パトカーなどを撮影して、自身が警察好きであるならまだかわいいですが、撮影してそれをネットにアップして自身のサイトに載せるのです。
その時の視閲式の題名が、「バカ警察大集合お笑い視閲式」と題して撮った写真をバシバシアップしていました。
そいつは主に交通取り締まり情報を公開していて、例えば○○路線で速度取り締まり中、みんな気を付けてなど
ここまでは良いですが、他のサイトの民がわざと警察官を怒らせてそれを写真や動画で記録し、サイトの主に経緯と画像動画を渡して主が面白いと感じたらサイトに載せている、報酬として主が作ったステッカーを配るというものでした。
主に琴似にある琴似庁舎にサイトの主は出没して出入りするパトカーや覆面パトカー、白バイを撮影していました。
過去に一度敷地内に入り撮影していたところを警察官に見つかり次敷地内に入れば逮捕すると警告を受けて以来、大分遠いところから撮影をするようになっていました。
いくら奴でも逮捕は嫌なんだな。
琴似庁舎は、自動車警ら隊、白バイ、機動捜査隊など本部所属の車がたくさん別庁舎として置いてあるのでネタの宝庫ではありました。
我々警察学校では、学生も統制がとれてまっせ、というアピールから徒歩部隊に組み込まれ歩きの練習をします。
約2か月 3列の横の合わせと縦の歩幅の合わせ、横から見ても縦からみてもぴたりと合わせるまで時間外でも訓練をやりました。
徒歩部隊は、一般警察官のケツに学生部隊と紹介され歩くのです。
教官殿は「ここでできなきゃ本当にクズだからな」「わかっているのかお前ら」とパンチパーマのやくざ顔負けの親分が叫んでいます。
手は握りこぶしで手の甲を上に向け腕は曲げずにまっすぐに、腕の振りは目線の高さまで振り上げる、脚は膝が腹の上まで上がるように歩く訓練
全員が足の裏に豆が出来てつぶれていました。
それでも誇りをもって本部長に見てもらうのだと気合を入れてがんがっていました。
全員男性警察官だから全うできたと思います。
でも視閲式に集まる警察車両と部隊は圧巻で、やはりかっこいいーなーと今でも思います。
外側はかっこいいのだ。
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