作戦サンバで赤庇う絶対破壊するはぐれメタルキングの作成
イルルカSPにおいてスモールボディを新生したはぐれメタルキングは、主にシャッフルパーティに採用され、その圧倒的な素早さに由来する先制性能による活躍が期待されてきた。相手より先に轟雷滅殺剣を放ち相殺合戦で優位に立ったり、状態異常を撒いたりするのが役割である。本稿では、それらに加え、赤庇うパーティの庇うをほぼ確実に剥がす、AI複数回行動のメタル系スライムにゼロの衝撃を使わせる赤チェインパーティのチェインを止める等の、新しい役割も担える育成例を提案する。
はぐれメタルキングの個体解説
スキル・系図個体値・武器
系図はゾンビ系図(異物悪魔)、個体値はHMS、武器の鍛冶はマインド耐性+、消費MP節約、メタルキラー。
スキル構成の意図は以下の通り(段落下げは使うことはありそうだが採用上の理由とまではならない優先度が低い技)
魔界神マデュラーシャ:星降りのサンバ、作戦封じの息、黒い霧
闇の波動、グレイトハック
マジェス・ドレアム:轟雷滅殺剣
ギガ・マホトラ、斬撃予測、ゼロの衝撃
疾風・ゼロ封じ:作戦封じ、スタンダードキラー、リバース
斬撃封じ、体技封じ、体技予測、ゼロの衝撃
AI設定とその意図
AI設定は基本的に次を想定(環境に応じて適宜調整)。
AI調整の意図はそれぞれの作戦において以下のような優先度で動いて欲しいが故。
ガンガン:轟雷滅殺剣>星降りのサンバ>黒い霧
戦力奪え:(黒い霧が最優先で出るがこれはガンガンや命大事にの副作用であって、特に意図したものではない。MP切れ寸前でギガ・マホトラを期待することもあるかもしれない)
命大事に:黒い霧$${\ge}$$轟雷滅殺剣
想定される採用パーティ
主にシャフ黒。同じパーティ内にぶちスライムベスがいて、一族の誇りSPでスライムバーン発動確率が上がっているのが望ましい。
赤庇うの破壊
赤庇う簡易解説
赤庇うとは、ver1.01アップデート後初期の対戦環境で流行ったパーティで、時々赤い霧で斬撃を封じつつ、はぐれメタルに体技予測をさせながら庇うSPの特性が発動するのを期待し、多くの攻撃をシャットアウトするパーティ。一見運頼りに見えるが、庇うSPの発動率は40%で決して無視出来るものではなく、またバイメリト状態であれば80%、発動しないことを祈って行動する方が博打となるような高確率である。属性攻撃が無効で守備力も極めて高いはぐれメタルを、斬撃も体技も使わずに突破しなければならない。加えて、はぐれメタルには多くの場合常にマホカンタが新生されるので、呪文であるグレイトハックやギガ・マホトラさえも効かない。より詳しくは以下の記事を参照。以降の議論は主にこのパーティを仮想敵として進める。
既存の破壊方法
赤庇うを突破する方法として今まで知られていたものは以下の通りである。
赤以外の霧にして轟雷滅殺剣やアビスハンド
ステルスアタックや稲妻ダンスのような身代わり無視技
作戦封じの息で身代わり状態を解除
素早さ(賢さ)の高いモンスターの星降りのサンバ(悪夢の呼び声)
瀕死で会心の特性をモンスターのHPを減らし、通常攻撃で会心の一撃
しかし何れも、構築ないしプレイングに負荷が大きく、常に安定して狙えるというものではなかった。
1.に関して言えば、霧を変えてから轟雷滅殺剣を使うのは、相手側がゼロの衝撃を使うことを考えるとこちらの時々霧が発動するのを何ターンか待つという運用になりがちで、即時性と確実性に欠ける他、親機側になると相手のバイメリトも合わさって赤霧がなかなか晴れない。
2.や3.はステルスアタックや作戦封じの息は相殺で防がれ易く複数回打てるように構築を組まないといけないのが難点で、特にステルスアタックは回復呪文でも実質的に効果が減衰する為、これで突破するのは非現実的だろう。
同じく4.の悪夢の呼び声は邪竜神ナドラガのスキル故に相殺され易いだけでなく、有効に使えるモンスターが限られるのも問題。星降りのサンバはほぼ相殺されないであろうが、突破手段がそれ以外に無い場合、はぐれメタルが体技予測ではなく踊り予測をしてきた場合に止められてしまう(体技や息等、別の手段による突破が出来ないとそれだけでは無意味)。
5.の瀕死会心は能動的にHPを減らす方法の確保が必要な他、ダゴンやゾルデのような対戦でよく使われる瀕死会心モンスターは主にスタンダードボディである為行動順が遅く、会心ではぐれを倒した後に他のモンスターで追撃を加えるのが難しい。また、マヌーサ耐性が空いているとリーズレットの吹雪呼びでミスにさせられてしまう。
まとめると、既存の手法では、パーティの中で真っ先に動いてはぐれメタルの庇うを解除し、他のモンスターで赤庇うパーティに大打撃を与えるような動きが、運や読みに依存しない確実性のあるやり方では出来なかったという訳である。
作戦サンバによる破壊
今回作成したはぐれメタルキングは従来と異なり、自分のパーティ内の他のモンスターより先に行動し、かつほぼ確実にはぐれメタルの庇うを解除することが出来る。その方法も作戦ガンガンいこうぜで作戦封じを命令するだけである(以降これを作戦サンバと呼称する)。それによって庇うが解除される過程は次のように示される(赤霧)。
庇うSPが発動していない→そのまま攻撃が通る
庇うSPが発動し、体技予測以外の行動をした→作戦封じで庇うが解除
庇うSPが発動し、体技予測した→作戦封じが反射されはぐれメタルキングが作戦封じ状態となり、スライムバーンでテンションが上がる、星降りのサンバ(2ヒット以上)ではぐれメタルを倒す
この考察は赤霧という条件下で行ったものであり、赤霧でない場合ははぐれメタルキングが作戦封じ→轟雷滅殺剣と動く為、2回行動しかしなかった場合ははぐれメタルを倒せない。しかし赤霧でなければ他の仲間の攻撃で十分に倒せるであろう。また、赤霧下で作戦封じ→星降りのサンバと動いた後には黒い霧を使用する為、はぐれメタルキングが3回行動かつ相手がゼロの衝撃を使っていない場合には、赤霧を消してこちらの攻撃がよりよく通るようにもなる。尚、はぐれメタルにスクルトが掛かっている場合には、倒すまでに求められる星降りのサンバのヒット数が3に増える(テンション1段階のサンバで与えるダメージが173から114に減る為)。
作戦サンバによる破壊(画像)
それ以外の破壊方法
作戦サンバは標準的な赤庇うパーティには防ぐ手段は無いが、パーティ改変により対応してくることも考えられる。例えば作戦封じを相殺しながら踊り予測をする等である。これに対しても、作戦サンバ以外の崩し手が存在する為、運や読みを要し不確実ではあるが対応可能である。
作戦封じの息で庇うを解除する
命大事にを命令して(黒い霧→)轟雷滅殺剣
テンション→星降りのサンバ
相手が作戦封じを相殺するならその分だけ相殺・ゼロの衝撃の手数が減り、今度は作戦封じの息が通り易くなったり、黒い霧から轟雷滅殺剣で破壊するという手段が取れる。黒い霧は使用頻度◎でAIで発動するようにしている為、直接命令する場合と異なり黒霧が不要な場合には使用せず、ゼロの衝撃に引っ掛かり難くもなっている。体技予測や状態異常技の使用を控えはぐれメタルキングのテンションアップを妨害するものの踊り予測まではしない時には、テンションからのサンバという攻め方が可能。はぐれメタルキングに轟雷滅殺剣や黒い霧を使うMPが残っておらず、相手のはぐれメタルが常にマホカンタを新生していなければ、グレイトハック(命令)→ギガ・マホトラ(戦力奪え)を狙うこともあるかもしれない。
赤庇う以外への対応
はぐれメタルキングが実際に活躍する為には、赤庇う以外に対しても戦えることを示さなければならない。そこで、幾つかのパーティに対する立ち回りを考察する。
赤チェイン
シャフ黒においては、ゼロの衝撃役を特攻で倒してラウンドゼロで締めるというのが基本的な対処法であるが、スモボ化メタルスターのようなメタル系スライムにゼロの衝撃を使われると、素早さの高さから特攻が当たり難く、当てたとしてもビッグバンや獣王激烈掌のような属性体技で残りHP1を削れないが故に倒し難い。しかしスモボかつAI複数回行動のメタルはHPが大きく下がっている為、テンションの上がった星降りのサンバ1ヒットで倒せる(HPと守備力の両方の個体値を上げているような奇特な個体か、或いは最大HPが200を超えていない限り)。サンバの攻撃先はランダムだが4発もあれば1発は当たる可能性は高く、十分に狙う価値はあるだろう。はぐれメタルキングが3回行動するならば、テンション→星降りのサンバ→黒い霧の流れで完封。
行動速い4枠(メタルライダー等)
行動速い4枠はシャフ黒に対し、大防御で1ターン攻撃を耐えつつこちらの時々黒い霧の発動を待つことがある。黒い霧になるとシャッフルが消える為、素早さ次第ではスモボより先に行動速い4枠が先に動けるからである。そのような場合、はぐれメタルキングにはリバースを使わせる。リバースはターン終了時に発動する技であるので、時々黒い霧がこのターン発動しようとも次のターンはリバースで始まり、スモボ側が確実に先制する。
4枠鬼棍棒
闇の波動を指示しつつ作戦は戦力奪え。闇の波動はダウンによる物理攻撃のダメージ減少狙いで、戦力奪えは相手の時々リバースが発動した時、それを黒い霧で上書きする目的。ガンガンいこうぜは星降りのサンバがギャンブルカウンターを誘発する危険性がある為危険。3回目の行動で作戦封じ(の息)が当たればかなり美味しい。
シャッフルスモボ
高い素早さを活かし、轟雷滅殺剣を先に打って相殺合戦の優位を取る。相手が時々赤い霧を採用しているのなら、命大事にで黒い霧のAI使用。
余談
当初は妖精の息吹を採用して星降りのサンバと悍ましい雄叫びを両立させ、テンション→サンバorおぞおたによって相手が体技予測しようとも踊り予測しようとも倒すというのを考えていたが、相手の予測を見てAIに2つの攻撃技を使い分けさせるのがどうにも上手くいかなかった為、作戦封じの反射でテンションを上げようという発想になった。
作戦サンバという呼称は作戦封じ→星降りのサンバという連続行動を繋げたものであるのと同時に、星降りのサンバを命令ではなくガンガンいこうぜという作戦によって使用させるということも掛けた、ダブルミーニング。
謝辞
星降りのサンバによるダメージ測定等、対戦を通じた検証においてXepalousの協力を受けた。ここに謝意を述べる。
著作権者表記
このページで利用している株式会社スクウェア・エニックスを代表とする共同著作者が権利を所有する画像・動画の転載・配布は禁止いたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?