【有料】大喜利のお題の作り方完全攻略ガイド2023年版【前編】
「この赤ちゃん、おじさんみたいだな…」どんな赤ちゃん?
皆さんはこの大喜利のお題が
どんな要素から、またどのような過程を経て
構成されているか考えたことはありますか?
はじめに
【プロフィール】
▼X(@seifuntt)
▼lit.link
構成作家という職業をはじめて10年が経ちました。
縁あって大喜利を好む人との接点が多く、ニコ生やYouTube、ライブなど様々な媒体の大喜利のお題を作る機会に恵まれたため、この10年間で作った大喜利のお題の数はざっと計算してみたところ少なく見積もっても5000問。
この数字が他の同業者に比べて多いのか少ないのかはわかりませんが、5000問を作る過程で学んだこと、また気を付けた方がいいことや知っていると便利なことを、自分のためにまとめたものをせっかくなので公開します。
大喜利のお題のソースコードのようなものだと思ってください。
大喜利のお題とは
そもそも大喜利のお題とは…
その場でボケの案出しができる(ネタの)設定 を問いかけの形にしたもの
という定義のもとで、ここでは話を進めていくことにします。
大喜利とは、お題を見てその場で瞬時に回答を考えるものです。
なので、あまりにも考えることが多い難解なお題や、何を答えたらいいかが明確でないお題は好まれないと思います。
ではどのようにしたらちょうどいい難易度のお題が作れるのか。
ここでは自分なりのお題を作る方法をいくつかのパターンに分けて紹介し、
回答が出にくいお題をどうすれば回答が出やすくなるお題にできるかという点を意識して、【前編】【後編】に分けて解説していければと思います。
【前編】は大喜利のお題を作ったことのない、または作るのが苦手な人に向けた入門編。
【後編】は基本的な知識は知っているという人向けの応用編のようなイメージです。
但し、これから紹介するパターンや方法論はあくまで僕の個人的な見解によるものなので、必ずしもすべてのお題に当てはまるとは限りません。
あらかじめご了承ください。
《パターン①》ギャップを利用したお題の作り方
▼「この赤ちゃん、おじさんみたいだな…」どんな赤ちゃん?
まず最初は、誰でも一度は見たことがあるであろうこのようなパターンの
お題について紹介します。
ネットで「大喜利 お題 作り方」のような検索をするとヒットするいくつかのページにも、このパターンのお題についての記述があるので、もしかすると一番ベーシックなパターンなのかもしれません。
ちなみに「撞着(どうちゃく)語法」や「オクシモロン」と呼ばれる表現技法にあたるそうです。
大喜利のお題といえば
▼こんなゾンビはイヤだ!どんなゾンビ?
という、いわゆる「たけしメモパターン」が最も有名かと思われます。
もちろんこれでもお題として決して使えないことはありません。
大喜利ができる人であれば、自発的に頭の中で ゾンビ=怖い、怖がらせるもの という観点から 「こんなゾンビだったら誰も怖がらないだろうな」といったゾンビを考えるというルートを辿るのではないでしょうか。
但しこれは大喜利に慣れている人だから、頭の中でそこの処理をしてくれるのであって、慣れていない人の場合やこれを観るお客さんが同じような思考を巡らせてくれるとは限りません。
このままでは回答の自由度が高く、 考える際のとっかかりも少ないお題になってしまい、 さらには「イヤだ」という抽象的なゴールのため、 回答者とお客さんの目指す先が一致してくれないのでは?という懸念点もあります。
ではこれをもとにさらに考えがいのあるお題、考えるときの取っ掛かりがあるお題にするためにはどうすればよいのか。
そこでまずは次のように考えます。
『ゾンビ』が何をしたらおもしろいのか、
『ゾンビ』にギャップが生まれるような縛りを付ける
ゾンビといえば… ⇒怖い、気持ち悪い、汚い などのイメージが一般的。
そこで、これらと相反するイメージを列挙してみましょう。
怖い/気持ち悪い
⇔①怖くない、気持ち悪くない
⇔②かわいい
⇔③優しい
⇔④癒される
以上の例から ②かわいい を例とした場合、これをゾンビと結びつけることで
▼A)「このゾンビ、かわいいなぁ…」どんなゾンビ?
というお題ができあがります。
こうしてあげることで、回答のゴールが「イヤなゾンビ」という抽象的なものから「かわいいゾンビ」という明確なものになりました。
こうすることによって、ひとまず回答者とお客さん共に、お題に対する回答の着地点が一致したはずです。
これでも充分だとは思うのですが、せっかくなので、ここからさらに『かわいい』の部分をもう一工夫(デティールを細かく)するとどうなるかを見てみましょう。
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